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ペンダントは!?
「ったく…。人がわざわざ来てやったってのに、なんでこんなに準備に暇がかかるんだ…」
「それを平日の朝のあんたにそっくりそのまま返してやるよ」
私は今、公園にて漣と話している。
「っまぁ、それはともかく!
昨日、俺、お前のペンダントについてばあちゃんに聞いてきたんだ」
「へ?おばあちゃんに?」
漣の、つまりは清水家のおばあちゃんはこの街の最高齢者だ。
いつも身に付けているこの勾玉の形をしたペンダントについて何か知っていてもおかしくはない。
「んで?収穫は?」
「ああ、大ありだったぜ。ばあちゃんにゆかの名前を出したら」
私は漣の言葉を遮った。
「あんたの聞き込み術よりも結果を教えてくれない?早く聞きたいんだけど」
すると漣はいきなり真面目な顔になった。
「___そいつ、"竜の眼"かもしれねえぜ」
「竜の眼?これが?」
ここに伝わる民話に出てくる、あの"竜の眼"?
私は思わず、まじまじとペンダントを見つめた。
すると奥の方で何かがキラリと光った。
次の瞬間、眩しくて目も開けられないくらいの光が私達を包み込んだ。