異世界転生
「ふああ。」
眠たいなあ。喉が渇いたなあ。
瞼が重たい。家に帰って寝よう。
「ドンッ」
立ち上がったものの、力が入らず、床とキスしてしまった。
__そう言えば、3日くらいご飯食べてなかったなあ。
と思った瞬間目の前が暗くなり、私は死んだ。
__目が覚めると、私は知らない場所にいた。
頭が混乱するのを抑え、どうしてここにいるのか考える。
うーん、とうなっていると頭の中の記憶が蘇った。とても多い情報量だったのでまとめると、
私は死んでしまった。そして、前世の私の名前は田中春。今世の名前はソフィア・シノグロッサム。シノグロッサム侯爵家の次女で、祖父の家に行く途中突然頭が痛くなり、気絶してしまった。
と、言うことであった。
そして、私は異世界転生をしていた。
なぜならこの国の名前が、ヴィルヘム帝国と言う前世ではなかった国であるし、前世より今が劣っていて機会もないからだ。
死んでしまった、と軽く言っているがあのまま生きていても社畜としてずっとと買われ続けるだけであったからどうでもいい。強いて言うならば、新しく発売されたラノベを読めなかったことが未練だと思う。
ひとりでかんがえこんでいると、ドアがノックされた。
ドアが開き、メイド服を着た女性が入ってきた。
この人は誰だろう、と思い記憶の中を探してみると、この人は私の専属メイドのレイラ・ライラックこと、レイラさんだった。
一人で考えているとレイラさんが声を出した。
「ソフィアお嬢様、お目覚めになられたのですね。」
レイラさんは「心配したのですよ。」と言ってくれた。
あはは、と笑い返すとレイラさんも微笑み返してくれた。
二人で笑っていたら、レイラさんは真面目な顔にもどり、
「ソフィアお嬢様、侯爵様がお呼びです。至急、執務室にきて欲しい、とのことです。」
と言った。
執務室にレイラさんと一緒に向かうと、イケオジ、いやお父様が机に座っていた。
お父様は私をみて、
「ソフィア、起きたか。アメリア(アメリア=お母様)たちも心配してあったぞ。」
と話しかけてくれた。
お父様は田中春的に見るとクール系イケオジだったが、中身は家族を大切にする優しいお父様だった。
心配をかけてしまって申し訳ない、と思い
「お父様、心配をかけて申し訳ありません。ですが、この通り体の調子も良くなりました。」
と伝えると、お父様はニッコリ笑い、
「元気になってきてくれてよかった。みんなにも起きたことは知らせてあるが、顔を見せてあげあら安心すると思うぞ。」
と言った。
それもそうだな、と思いお母様たちがいる部屋に行く。
廊下を歩いていると、西洋風の家具が分かれていて、改めて自分は違う世界に来てしまったのだと実感した。
部屋に入るなり、エラお姉様こと、エラ姉が抱きついて
「元気になったのね!」
と言ってくれた。
エラ姉に抱きしめ返していると、
「エラ、ソフィアは病み上がりなのだから抱きついてしまっては怪我をしてしまうかもしれませんよ。」
とお母様が言ってくれた。
そしてルークお兄様ことルー兄も
「まったく、もう心配させないでくれ。ぼくの寿命をこれ以上を縮ませたくなければね。」
と笑って言ってくれた。
やっぱりみんな優しくていい人だな、と改めて思った。
そして、この家族は全員美形だとも思った。
その後、みんなで少し話して各自部屋に戻った。
私は部屋に戻り、レイラさんに本と紙とペンを持ってきてもらった。
本を持ってきてもらったのは、この国の言葉がわかるか確かめるためで、紙とペンを持ってきてもらったのはこれからのことを書くためだ。
とりあえず本を開いてみると、スラスラと読めた。
ソフィアの記憶では習っていないはずだから、きっと転生特典というやつだろう、と思った。
ちなみにこの世界では10歳から学校に行くことになっており、貴族は貴族学園、平民は平民学校、と分かれて学ぶことになっていた。
ルー兄はちょうど10歳で貴族学園に行っていた。
エラ姉は9歳で来年から通うことになっている。
また、本は読めるが、日本語ではなかった。つまり、読めるが書けるかはわからない。
かかるのか調べなければいけないから、調べることも兼ねてとりあえず、今後のことを書いていこう。