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第11話 『マリアとの会話(前編)』

「それじゃあ、メニューを確認しよっか」

「メニュー?」

「そう。このゲームはメニュー画面を念じて出して操作するんだよ。さ、メニュー出ろって念じてみて」

「念じる?」


 念じる…メニュー、メニュ〜出ろ!

 心の中で念じるとA4サイズの水色の半透明のパネルが現れる。


「これがメニューか?」

「そうそう。ここを押してみて」


 マリアは人のシルエットの形をしたアイコンに指を指すので押してみる。


「フレンド数?」

「その1が私だよ。ユーゴが事故で寝ている間にフレンド登録を済ましておいたの、そのおかげでマイルームに手を繋いで移動して入れたし、今もユーゴのメニュー画面も私は見ることが出来るんだよ」

「そうだったのか。なるほど、フレンドか」


 今後も一緒に遊ぶ友達が増えるかもしれないし覚えておこ。


「フレンドの説明はそれくらいかな。次はそのアイコンを押してみて」


 次にマリアが魔法使いのシルエットをしたアイコンを指差す。


「これか」


 押してみると、画面が切替り俺のステータスが表示される。


【マリー 】 Lv 1 〔3000G〕 Ranking--

 メインジョブ/召喚士 Lv1

 サブジョブ/格闘家 Lv1

 EX(エクストラ)ジョブ/合成士 Lv1 

 HP/100 MP/100 STR/50 VIT/50 DEX/50 AGI/50 INT/20 LUK/15  

 《武器》

 召喚士の腕輪 MP+70

 《 装備》

 頭/

 胴体/召喚士のローブ MP+30

 腕/

 足/冒険者の靴 AGI+50  

 

ユニークスキル【絶対装備/全ての武器防具を装備できる。ただし自分のステータス値はプラスされない】  

 加護【妖精女王の加護/あらゆる確率が関わるものに100%勝つ】


「これが俺のステータス?」

「ユーゴが寝てる間に私がログインしてオススメのジョブにしておいたんだよ」

「そうなのか……でも弱すぎないか?マリアにワンパンで倒されそうだぞ」

「どれどれ〜……え?合成士?絶対装備?」


 マリアが俺のステータスを見て驚いている。鎧で顔が見えないがハッキリと暗黒騎士が驚いているのが分かるほどに動揺している。


「どうしたんだ?選んでくれたのはマリアなんだろ?」

「え?あ、うん。メインとサブは私が選んだんだけど、EX(エクストラ)ジョブやユニークスキルと加護は知らないんだ。たぶんゲームに完全にログインしてから貰えるものみたい」

「へぇ、そんなのがあるのか。でも効果を見たかんじ強そうだな。マリアの選んでくれたジョブも強そうだし、ゲームの攻略は何とかなりそうかもな」

「そ、そうだね。でもユニークスキルの絶対装備のせいでステータスが弱くなってるのは問題かもね」


 マリアはステータス画面の絶対装備を指差して指摘する。


「なるほど、装備単体の数値になってしまってるからこんなに弱いのか」

「私的にはそんなに強いとは思えないかな…でもでも!この加護は強いよ!」


 次にマリアは加護の妖精女王の加護を指差すしフォローする。


「このゲームって確率が結構関わる魔法やスキルの効果が多いんだよ。例えば状態異常とかは『低確率で麻痺になる』とかだから簡単な話、ユーゴには状態異常の効果がほぼ効かないって事だよ!それに錬金とかの生産系も確率が関わるから無双できるよ!」

「へぇ〜、状態異常に生産か」


 加護の方は結構強いのか…良かった。


「ねぇユーゴ!この合成士ってどんなのか見せてよ」

「合成士?ああジョブのやつか、良いぞ」


 俺はステータ画面にある合成士のジョブをタッチする。


「あれ?」


 が、全く反応しない。何度タッチしても画面が変わらない。


「マリア、何か間違えてるか?」

「うんうん、これで見れるはずだよ。もしかしたら条件があるのかも……」

「条件?そんなのあるのか?」

「うん。条件がないと使えないジョブがあるって聞いたことがある。覚醒ジョブとか試練ジョブみたいな使えるようになる条件があるのかも」


 聞いたことがないジョブが出てきたな。なんだ、試練ジョブって。


「また暇な時にでも触ってみたら見れるようになってるかもね。また見れるようになったら教えて」

「おう」


 俺はステータス画面を閉じ、マリアの話の続きを聞くために向き直る。


「……」

「……」

「……」

「……え?」


 突然の沈黙が始まったので思わず声を出してしまった。


「急に黙るなよ、俺の用は済んだのか?」

「そうだね、私の話は終わりかな」

「じゃあ済んだのならさ〜、ちょっとだけ暗黒騎士の身体を撫で回」

「あっ!パパからの伝言があったの忘れてた」

「パパ?」


 姪のマリアの父親……例の海外にいるっていう兄さんのことか?


「うん。すっごく大切な話が書いてあるらしいから」

「兄さんから大切な話?」

「じゃあ、読むね」

「手紙があるのか」


 マリアはメニュー画面を開く。俺も姿勢を正して聞く体勢になる。


「ユーゴ、元気にやっていますか?俺は元気でやっています。交通事故で記憶を失くしたと聞いて驚きました。そういえば1週間前にカーテンを買い換えたんだが黒か白で迷った結果、ユーゴの部屋と同じは嫌だったので白を買いました。買ったカーテンを付けてみたら長さが少し足らず下から陽の光が入ってきてショックです。ちゃんと寸法は確認するべきだったなぁっと後悔しています。でも三日経った今では気にならなくなり、カーテンが短いだとかそういったものを気にしないようになりつつあります」

「俺の交通事故の話短くないか?」

「静かに聞いてて、今から大事な話だから!……ゴホン、最近マリアと一緒にサメの映画を観てて思いましたが、どうしてサメの肌がザラザラなのか知っていますか?」


 マリアが黙って俺をジッと見つめる。


「え?俺が答えないといけないのか?」

「どうしてサメの肌がザラザラなのか知っていますか?」

「……しらん」

「正解はサメの肌がザラザラな理由はサメは意外と狡賢くて、肩がドンって当たった魚と喧嘩をする時に怪我を負わせてちょっとでも自分を有利にする為だと俺は考えています」


 絶対に違うだろ。気になるからゲームから出たら調べよ。


「終わり」

「終わり?!どの辺が大切な話だったんだ?!」

「う〜ん、鮫肌のところじゃない?」

「めちゃくちゃどうでもいい話だったぞ!絶対に違うし!」


 俺の兄さんってアホなのかな。

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