第一章[はろーにゅーわーるど]1
登場人物紹介は主要キャラ3人が登場次第まとめておきます。
『人生はゲームだ。』『人生はプラスマイナスゼロである。』この2つは結構有名な言葉っていうのはわかっている。ただ俺はこれらはそうじゃないと思っていた。だって人生はゲームよりも
理不尽だし結果がプラスかどうかなんて各々で判断しないといけないし、絶対的な評価は結局他人からしか出てこないのだから。
ただそれでも今は、今だけは人生はゲームのようだと、しかもあまり評価されないゲームのそれだと思っても仕方がない気がする。だって気が付いたら、いつも通りの日常の風景から切り離された景色のなかに俺は存在し、かつその場所に立っているのか、それとも浮いているのかが曖昧なところに今いるのだから。
…どうしてこうなった?
「…マジでここはどこなんだ?」
周りを見渡しても誰もいないし、何も聞こえない。ただ分かったのはおそらく地面は真っ平でそれがどこまでも続いているということだけだ。光源も影も無く空も地面も統一感ある白というのはこんなにも人を不安にさせるのだな、と軽く現実から目をそらしたところで何も変わらない。とりあえず何かヒントや手掛かりがないか探すためにその場から動き出そうとしたとき、何か足元に硬い何かが当たる感触を得た。
「なんでここにナイフがあるんだ?」
そこに存在していたのはまるで新品のように真新しいがとても手になじみ、使いやすく感じる一本のナイフがあった。なぜこんなものがあるのか、まさか殺し合いをこれからするのかと考えていた矢先に
「あ~!気がつきましたか~!」
とどこか調子の狂うやけに高い声が割と近い場所から聞こえた。声のするほうへ顔を向けるとそこには、自分の胸までの身長しかないであろう背丈で癖っ毛の薄いピンクの髪の毛を彼女の足元まで長く伸ばした女の子がさっきまで確認して、いないと思っていた場所に立っていた。俺はゆっくりとその女の子に近づき、心臓に当たる位置へと手にしていたナイフを突き刺した。が、
「も~!危ないじゃないですか~!あなたは知らない人と挨拶するときいつもこんなことするのですか~!」
「!?」
なんだよこいつ。いきなり刺した俺が言うことではないのだがこいつ、ナイフを手のひらで受け止めてやがる!?しかもナイフは硬い金属に当たった感触はなく例えるなら弾性のないゴムの壁に対して刺しているかのように先に進まないし、そいつの白い手はナイフが当たっていないといわんばかりに血なんてものは流れていない。
「いきなり刺してしまったことに対しては謝るけど、見知らぬところにいきなり連れ去られての正当防衛として許してはくれないか?そしてここは一体どこなんだ?」
「別に今の行動はたいしてあれこれ言うほど大きなことではないので別にいいですよ~。そしてここはあなたが理解できるように説明するとここは神の使いとして存在である私たち『使徒』の住まう所『天界』であり今はここに見えないのですが、ほかの方々と一緒にあなたを連れてきました~!」
その女の子?の回答を聞いて解かったことと考えることが多々出てしまったな…。まずは女の子?について整理してみよう。たしかに「わたしたち」っていったからこいつも『使徒』という存在でありその裏付けとしてさっきの事象も『使徒』の力によるものと考えたら何らおかしくはないのか?加えて彼女の見た目も桃色という普通なら髪を染めてなければなりっこない色でありながらなんとなくだが染めてないと感じるような矛盾した特徴を持っている。。
それでも、だからといって受け入れられるかどうかは別の話だ。何かちぐはぐなことはないのか…
「話したい事がまだまだありますからもう話してもいいですか~?」
「あ、あぁ、すまん。すこしぼーっとしてた。」
あまり考えがまとまることなく彼女の声でようやく意識を戻した俺は彼女の言葉に再び耳を傾けることにした。
こんなかんじでいいのかなぁ?あと見切り発車です。