*2*
すみません、澪の一人称が俺になってました。
正しくは僕の方です。
今までの話はすべて直しました。
混乱を招くような間違いして申し訳ありません。
この学園には4つも体育館がある。あれ、4棟かな。ま、いいや。青葉がバスケをすると言って来たのはそのうちの一つ。体育館に着くと見覚えのある2年の奴らがいた。名前は……知らないけど。揃いも揃って背の高い奴らだ。かという僕はそれほど低くは無いと思う。一応平均身長は越しているはず。
二組のチームに別れて試合開始。青葉とは同じチームになった。少し狡くないか。青葉はバスケ部だし、僕も下手じゃないと思う。勝つ気満々だな。遊びでも負けるのは嫌らしい。僕は別にどっちでもいいんだけとさ。
「澪!」
「はいよ……今はバスケに集中、集中」
青葉からのパスは的確で、すんなり僕のほうに飛び込んできた。すぐにゴールに向かって、ドリブルで突き進む。途中2・3人のディフェンスをかわし、シュートを放った。弧を描いてそれは見事にゴールネットに吸い込まれていった。
「ナーイス!さっすがだな!やっぱりバスケ部入れよ」
「無理」
「この調子でもう一丁!」
「うん……」
すんなり相手からボールを奪った青葉に促されて、僕はゴールへと走る。そのとき、ふと体育館の入口にいる人物が目に入った。僕の動きがピタッと止まる。なんでこんなところにいるの……。
「澪!!」
「え……痛っ!!」
気を取られていたら、頭にボールが振ってきた。あまりの痛さに、思わず頭を抱えてしゃがみこむ。どうやら青葉がパスを出していたらしい。でもそれに気がつかなかったのは、あのとき見えた人。間違いない、あれは良だ。しっかりとこっちを見ていた。なんで、なんでこんなところにいるの?なんでぼくのほうを見てたの。ここに何しに……。そう思い、再びそのほうを見たけど、もう良の姿はなかった。
「澪?大丈夫か?」
「うん、ごめん。よそ見してた」
「なんかあったのか?」
「……ううん。ごめん、やっぱり保健室で寝てる」
「おぅ、またな」
「うん」
一人体育館から校舎に向かう。少しボールがあたったところがずきずきしている。早くベットで寝たいのに、なんでこの学園は無駄に広いんだろう。保健室までの道のりが長い。なんで並木道なんかあるかないといけないんだろう。体育館で怪我したら大変じゃないのか。ふと、その並木道の木々の間に、人影を見つけて再び僕の動きは止まってしまった。その人影は良だ。木々の間に隠れるようにして、そこで電話をしている。けど、僕は再び保健室に向かって歩き出した。誰と電話してるのとか、なんでそんなとこでとか、知らないほうがいい。知らないほうがよかったのかもしれない。隠れてやるからにはそれなりの理由があって、良の一番の秘密。それを僕は知ってしまったんだ。あの日、ちょうどさっきみたいに電話してる良の会話を聞いてしまった。
ようやく、保健室にたどり着く。保健室に入ると保健の先生がいた。名前は知らない。保健の先生でいいじゃない。一応念のために頭を冷やす氷を貰って、なぜか6っつくらいあるベットのうちの一つにもぐりこんだ。少しお日様のにおいがするベットの中で、僕は白い天井を見つめていた。
早く良と絡んでほしいんですが、澪がそうはしてくれないので……
徐々に徐々にですね。