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お茶会
男は少女と向かい合ってお茶を飲んでいた。なかなかにおいしいメリーさんのお菓子を食べながら・・・。
最初は少女に恐怖を感じていた男だったが、次第に好感を持ち始めていた。少女と話すのは楽しいし、それに自分をおそうつもりは無さそうに見えたからだ。
「私にも家はあるんですよ?」少女は言う。
「近所の人も親切ですし、食べ物もおいしいんです。・・・でも不満が無いわけではないんですけどね。」
少女は、話し終えると、じーっと男の方を見つめ続けていた。どうやら、男にも何か話してほしいようだ。男は話すことにした。いままで誰にも話すことは無かったけれど、この突然家にやって来た少女になら話せそうな気がしていた。
「僕にはね、好きな人がいたんだ。」男は少女に話す。
「優しい人で、嘘はつけない人だった。今はもう別れてしまったんだけど、今でも思い出すと幸せな気持ちになるんだ。」
「その人とはなんで別れてしまったんですか?」少女は訊いた。
「それは・・・、多分僕がダメだったからなんだと思う。彼女に対する気持ちに・・・嘘があったんだ。」
少女はそれを聞くと立ち上がって窓の外を見た。外は夕日に照らされていた。まだ世界は明るい。まだ間に合いそうだった。
「ちょっと散歩に行きませんか?」
少女は男に手をさしのべた。




