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木っ端未尽  作者: Ten10
木っ端怪談その1 ついてくるもの
1/11

木っ端怪談 ついてくるもの①

 

 こんな怪談をきいたことはないだろうか。


 夜の帰り道。

 ひとけのない道を歩いていると、どこからともなく感じる人の視線。

 だが振り返れど、周りを見渡せど誰もいやしない。

 しかし確かに感じるのだ。すぐ後ろに、もしくはすぐ隣に、視線を、吐息を、足音を、自身の肩に伸びる手を。


 オチはない。恐ろしい存在もでてこない。つまらない怪談だ。あるいはこの程度のことなら経験した人もいるかもしれない。

 これもまた名前すら付けられてない木っ端怪談のひとつだろう。

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