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ラブリー  作者: 瀬戸朝史
1/1

七辻神社シリーズ

七辻司は悩んでいた。

人気俳優蓮見達也とのお付き合いである。

しかも蓮見達也は年下。

相談相手の儚は大丈夫上手くいくと言ってニコニコしていたが

本当に上手くいくかは不明。

そんな時に事件はおきた。

神社の朝の掃除の時間、儚が司と間違えられ泥水をかけられた。

正確には、儚がとっさによけたのでちょっとしかかかっていないのだが

泥水をかけた女性は「七辻司さんですよね。」といって泥水をかけたので蓮見達也のファン意外ありえない。

二人の交際はもうバレている。

儚が違いますと返事をする前に泥水はかけられた。

儚は暴れる女性を捕まえて、警察の突き出してやると脅した。

儚が司でないとわかると女性はまっ青になって謝ったので、儚は女性を解放した。

雑誌に熱愛とか書かれるのは時間の問題だった。

「美人は大変だね、妬まれて。」

儚は欠伸しながら言った。

その儚は、巫女舞を舞う女性の中で一番美しいといわれているのを知らない。

小さな白い顔は上品に整っている。

ファンの男性達は巫女姫とよんでいるくらいだ。

本人は儚という名前に反して現実的だ。

そこに出版社の名刺をもった男が現れた。

「あなたの顔は隠しますが、交際されている事は事実ですよね。」

男はねっちこい口調で言った。

司は「私一人の問題ではないのでお答えできません。」と答えたが

男は「事実なんですね。」と言ってにんまり笑った。

蓮見達也に連絡すると「俺のところにも来た。隠すことないよ。」

と言われた。

「不安にさせてごめん。」

「別に大丈夫。」と司は空元気をだしてみる。

いつかバレる日が来ることはわかっていた。

「俺は、本気だから。」達也はすごく真面目に言った。

司は「ありがとう。」としか言えなかった。

達也は「俺、次男だから名字を変えてもいいから。」とまで言ってくれた。

司が七辻神社の跡取である事に考慮してくれたのだ。

それは嬉しい。

でもそれが達也にとってプラスになるかといえばどうだろう。

司は混乱した。

それに年齢差もある。

司は達也の五歳年上なのだ。

達也は「いまどきそれぐらいの年齢差気にすることないよ。」と言ってくれるが

それも気になる。

どんな年齢だろうと誰でも乙女心はもっている。

心はいつも乙女なのだ。

馬鹿にする男性もいるが事実は動かせない。

言いたい奴はいえばいいのだ。

達也とは二人で会って話そうという事になり電話は終わった。

しかし翌日、儚が珍しくテンション低めで神社に来た。

「おたきあげお願いします。」と言って白い紙に包まれたものを持ってきた。

司が何それといって触れようとすると儚は触ってはいけないと言い「中身は泥だらけの首のとれた人形。見なくていい。」と言って社務所に入っていった。

「朝、玄関の前に置いてあった。」と暗い表情で言った。それからコンビニの

袋から雑誌を取り出して「これ、私だよね。」と言って司に見せたのは、儚が

神社を掃除している写真で、しかも蓮見達也をおとした巫女と書かれていた。

雑誌って嘘が多いとは知っていたが人物と場所が特定できるように載せてしかも人違いとは、あまりにも酷い。

司の父で宮司の耕造も神社に変なメールが沢山きた。おたきあげだーと怒っていた。まもなく達也からも電話がきた。

「あの写真は司じゃないだろ。写真の人に迷惑かかっているんじゃないか?」

司が「もう迷惑かけている。」と人形の事を言うと、儚に直接会って謝りたいと言った。そして問題が大きくなってはいけないので事務所を通じてコメントをだすことにしたと言った。達也がコメントをだすと儚へ嫌がらせもメールも収まった。

達也は直接、儚に会って謝りたいと言ったので、司は近所のイタリアンレストランに予約を入れて三人で会うことにした。

儚は、わざわざそんな事しなくてもいいのにとブツブツ言っていたが時間の十五分前には来ていた。

達也はスーツできめてきた。

司がスーツ姿に見惚れていると、そんな司をみて儚はニヤニヤした。

「本当にごめんなさい。」達也が儚に頭を下げた。司も慌てて下げた。

「いいですよ。別に。おたきあげもしてもらったし。」儚は二人に頭を上げるように言った。頭をあげた達也は司と儚を見て「やっぱり似てますね。」と言った。「従姉妹ですから。頭が良さそうな方が司です。」と儚がそう言って笑った。ワインが運ばれ楽しい時間がながれていった。

やがて儚が美容タイムだと言って帰っていった。

「美人でしかもおもしろいのに、なんで彼氏がいないんだろう?」

と達也が不思議そうに言った。

司は「美人なのにオモシロイからそのギャップで男の人が引くかも。」と言ってみたが達也は「そこがいいのに。」と言った。

謎だった。

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