第一章[はろーにゅーわーるど]2
気まぐれですねはい。
「あなたがここにいる理由は、あなた達にとって異世界である『ミルレア』に召喚される前の準備をするためなのです~!私はそのためのサポートとしてここにいるのです~。」
「準備っていうのは例えばあっちにとっての自分の能力の確認とかのことか?」
「そうです~!いきなりミルレアに召喚されてあたふたするよりクッションとなる場所に連れて行った方がどっちにとってもいいことです~。だからこそどんどん質問してもいいですよ~!」
ふんすっ、という擬音が聞こえるほど腰に手を当て背伸びをしながら息まいたこいつに対して聞きたい事はそれこそ山のようにある。だからこそ
「じゃあパソコンのようなものでQ&Aのように質問できる方式はとれるか?」
とこいつにとって予想外になるであろう質問を投げかけた。
「?…えっとぉ~、別にここでいくら時間を使っても他の人たちと同時に召喚されるように時間軸を調整するので対話して時間がかかっちゃう~、なんてことを気にしなくてもいいのですよ~。それとも、わたしとお話ししたくないってことですかぁ~?」
終わりらへんにかけて泣きだしそうだと感じるような声をだしたこいつが俺に対してそんなことを言うが、
「別にそんな意図はなくて、ただ単に知りたい事を簡単に確認できるし質問を推敲できっからだよ。」
「そうだったのですね~!ならわかりました~!これでいいですか~?」
そうさっきとは打って変わって声色の調子が初めと同じぐらいよくした少女が返事をした瞬間には俺の横に一般的なパソコンのようなものがあり、画面には『質問どうぞ!』と質問がうちこめるようになっていた。
「じゃあこれからそのミルレア?の知識とかを知る作業をしていくから勝手にしてどうぞ。」
「ならずっとその様子をみてます~。」
「…おう。」
ややすこし気まずいような感覚を抱きつつ知りたい事、理解したほうがいいと感じたこと、そして自分に関係するであろうことと、思いつく限り質問していった。
そして得た情報として挙げていくと
・ミルレアという異世界の地形
(なんとなく陸地はクローバー状でその周りに海が広がって全体として球体か平面的なのかは判別できなかった。)
・ミルレアに住んでいる人たちの生活等
(特に興味をもったのは浮遊する車?的な乗り物や大きな生物に囲まれ、それを利用しているらしい国など)
・魔法関連
(なんかまぁ魔法って便利そうだ、としか言えない。)
・俺の近くでずっといた”こいつ”の素性
(どうやら『クムル』という名前のようだ。あんまり情報が開示されていなかった。このあたりを調べていくときにほかに調べていた時と比べ、「クムルのこと聞きたいなら直接話してもいいんですよ~?」とか「きゃ~、エッチです~!そんなにクムルのこと知りたいんですか~?」、「私のことクーちゃんって呼んでもいいんですよ~?」などこちらに投げかける雑談の頻度がこころなしか増えた気がする。)
そしてこれが俺にとって一、ニ番肝要となる
・あっちにとっての俺のチカラ
・他に呼ばれた人の名前
先に俺と同じ境遇の奴らに関していうなら
・ミルレア側の人間が大人数召喚したのは初の試み
・俺のとても大切な奴2人ともがいたこと
俺のチカラに関してはざっくりいうならば魔法に関しては地球で関わることなんてなかったからか幼児並み、フィジカルに関しても取柄である素早さ以外に関してはヒトの平均的な成人に及んでないようだ。
そして多分異世界に召喚されたことによる特典であろう[固有スキル]に関しては、特殊というべきか扱いづらそうというべきか悩むものであった。
[固有スキル]:負与付与
効果:あらゆる数値をマイナス1倍にする。