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*過去 りょう Ⅱ*

時間が空きました。


なかなか話が難産過ぎました。

まぁ、それほどの内容かはわかりませんが……


「でも、君はなにもしてないでしょ?」


 家の事を言って返って来たのはそんな言葉だった。だから思わず驚いた。

 確かに極道とか言われて、意味が解ってないのかもしれないが、それでも彼は恐がるどころか遊びたいと続けた。

 そんな反応なんか初めてだ。でも嘘じゃない。夢でも無い。期待に満ちたその顔が、俺を見つめ返して来る。やっと出会えたのかもしれない。

 友達という存在に。

 うれしさのあまり自然と零した笑みを抑え、俺は立ち上がった。


「何して遊ぶんだ?そのボール?」

「ふぇ?」

「なんだよ、今更やっぱりいいとか、言い出すのか?せっかく遊んでもいいって思ったのに」

「え!?いや……そうじゃなくて!!あ……遊んでくれるの?いいの?」

「あんなこと言ってきたの、お前がはじめて。それに頷くまで帰らなさそうな程、しつこいし。後で後悔しても知らないからな」

「うん!!ていうか、しないよ!!やった!遊べる!!」


 

 時間も忘れるほど、俺らは遊んだ。意外に運動神経あるようで、俺も退屈せずに遊んだ。思えばこんなふうに遊ぶのも、久々だった。従兄弟の忍は歳が2・3離れてて、あまり遊ぶ時間が無い。部活やってるし。だから最近はさらに誰かと遊びたいって気持ちが強かった。


「もう……こんな時間か。今日はもうかえんないとな」

「えー……ねぇ、また此処に来る?」

「学校終わったら来てるけど」

「じゃ、明日も遊ぼ!!明日も、明後日も、その次の日もその次の日も……」

「……わかった。また明日な」


 ていうか、やばい。門限のこと忘れてたぞ。俺の家はあの家だから、門限とかはやたらと厳しい。今から急げばギリギリセーフだろうか。

 俺は木の根元に置いていた本を掴むと、その子に別れを告げて走り出した。

 しかし、その子に何故か呼び止められた。



「……何?」

「あ……あの……名前!!」

「名前……あぁ、そういえば。俺は榊原良介」


 どこかの木の上でカラスがないた。その声で聞こえなかったかもしれないが、顔を見る限りは聞こえてたんじゃないだろうか。そういえば、俺も聞くべきか?明日も遊ぶ約束をしてたし。


「お前は?」

「あ……レイ!あのさ……」

「じゃ、またなレイ」


 何で名前しか言わなのかはわからないけど、まぁ聞けたからいいか。それよりも、門限に間に合わせなければ。俺は家に向かって走った。焦る気持ちの仲さっき聞いたばかりのレイの名前だけが色濃く存在を主張していた。





「た……ただいま……」

「おかえり、ぎりぎりですよ」

「忍……」


 部活が終わって帰ってきてたらしい忍がいるということは、相当遅くなってたようだ。


「めずらしいですね、俺より遅いなんて」

「まぁ……ちょっとね」


 退屈だった日常に、突然現れたレイ。きっとレイはこれから楽しい思い出をいっぱいくれるんだろう。ずっと……。


 だが、そんな新たな日常は突然終わりを告げた。

過去話は次話で最後になるかと思います。

それでもしかしたら完結になるかもしれません。

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