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⑧ 4月1日

「うぅあぁ……!?」


 そこで目が覚める。


「夢オチ……?」


 電気はつけっぱなしのまま、パソコンは小さな音で音楽を垂れ流しつづけている。時計を見ると朝の5時少しすぎ。外はまだ薄暗い。体は冷や汗でビショビショになっており、心臓は全力疾走したあとのように激しく脈打っている。


 いや、待て……冷や汗……?


「マジかよ」


 布団の股間のあたりが冷や汗では弁護できないほどグショグショになっていた。


 山本忠治(25) 17年ぶり5回目 (たしか)の粗相。


 布団のシーツをはがし、服と一緒にカゴに入れる。洗濯機はまだないのでコインランドリーで洗うことになるが、さすがにまだ開いていないだろう。


「はぁ、情けない」


 全裸のまま、シャワーに向かう。


 引き戸を開けるのに流石に躊躇する。大きく深呼吸し、何が出てきても驚かないように構えながらそろりと開けたが、ユニットバスは昨日となんら変わりなかった。

 とりあえず、今洗うべき場所をサッと流し、頭をササッと濡らして急いで出る。情けない。完全に浮き足立っている。


 まだずいぶん早いが、とりあえずすぐに部屋を出たかったので、身支度をはじめる。電気を消して、パソコンを終了させようとした。


ふと、動画の検索キーワード入力欄に覚えのない文字列があるのが目に留まる。



 『なんではるおさんどうしてくるしいもうい』



 パソコンは終了させないまま、カバンを引っ掴んで玄関にダッシュする。幸いドアノブが消失したりはしていなかった。ドアの鍵もかけずに駅まで全力疾走する。


(夢だけど、夢じゃなかった!?)



(夢だけど、夢じゃなかった!!)



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