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じゃんぷ

作者: 夜は当然寝ます

アスファルトには黒い染みが広がっていく。


頬を押し付けた焦げた様に黒いアスファルト、

頬を押し付けた焦げた様に熱いアスファルト。


一筋の涙。

右目から左目に入って落ちる。


こんなに熱いんだからすぐに消えてしまうだろう。


大した音はして無いはずなのに、

様子を見に来た人の靴が見える。


何度かのフラッシュ。


これから僕はこの人々に海に放り出される。


街の一角。

身体を残して僕の分身が海を泳ぐ。


何回も何回も何回も分裂する。

そうやって小さくなってやがて消える。


残された身体は、やはりこの街の一角で忘れられる。


それでいい。

過去になるには一番いい方法を試したから。


僕は、

一度もこの街から出たことは無かった。


遠くから踏み切の音。

あれから先が僕の憂鬱。

線路より向こう側が僕の憂鬱。


電車には乗ったことがない。

だからあれは壁意外の何者でもない。


憂鬱と無の間にある壁。


遮断機と遮断機の間は、

もしかしたら僕に安らぎをくれたかもしれない。


そう思えるのは求めた安らぎが目の前にあるから。


目を閉じた。


暗い。


もう開かない。


アスファルトに黒い染みが広がっていく。

睡眠五分前。

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