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4. 新入部員獲得!


現在、場所は保健室。


草薙は神咲さんに手当を受けて、少し頬を赤らめている。


そして俺はと言うと...........


「なあ優利。お前が番長になってくれよ」


「い〜や〜だ!」


俺は熱烈な勧誘を受けていた。


相手はもちろん怜央からだ。


というかこの話は今に始まったことではない。


怜央とは高校に入る前からの知り合いで、まあ色々あって仲良くしている。


そんな怜央は俺が喧嘩を強いことを知っていて、自分じゃなく俺が番長兼お目付け役にならないかとずっと言われている。


もともと怜央を番長にしたのも俺なのだが、俺がしたくないから怜央を番長にしたフシがある。


「番長になったらあいつらに絡まれるし、なによりボランティアの時間が減るだろ」


ボランティアができない人生なんて最悪だ。


あいつ等のせいでボランティアができなくなったら殺意まで湧いてしまう。


「それは俺だったらいいってことか」


「別に嫌って思ってないだろ」


「まあ、そうだが...........」


それに俺はあいつ等にあまりよく思われていないし............


そういうわけがあって、番長は引き続き怜央で。けってーい。


「なんの話をしてるのー?」


というところで草薙くんの手当が終わったらしい神咲さんがこちらの会話に入ってくる。


「神咲さん、怜央が番長だって話」


「優利くん。神咲じゃなく名前で呼んでって言ったよね?」


俺が質問を返すと、瞳に若干の圧を散りばめて神咲さんが言ってくる。


だが................


「俺嫌って言ったよね?」


「ぶーぶー」


俺が呆れたように言うと、神咲さんはほっぺを膨らませて抗議してくる。


かわいい。


そんなとき、俺は保健室の扉から除くいくつもの瞳を見つけた。


俺がそっちを向くと、かすかな足音とともに瞳は消える。


「まったくあいつ等も暇だよな〜。男子だけじゃなく女子までも神咲さんを見に来るなんて」


あいつらは毎日のようにここに来ている。


きっと毎日神咲さんがここに来るからその美貌を見に来ているんだろう。


正直見に来る分には構わないが、俺の居心地が悪くなるのは少し困る。


(((いや男子はともかく女子はあなたを見に来てるんだよ)))


そう心の中で思われているとは夢にも思わない優利であった。


◆ ◆ ◆


次の日。


保健室にて、いつもと変わらない景色が............広がっていなかった。


「よし!ペアできた!」


「くっ。判断をミスったか」


「どれをひこうかな〜」


今ここにいるのは俺と神咲さんと怜央の3人。


やっているのは.......ババ抜きだ。


それも3人分のジュースをかけた。


保険室内に緊張感が漂う。


俺はあと2枚。


神咲さんと怜央は3枚、5枚と続く。


「えいっ!あちゃーハズレかー」


神咲さんが俺のカードを引いて残念そうな顔をする。


その後、怜央が神咲さんのカードを引きペアができた。


これで残り枚数は2・3・3となった。


その後もゲームは続き、結果は...........


「クソ〜負けた〜」


怜央の負けである。


ちなみに一着は俺だ。


というわけで怜央には3人分の飲み物を買ってきてもらおう。


「俺レモンレモンでー」


「私はコーラがいいな♪」


「はぁ、いってくる」


不良のような格好をした人間がパシられてる。


やばい、ツボりそう。


密かに俺が笑いに耐えていると、保健室の扉が開いた。


怜央が帰ってきたのかと思ったが、どうやら違うらしい。


入ってきたのは草薙 結城だった。


「本日付で相談部に入部した草薙 結城です。よろしくお願いします」


そう言って草薙は丁寧に頭を下げる。


まさかの新入部員。


部員ぎりぎりのこちらとしては嬉しい限りである。


「ようこそ相談部へ。部長の優利だ。部員はそこの神咲さんとあと一人いるんだけどあんまり来ないから気にしないで」


俺は、その後軽く活動内容などを説明したあと、再び席についた。


「まあ、基本依頼がないときはここで遊んでるだけだから草薙くんも気軽に来ていいよ」


基本この保健室、俺達の私物と化しているからな。


俺がそう言うとコクコクと草薙くんが頷く。


「あ、草薙じゃなくて結城でいいですよ」


「わかった結城」


俺が結城にそう言うと、俺の服の裾が引っ張られる。


見ると神咲さんがまたしても頬を膨らませていた。


「私は名前で呼んでくれないのに..........」


とってもかわいい。


まあ..........


「そこは男と女の違い」


「むぅぅぅぅぅ!」


俺がそう言うと神咲さんはプイッとそっぽを向いてしまった。


でも仕方ないじゃん?


恥ずかしいんだもの。


思春期男子に女子の名前呼びはハードルが高すぎるって...........


そんなとき、再びドアが開いた。


怜央が帰ってきたのだ。


そして結城はそんな怜央を見て..........


「こんにちは兄貴!」


と挨拶した。


............................


ん?兄貴?


「おお、結城か。怪我は大丈夫か?」


「はい全然大丈夫です!」


そういって結城は何事もなかったかのようにこっちを向く。


あとから聞いた話だが、どうやら怜央が助けに来たことを知って、なんか勝手に兄貴分として認定したらしい。


会うたびに兄貴兄貴言ってくるそうだ。


怜央、まあ.............頑張れ。

お読みいただきありがとうございます。


現在ポイント100目指してるんでブクマと評価していただけるとありがたいです。

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