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5. 幽霊部員


次の日。


俺達相談部3人+怜央は、またまた保健室にいた。


「優利さん。相談部ってもともと3人いたんですよね?あと一人の方は誰なんですか?」


相談部のあと一人、ねぇ。


まあ、あいつに関してはなんとも言えないよなぁ。


「あいつは別に学校に来てないとかそんなんじゃないけど、あんまり部活には来ないんだよな」


「私もほとんどあったことないしね〜」


「神咲さんもあまりあったことないんですか」


「まあ、2〜3回くらいかな〜」


あいつに関してはちょっと特殊な事情があるからな。


そんなわけで、俺達は今日も平和に..........


「優利〜」


「グホッ!?」


は、いられませんでした。


俺の名が呼ばれると同時に俺の胴体に強い衝撃が走る。


「はあはあ、飛びつくなって行ってるだろ、心晴」


「..................」


おい、無視をするな無視を。


優利くん傷ついちゃう。


「誰ですかこの人?」


結城が聞いてくる。


ふ、教えてやろうじゃないか。


「こいつは天野 心晴(あまの こはる)。この相談部の最後の一人だ」


「え!?この人が........」


「誰こいつ。ライバル?」


何だよライバルって。


何に対してのライバルなんだ。


というツッコミはさておき。


天野 心晴。


この相談部の最後の一人にして、コミュ障、幽霊部員。


かなり小柄な体格をしており、身長も150センチほどである。


残念ながらどこも育っておらず、幼児体型だが本人は気にしているので、深く言うことはない。


ちなみにショートカットである。


「で、即帰宅人間の心晴がどういう心の現れだ?」


「なんか相談部にライバルがいるって聞いて」


ライバルって結城のことか?


でもそもそもなんのライバルって話だよな。


「神咲 雪。泥棒猫に優利は渡さない」


「へぇ?あなたは優利くんの何だというの?」


「私は優利と一生のパートナー」


「妄想が激しいね」


ちょっと待って?当事者の俺をおいて爆速でいかないで?


「ま、まったまった。心晴のライバルって結城じゃないのか?」


「優利何を言ってる?結城は男。よってライバルになるはずもない」


いやだからなんのライバルなんだよ。


「だから.............」


「優利くん?」


神咲さんがかなりの威圧感を放ちながら俺の方を向く。


「ちょっと外に行っててくれない?」


凄まじい圧。


特に断る理由もない俺が対抗できるはずもなく............


「はい」


こうして、俺は一人廊下に締め出された。


の◯太........。お前はこんな気持ちだったんだな.........。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「心晴ちゃん」


「何」


ここからは俺、草薙 結城の視点で話そう。


現在、心晴さんと神咲さんが相対している。


それを角から俺と兄貴が見守っているって感じ。


それにしても優利さんもずいぶんと鈍感だよな〜。


明らかにラブコメ的なやつなのに..........


「私は優利くんのことをにくからず思ってる」


「私は優利が大好き」


「でも、私には他にも好きな人がいる」


「だったらその人と付き合えばいい」


しかし、神咲さんは首を降る。


「その人には会えるかわからないんだ。きっと顔を見ても認識できないと思う。でも、私は優利くんのことも好き」


神咲さんは心晴さんの目を真っ直ぐに見つめて言う。


「私は優利くんもその人も諦めたくない。だから..............あなたに優利くんは渡さない」


そんな神咲さんの顔は真剣で........思わず見とれてしまった。


「あなた、強欲ってよく言われない?」


「今まで言われたことはないかな♪」


「どちらにしても優利は渡さないから」


「望むところだよ」


なんだか2人からオーラが見えている気がするのは、きっと俺だけではないはずだ。


「あ、あと2人」


2人の鬼がこちらに顔を向ける。


「もしこのことを優利くんにいったら............」


「わかってる..........よね?」


俺と兄貴は首が取れそうなほど何度も頷いた。


これは波乱の予感だな...........


優利さん、ガンバレ!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


一方その頃、俺はひたすらに背筋の寒気に耐えながら廊下に立っていた。


急にドアが開かれ、体がびくってなる。


「優利くん、入っていいよ」


そう言われたので部屋に入る。


「優利〜」


「ちょっ!?」


入った瞬間に心晴が抱きついてくる。


慣れているとはいえ急にされるとびっくりするな。


「優利くん♥」


「エッッッ!!!!!?」


そう思っていたら、なんとなんと、神咲さんまで抱きついてきた。


やばい。


心臓めっちゃドキドキしてる。


これが俗に言う両手に花って奴ですか!?


神咲さんはもちろん、心晴もなんだかんだ美少女だからな。


そんなカオスな状況は、下校まで続いた。


二人はしばらく腕に抱きついたままだったので、資料の整理は当たり前だがやりにくかった。


本当に心臓に悪いから勘弁してほしいものだ。

お読みいただきありがとうございます。

明日からテストが始めるため、いったん毎日投稿をストップさせていただきます。

今週中には再開できると思うので、ブックマーク登録をしてお待ちいただけると幸いです。


最近水泳の授業始まったんだけ雨ってほんとに嫌だよね〜。


ユウリドンカンスギ

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