ここは…どこ…⁉
光がだんだんと晴れてきたので状況を確認することにした。
周りを見渡す。
すると、一面が田んぼ、田んぼ、田んぼ!
ここ、どこよ?
私の街はもっとちゃんと道路が整備されてたはずなんだけど。
「おい、ゆか。ここどこだよ?」
「分かってたらとっくの昔に言ってるわよ!」
ここには漣も一緒に飛ばされたらしい。
突然、叫び声が聞こえた。
「おーい!レン!んなとこ突っ立ってねーで仕事、手伝ってくれぇー!」
うちのお父さんの声だ。
けど、お父さんはこんな…「なまった」なんて言ったら失礼だけど、なまってない。
まぁ、発音の問題なのだが。
でも私達が呼ばれているようなので取り敢えず、「分かった~!」と返事をしておいた。
漣がこっそり耳打ちしてくる。
「おい、誰だよ、あのおっさん?」
「だからそんなの私に、言われたって困るわよ。こっちだってよく分かんないままなんだから」
本当に分からないのだ、仕方ない。
そのあとはお父さんらしき人に漣は畑仕事を手伝わされていた。
私もする、と言ったのだが、お父さんらしき人に「お前は巫女修行だ」と言われ、手伝わせてもらえなかった。
その代わりと言うと変だが、森に連れていかれた。
しかもこの田んぼだらけの世界で唯一、私の知っている場所。
連れていかれる途中、分かったことは、私と漣は"ユカ"と"レン"でこのお父さんらしき人の双子の子供なんだということ。
そして、この世界が現代より千年以上前の812年だということ。
794 ウグイス 平安京
だから平安時代かな?
それより、巫女修行ってどういうことなんだろ?
みたところ、この家は神社とかではなさそうだし。
もしかしてスカウトとか?
神社の人に「あなたは巫女に向いています」って言われたとか。
そんなことを考えていると、森に着いた。
やっぱり変わんないんだなぁ…。