奇跡
「おらおら!どうするんだ!?」
(とりあえず、咲紀ちゃんを助けないと…!!)
スゥ-…
「!!」
次第に田中の姿が薄れていく
「マズイ…!!」
「な、何だぁ!?」
「何かのマジックか!?」
困惑する極道の男達
「やばい…!!」
ポン
姿を消す田中
「ど、何処に行った!?」
「捜せ!!」
「今なら…!!」
咲紀に近づく田中
(白馬の王子様!!)
「動かないで!今、俺の姿は彼達には見えてないから!!」
「はい!!」
「あ?何、言ってやがる?」
「何でも…」
「おりゃ!!」
極道の男を殴る田中
スカッ
「あれ?」
しかし拳は極道の男を透ける
「まさか…!幽霊化してるから…!!」
「くっそ-!逃げられたか!!」
「どうします!?アニキ!!」
「こうなったら…」
(電波!電波は…!?)
「このアマだけでも、バラして売るぞ」
「そうですね!!」
「助けて!田中さん!!」
「電波は何処だぁあああああ!!」
プルルルルルルル
「え!?」
「何の音だ!?」
田中の携帯が鳴り出す
(もしかしたら…!!)
ガチャ
携帯に出る田中
「もしもし!?」
「あ、田中か?聞いてくれよぉ~」
電話の相手は佐藤
「今、真希さんから携帯の使い方を教わってマスタ-したんだけど…」
バチバチバチ…
「姿が…!!」
「お前も早くマスタ-しろって!!」
次第に田中の姿が濃くなっていく
「戻っていく!!」
「店長さんが凄い美人で、俺の好みだろ?アタックしようかと思って…」
「ナイスだ!佐藤!!」
「え?」
バタン!
携帯を閉じる田中
「あ、アニキ!後ろ!!」
「あ?」
「おらぁ!!」
ゴッ!!
「うげぇ!!」
極道の男を殴り飛ばす田中
「あ、アニキ~!!」
「うぼぇ…」
「咲紀ちゃん!早く!!」
咲紀の手を握る田中
「は、はい!!」
走り出す田中と咲紀
現在の携帯電話ショップ
「はぁ…!はぁ…!!」
「おい!田中!!」
「…佐藤か」
「何が有ったんだ?行きも切れ切れだし…」
「お前のおかげで助かったよ…」
「え?何が?」
「…何でもない」
「その子が咲紀ちゃん?」
「ん?ああ、そうだ」
田中の手を握っている咲紀
「可愛い子だが…、俺の好みじゃないな」
「いや、聞いてないんだけど…」
「大丈夫でしたか!?」
真希が田中と咲紀に駆け寄る
「ええ、御陰様で」
「良かった…」
「彼女が携帯の所持者ですよ」
「このお方が!?」
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