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第24話 『エリーの説明とマリーの決意』

「冒険者ギルドについて詳しく説明するね。まず冒険者ギルドで出来ることは三つだよ」

「三つ?」

「さっきも言ったけど、冒険者ギルドからの依頼を受けてお金を稼いだりランキングを上げること、依頼は基本的に討伐や採取が多いかな。冒険しながら出来るから片手間でも出来るからオススメだよ」

「へぇ〜」

「それと仲間を探すことが出来るんだよ。仲間を探すのはクエストを受けるカウンターと併設してあるレストランにある『パーティーメンバー検索掲示板』で探すことが出来るんだよ」


 頭の中で何となくだが想像するが、よく分からない。

 そもそも俺に仲間っているのかな?


「俺って仲間いるのか?そもそも仲間にするならどんな人を仲間にすれば良いんだ?」

「……。そういえばマリーのジョブとか聞いてなかったね。召喚士と他は何なの?」

「あれ?言ってなったかな?俺のジョブは召喚士と格闘家だ」


 ついでに加護やユニークスキルやEX(エクストラ)ジョブについても説明する。


「え〜!!妖精女王の加護〜!!何で言わないの?!妖精の私を召喚したなら絶対に言うべきでしょ!」

「本当にな」

「本当にな…って!それに召喚士と格闘家って!」

「凄いだろ?前衛と後衛の両方が出来るオールラウンダーだぞ」


 俺の発言を聞いたエリーが心底呆れた顔をしている。


「ど、どうしたんだ?人にそんな顔をしたらダメだぞ!ちょっと傷付いた!」

「あのね、言い辛いんだけど召喚士と格闘家は人気のないジョブなんだよ?知らないの?」

「へぇ?…冗談だろ?このジョブは強いって教えてもらったぞ?」


 エリーはどう説明しようか眉間にシワを寄せ、深呼吸を数回して何かを覚悟した顔をする。


「マリー、よく聞いてね。召喚士の契約召喚は召喚獣が強いのや弱いのが出るか運要素もあるし、強い召喚獣を召喚しても信頼度が上がらないと言うことを聞いてくれないんだよ。だからあまり…うんうん、全く召喚士のジョブを選ぶ人はいないの。理由は他に沢山あるけど」

「でも俺は…」

「マリーは運が良かっただけ、このゲームで召喚士を選ぶ人は極少数だと思った方がいいかも」


 エリーが悲しそうな顔をする。本当に召喚士は人気がないようだ。


「じゃ、じゃあ格闘家は?」

「格闘家は武器の装備が出来ない素手メインだから、普通に地味で選ぶ人がいないの…だからね、マリー」


 エリーは俺の顔を見つめる。


「マリーはジョブを変えるのは自由だから、変えても良いからね」

「え?」

「マリーは記憶喪失の自分の記憶を取り戻すためにクリアを目指すんでしょ?…だったら強いジョブの方がいいよ」


 下を向いてボソボソと小さな声でエリーは話す。

 横で黙って並んで見ているスピカやナイトを見れば、エリーと同じように下を向いて仕方のない事だと受け入れようとしていた。


「召喚士と格闘家は弱いのか?」

「それは……」

「俺が思うに召喚士は人によるだろ?プレイヤーが召喚した召喚獣とどう接するかで変わるはずだ、召喚獣が弱かろうが強かろうがな。格闘家もだ、地味なだけで弱いわけじゃないんだろ?」

「う、うん…!素手だけどスキルも強いし、レベルが上がれば『気』っていうMPとは別のMPみたいなのが使えるようになるんだよ!その気を使って技も出せるから強いよ!」


 下を向くスピカとナイトの頭に手を置く。


「だったら変えない。俺はお前らとクリアを目指して記憶を取り戻す!」

「マリー!」

「キュイキュイ!」

「ワウ!」


 俺はスピカ達から離れ、自分の小さな手をエリーに出す。


「そういうことだから、今後もサポートよろしくな。エリー」

「うん…うん!!もちろんだよ!マリー!私の命に代えてもマリーを守るよ!」

「大袈裟な言い方だな」

「ホントだよ!ヘヘヘ…!」


 俺の手に嬉しそうに抱きつくエリーを見て、俺も召喚士と格闘家でクリアする事を心の中で誓う。

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