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22.「予想外の邂逅」

「きゃああああああ!」

「ぎゃああああああ!」


 猛毒の呪いのせいで、阿鼻叫喚の地獄絵図と化す直前――


「『宇宙放出スペースリリース眼鏡グラッシーズ』」


 俺は、目の前に巨大な眼鏡を生み出した。

 猛毒の呪いが、二つの大きなレンズの先にある宇宙空間へと吸い込まれて行く。


「助かったわ、ラルド!」

「死ぬかと思ったスラ!」

「心臓に悪イム!」


「心臓あるんだな、スライムって」


 だが、余裕がある状況では全くない。

 見ると、穴から噴出する猛毒の呪いの量は凄まじく、既に〝宇宙放出眼鏡〟で吸い込める量ギリギリで、これ以上穴が広がったら、追い付かない。


 もし穴が広がれば、吸い込めず溢れた分は、モンスター王国全土に襲い掛かり、平和に暮らす善良なモンスターたちを殺してしまうだろう。


 想像するだけで身震いする程の、恐ろしい光景だ。


 そうはさせない……


 そう決意した俺は、小さな声で呟いた。


「いよいよヤバくなったら、さっきみたいに、〝勇者に放出眼鏡〟を使って……」

「聞こえてるよ! 『勇者だったらどれだけ犠牲にしても良いや』じゃないんだよ!」


 潤んだ瞳で必死に叫ぶ勇者は、スルーするとして。


「一刻の猶予も無い。アスド、頼んだ」

「任せて欲しいドラ!」


 俺たちの背後にて、意を決して、アスドが声を上げる。


 俺たちの横までズシンズシンと歩み寄って来たアスドは、二百年振りに再会した幼馴染に、呼び掛けた。


「ポイカーゴン。お久しぶりドラ。話をさせて欲しいドラ」

「ア、アスド……。ポイカーゴンは、アスドと話す事なんて何も無いゴン! どうせポイカーゴンは、駄目なドラゴンだゴン!」


 プイッとそっぽを向くポイカーゴン。


 本来ならば可愛らしい動作ではあるのだろうが、巨躯であるドラゴンという事と、その口から放出される猛毒の呪いの方向が変わるという異常な光景のせいで、可愛らしさは皆無だ。


「そんな事ないドラ。ポイカーゴン。何があったドラ?」


 アスドは、穏やかに、しかし必死に訴え掛ける。


 ――が。


「話したくないゴン! それに、どうせポイカーゴンの話なんて、本当は誰も聞きたくないと思ってるに決まってるゴン!」


 ポイカーゴンは、頑なだった。


「ポイカーゴン……」


 表情を曇らせ、言葉を失くすアスド。


 どうしたものか……


 と、俺が思案していると――


「この魔力って、もしかして……?」

「きっとそうスラ!」

「間違いなイム!」


 レン、スライ、そしてライムが、互いの顔を見合って(後者二人は顔がどこか分からないが)、何事かを囁き合ったかと思うと――


「ポイカーゴンさん! いつもありがとうございます!」

「感謝してるスラ!」

「いつもありがとうイム!」


「え!?」


 ――頭を下げて――


 ――「まさか、会えるなんて!」と、興奮した様子のレンが、バサバサと両翼をはためかせながら――


「あの伝説の〝()()()()()()()()()〟に会えるなんて、光栄です!」

「!」


 ――〝以前何度も俺に語ったあのモンスター〟が、ポイカーゴンであると、告げた。

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