表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/109

第40話『準備完了』

 噴水の広場のベンチに腰掛けると、横にミツハが座る。


「これであらかた買い終わったかな」


 ミツハの紹介してくれた店は、俺が錬金釜を購入した店だった。

 錬金釜を買った時は、店内をしっかりと見れていなかったので気がつかなかったが、色々な食べ物が置いてあった。


「炊き立てのお米も買えたし、塩も買ったな。でも買ったご飯は冷めないのか?」

「それなら大丈夫だ。アイテムボックスに入れておけば、時間が止まっていつでも美味しく食べれるのさ。それにしても誤算だったね。中に入れる具が売ってなかったのは」

「う〜ん、そうだな。でもいっぱい作れそうだし、質より量でエリーにお礼をするよ」


 俺はメニューでアイテムボックスの中を見ながら、エリーの喜ぶ姿を想像する。


「ミツハも楽しみにしててくれよ」

「え?僕も一緒に食べて良いのか?エリーと2人きりじゃなくて?」

「いいよ。いっぱい作るから」

「……それなら僕も、いただくとしようかな」


 時刻を見れば、17時前だ。


「一旦ログインして、20時にマイルームでおにぎりパーティーでもするか」

「20時か……」

「え?ダメだったか?」

「うっ……すまない。20時からはどうしても外せない用事があって、すまない!」


 ミツハは申し訳なさそうに、両手を合わせて謝る。


「そうか……なら明日にするか?」

「いや、僕のことは気にしなくてもいい。2人でおにぎりパーティーをしてくれ」

「良いのか?おにぎりフェスティバルに参加しなくて」

「うむ、僕のことは気にしなくてもいい」

「本当に良いのか?おにぎりカーニバルに参加しなくて」


 ミツハは腕を組んで、天を見上げて悩む。


「う〜、うむ。今回は不参加ということにしてくれ!」

「わかった。それじゃあ、マイルームに戻るか」

「僕はもう少しだけ、この辺をぶらぶらするよ」

「そうか。また明日な」

「うむ」


 俺はミツハに別れを告げると、メニューからマイルームに戻るボタンを押しながら、なにか物足りない気持ちになった。

 そうか……エリーなら『パーティーなのかフェスティバルなのか、言い方統一してよ!』って言ってくれたんだろうな。


「はぁ〜」


 マイルームに戻り、ベッドに座ると横になった。

 エリーを召喚すると、話してしまいそうだし……。

 仰向けに寝転ぶとメニューを開いて、ぼーっとした。


「ん?」


 メニュー画面にある、設定の機能が目に入った。

 そういえば設定って、なにも触ってなかったけど初期設定のままなのか?

 設定の機能のボタンを押すと、項目がズラリと表示される。


「なんじゃこりゃ?」


 通知設定を開くと、メールの通知以外全てOFFになっていた。

 レベルが上がった際の通知や、モンスターを倒した際の獲得したアイテムの通知などがOFFにだった。

 これだと不便じゃないか?

 そう思った俺は、全ての通知ONに変更した。


「これで良いだろ」


 通知がうるさかったら、変えればいいだけだし。

 時刻は夕飯前なので、やることもないのでログアウトすることにする。


「アドワで初めて、ベッドに寝転がりながらログアウトするプレイヤーなんじゃないか?」


 そんなくだらないことを言いながら、ログアウトした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ