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男男帝国  作者: %s
1章~穂模川芸太郎編~
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男男帝国!!

 男男おすまん帝国。この帝国はかつての日本でいう首都圏があった地域に存在する帝国である。

 人口の大半をゲイやレズビアンなどの同性愛者が占めているこの国内では、異性愛者は最も下の階級であり、法律上では、『動物』として扱われていて、基本的に一切の人権は保障されていない。だが、異性愛者でも二次元の異性に対する恋愛は認められていて対物愛なども認められている。

 つまり、現実世界における異性に対する恋愛だけが禁止されているというわけである。

 また、この国に入国するには異性愛者診断という検査を受ける必要があり異性愛者診断に失格すると男男帝国政府は男男帝国内での安全を保障してくれない。

 この国は科学技術力が世界で二番目に高いとされているのでこの国の『特権地区』という千メートル級の高層ビルの立ち並ぶ都市に百以上の宇宙エレベーターが設置されており、宇宙都市まで築きあげている。

 乱市らんし製市せいしなどの都市には『人間生産工場』や『異性愛者強制労働所』などの施設があり、この施設には異性愛者や犯罪者などのたくさんの人間が収容されていて『人間生産工場』のおかげで、異性愛者がいなくてもこの国の人口が減少することはない。

 男男帝国の首都である雄都おすとには、男男学園高等学校『男男高校』という高等学校が存在している。この学校にはある問題がある。その問題はとある一人の男とこの学校特有の制度である『オブジェクト制度』が原因であり、そのせいでこの学校はとある一人のホモによって支配されていて、学校の生徒全員が事実上のその男の『奴隷』となっている。

 『オブジェクト』という制度は、新入生全員に対して、身体検査、能力検査学力検査などを行い、何かしら特にずば抜けた能力を持った生徒を一人選抜する。そして選抜されたその生徒は、オブジェクトになる契約を高校と結ぶ権利を得ることができる。

 オブジェクトは、簡単に言えば、国の『実験台』になることである。

 オブジェクトになるとその生徒は法律上、学校の 『所有物』とみなされるのだが、『物』であるがゆえにその生徒は、人を殺そうが物を盗もうがすべて罪に問われない(例外はあるが)。そして男男学園は男男帝国の組織の中でも大きな権力を持っており、オブジェクトが悪いことをしても高校が権力で罪をもみ消してしまうので、事実上オブジェクトは何をやっても許されるわけである。もちろんオブジェクトは『実験台』なので、定期的に身体実験をすることになるが、その分オブジェクトは一年間に、男男帝国内での平均年収の十倍の金額の報酬をもらっている。

 しかしオブジェクト本人があまりにも大きな事件を起こした場合は、罰として死んでもいいという前提で拷問のような身体実験や最新の化学兵器の実験台にされてしまうので、それを恐れてオブジェクトは多くても一年に数十人の人を殺すが、都市ひとつを消滅させる程の大きな事件を起こすことはない。

 しかし、それでも人の命が失われているので十分に大きな問題である。

 ちなみに、警察関係の人間以外がオブジェクトを殺したとしたら所有主である学校から訴えられて終身刑または強制労働所行き確定である。

 男男帝国の警察は、軍隊並みの装備であり、そのうえ男男帝国上空には、誤差1メートル以内で精密な攻撃のできる無人偵察機が二十四時間飛んでいて、地上にも最新兵器を備えた装甲車などがパトカーとして普通に走行しているので、万が一オブジェクトが問題を起こそうとしても、即射殺または捕獲される。

 オブジェクト自体、男男高校の『所有物』であるので、警察も、危険物を処理する感覚で、何のためらいもなく射殺するであろう。

 オブジェクト。人は人でも法律上は『物』である。



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