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『賢者タイム』という科学的過ぎる魔法制限 〜賢者魔法のご利用は計画的に〜  作者: ぷれみあむ猫パンチ
第3章 『闇の(ダーク)道化師(クラウン)』との死闘
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第64話 炎と風の七賢者登場

 私とカステラは、美容院を出て、洋服屋へと向かう。カステラはちょっと調子がおかしかったが、なんとか落ち着きを取り戻したようだ。地図を広げて、洋服屋を探し始めた。


「実は、私達が着る服はもう決まっているんだ。この学校の制服が用意されているらしい。服は、着て見てからのお楽しみみたいけど……。ちゃんとローレンはガンマン仕様の服になっているらしいよ」


「へー、まあ、服を選ぶのも面倒いから嬉しいけど……」


「いや、女の子だったら、もう少しオシャレな格好を気にしても良いんじゃないのかな? 一応、ダイアナ様の選んだ服だからオシャレだとは思うけど……」


「うん、ぼちぼち頑張ってみる」


 こうして、私達は話していると、ダイアナが指定していた洋服屋に辿り着いた。そこには、服の他にも武器やガントレッドなどが置いてある。私が常に使用しているような手袋や、ハンナが使用しているようなガントレッドなども置いてあった。


「うわぁ、私の手袋とか、ハンナちゃんのガントレッドはここで買っていたんだね。エイトガンとかもここで作ったのかな?」


「うん、ダイアナ様が特注で作られたけど、全ての武器はここで作られているだろうね。ここがダイアナ様の秘密基地にして、武器製造工場でもあるんだ。賢者能力アビリティーを強化する為の道具が、ここには置いてあるよ。


 この年齢の賢者能力アビリティーは、そのままでは使えない事が多いから、道具と併用させる事によって、魔法技術マジックスキル賢者能力アビリティーレベルまで押し上げているんだ。さもないと、思わぬ事故が起こって危険だからね」


「ふーん、そうなんだ……」


「道具を使う事で賢者能力アビリティーを肌で感じて、威力の調節や応用能力なんかを学ぶんだ。


 ローレンも今はエイトガンで各種の属性技を撃ち出すだけだけど、威力の調整や応用能力なんかを学べば、より強力で多彩な賢者能力アビリティーを使う事ができるよ。応用能力を学ぶには、自然能力が発生するように科学を学ぶ必要があるけどね」


「へー、面倒くさそう……。私、このままで良いや……」


「そんな事言わないでよ。そうだ、私の賢者能力アビリティーとローレンの賢者能力アビリティーを比べて見ると良い。どれだけあなたの賢者能力アビリティーが強いか分かると思うよ」


「ええ、そんな事できるの?」


「まあ、私もちょっと賢者能力アビリティーを使えるようになったからね。威力は弱いけど、少しは可能だと思う。ちょっと、エイトガンを貸して!」


「うん、良いよ」


 カステラは、私のエイトガンを手に取り、ダイヤルを火の能力に調節して構える。服屋の店の中にも関わらず、エイトガンをぶっ放す気なのだ。もしも私ほどの威力が出れば、店ごと吹っ飛ぶほどの威力になるだろう。私は、彼女に警告していた。


「ええ、危ないよ? 外に出た方が安全だよ?」


「いや、私の場合は、威力が弱過ぎて、火が出るかどうかも不安だからね。とりあえず、ちょっと暗い所で使わせてよ」


 カステラは、私の賢者能力アビリティーの原理を多少理解して、自分の賢者能力アビリティーに応用していた。人間にも少しの電力が蓄えられており、それを無理矢理掻き集めてエネルギーにしているようだ。


「そろそろ良いかな?」


 カステラがトリガーを引くと、シュッポッという音と共に、ライターくらいの火が出ていた。店は一瞬明るくなるが、危害を与えるほどの威力ではない。私は、発生した炎の威力に驚いていた。


「小ちゃい……」


「まあ、本気を出して賢者タイムになるのは困るからね。三分の一位の威力で止めておいたよ。本気を出せば、10センチくらいの火球は出るだろう。これが、ローレンの能力をコピーした結果だよ。とてもじゃないが、オリジナルのローレンには程遠い。


 多分、頑張ってローレンに似せても、最大火球が1発出せれば良い所だよ。それほどまでに、君の能力は特別なんだ。まあ、私のコピー能力が完全だとしても、最大火球は2発までが限界いっぱいだろう。それを使って仕舞えば、賢者タイムに入ってしまう」


「ふーん、私の賢者能力アビリティー凄いんだ」


「まあ、威力だけなら世界最強レベルかもね。私は、自分の賢者能力アビリティーを応用させて戦うから、一概にどっちが強いかどうかは分からないけど……。やり方次第では、ローレンにも勝てるよ。ただ、正攻法ではちょっと難しいってレベルだけど……」


 私とカステラは、店側が用意した13歳くらいの制服を着てみる。しかし、私だけはサイズが合わない。特に、胸の部分が致命的に子供だった。それで仕方なく、最小サイズの制服を用意して貰った。泣けるほどサイズはピッタリと合っており、なんか悲しくなって来た。


「うう、最小サイズがピッタリ合うなんて……。私、みんなより子供だって事なんだね……。特に、胸が……」


「そんなに気にする事はないよ。この年には、個人的に急激に成長する時もあるし、緩やかにしか成長しない時があるよ。夜にしっかり睡眠を取って、栄養のある物を食べていれば、きっといずれは大きくなるはずだよ」


「逆に、カステラちゃんの衣装は大人っぽくて良いよね。出るとこは出るし……。黒髪ロングヘアーと合わさって、なんかセクシーに見えるよ。制服も白くて可愛いよ」


「ローレンも青い制服と青い帽子がマッチしているよ。どうやら、私の作った帽子がこの学校の帽子だったみたいだね。凄く可愛い!」


「そうかな? それなら嬉しいけど……」


 私とカステラが話をしていると、2人の賢者が近づいて来た。かなりの威圧感があり、店に入って来た瞬間の空気が変わり始めた。2人は、教官の格好をしており、この学校の教師になる気満々だった。赤色と緑色の教官の服を着こなしている。


 2人は、どうやら手袋を買いに来ていたようだ。おそらく得意な属性に合わせて、服の色を選んでいるのだろう。賢者能力アビリティーを極限まで鍛え上げて、七賢者と呼ばれる自然属性の1つに身体を変化させることができるのだ。

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