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6. 終わりなき戦い


7月10日木曜日。


今日こそ平和な日々が..........


「ほら、早く取りなよ」


「ちょおおっと黙っててくれない?今考えてるからさ」


「じゃあ作戦成功」


ビキビキッ


ありませんでしたはい。


神咲さんの頭から聞こえてはいけないような音が聞こえた気がするのは気のせいだと思いたい。


現在神咲さんと心晴がトランプで対決中だ。


どうしてこうなったかとそれは少し前のこと..........


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ふにゃ~」


今日は一番乗りに保健室に来た俺は次に来た心晴に膝枕していた。


別にしたかったとかでは断じてない。


ない..........ぞ?


まあ、いろいろ事情があって俺は心晴に甘やかしてと言われたら断れないのである。


「相変わらずお前は人に抱きつくのが好きだな」


「人にじゃないよ。優利にだけだもん」


ドキッ


え?それって...........


なんてときめいていた時期が俺にもありました。


もう何年もの付き合いになる心晴にそんな気がないことくらい嫌でもわかるってもんだ。


「ちっ、鈍感」


「え、今舌打ちした?あとなんて言った?」


「してない。気の所為」


あれ、聞こえた気がしたんだけどな......


そんなわけで俺は、心晴に言われるがままに甘やかしていたのだが..........


「失礼しまー........す........」


そのタイミングで神咲さんが入ってきた。


そして俺達の光景を見て固まった。


やばい。


変な人とか思われただろうか。


「ち、違うんだ。これは...........」


「あ、遅かったね。女狐」


「女狐って言わないでくれないこのニート!」


「私は学校に来ている。よってニートではない」


俺は弁解しようとしたのだが先に2人の喧嘩が始まってしまった。


「はあ、くだらないくだらない。ここで言い争ってちゃ優利くんの迷惑になる。それはいやでしょ?」


「もちろん。優利に迷惑はかけたくない」


「でしょ。と、言うことで........」


神咲さんはそう言うと、何やら鞄の中をゴソゴソしだして何かを取り出した。


その手に握られていたのは.........相談部恒例トランプである。


「これで勝負して決着を決めよう。報酬は........そうね。今週の土曜日に優利くんと遊びに行く権利にしよう」


「よし、乗った」


いや乗ったて。


俺の予定と意思はどうなっているのでしょうか?


「あの〜、俺の予定とか意思って.........」


「嫌なの.....?」


「別に無理にとは言わないよ.......」


ぐはッ!


心晴からの潤み目&上目遣い!優利は50ダメージを負った!


神咲からの落ち込んだ表情!優利は50ダメージを負った!


優利は倒れた。


「いや、俺も2人と遊ぶのは楽しいし........全然ウェルカムだよ!」


俺は最上級の笑顔を作って言った。


「ほんと.......?」


「嬉しい.......!」


その途端2人は満開の笑顔を咲かせて俺のことを見てくる。


ま、眩しい!


本当は土曜日に父さんとの予定が入っていたんだが.........


ごめん父さん!これも友達のためなんだ!


ということでまず俺の土曜日がなくなった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


というわけで現在。


俺の土曜に独占権をかけた戦いがとても、とても真剣に行われているわけだが..........


デート。


それを争っている時点で俺のことを好きなのでは?と、一度考えてしまうのは仕方ないことだと思うのだ。


ただ、そんなことはおそらくないのだが。


心晴に関してはさっき言った通り。


神咲さんも俺のことを好きなはずがないし、この前神咲さんには好きな人がいると小耳に挟んだ。


それって俺のことじゃね?と思うほど俺は自意識過剰ではない。


つまり............


決着をつける口実がほしいだけなのである。


そこに差し支えのない俺の予定を報酬においただけで。


まあ要するに俺とのデートだったら報酬に影響されてやる気が出たりすることがない、ということだろう。


自分で言ってて悲しくなるが、これが現実だ。


.....................


気をしっかり持て少年。


いつかは報われる日が来るさいつかは。


というわけで目の前の状況に集中しよう。


現在行われているのはジジ抜き。


要するにババがわからないババ抜きである。


枚数は2人がやっているから互角。


現在どっちにババがあるかはわからない状態なため、緊張した雰囲気が漂っている。


「えい!」


神咲さんが勢いよくカードを抜き取る。


そして.............揃わなかった。


スペードのクイーン。


ババが判明し、さっきよりも一層緊張感が高まる。


皮膚がピリピリしているように錯覚すらする。


そして決着。


最終的に結果は...........


「く〜!」


「イエーイ、ブイ」


神咲さんの表情を見きった心晴の勝利。


心晴はこちらにぴーすしてきていて、神咲さんは机に突っ伏して悔しがっている。


心晴がかわいい。


そうして土曜日に俺と心晴は出かけることになった。

ブクマと話の最後にある星5つお願いします!

よろです!

アーユーオーケイ?

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