オバケ屋敷
少し前のオバケ屋敷
「何?ここ」
「知らないの?オバケ屋敷よ」
「オバケ屋敷…」
「結構、怖いことで有名なの!楽しみね!!」
(オバケって…、俺達のことか?)
「いらっしゃいませ!!」
受付が2人を案内する
「では、このライトを持って、ゴ-ルを目指してください」
「は-い!」
「は、はい…」
現在の幽霊バ-
「で?どうだった?」
「全然、怖くなかったよ」
「まぁ、そりゃそうだろうな!」
「だって、毎日、見てるもんな」
「鏡見て、悲鳴挙げる奴は居ねぇよな」
「うん、そこまでは良かったんだよ」
「「そこまでは」?」
少し前のオバケ屋敷
「凄いね!田中さん!!」
「何が?」
「あんなに怖いのに、悲鳴の1つもあげないんだもん!!」
「まぁ、毎日、見てるから…」
「あ!オバケ屋敷通だったの?」
「そう言うわけじゃないんだけど…」
「?」
(どう言えば…)
その時、田中の視線の先には、一組のカップルが居た
「ちょっと!このメ-ル、何よ!?」
「そ、それは…」
(何だ?ケンカ?)
「どういう事か、説明してくれる!?」
「お、俺!トイレに行ってくる!!」
「あ!待ちなさい!!」
トイレに逃げていく男
「…」
「どうしたの?田中さん」
「ト、トイレに行ってくるから」
「うん!待ってるね」
ダダダダ…
トイレに走っていく田中
少し前のトイレ
(どうにか、逃げ切れたな…)
安堵のため息をつく田中
(このまま、逃げてしまおうか?)
「はぁ…」
田中の隣に、暗いため息をつく男が居る
(あ!先刻の…)
「…退いて貰っていいですか?」
「あ、すいません」
男に道を空ける田中
グゥ-
田中の腹が鳴る
(そういえば、腹が減ったな、袋は駅で捨ててしまったし…)
腹をさする田中
「はぁ…」
トイレのベンチでため息をつく男
(そうだ!この男から、恐怖心を取るか!!)
「ああ、何で、こんな事に…」
「ちょっと、そこの人」
「はい?何ですか?」
ズゥウウウゥ…
田中の背中から、恐ろしい魔物が現れる
(さて、コレで恐怖心が…)
「…オバケ屋敷の面接でもしに来たんですか?」
「え?怖くないですか?」
「怖いも何も…、今は彼女の方が怖いですよ」
「…何が有ったんですか?」
「俺の愚痴、聞いてくれます?」
「ええ、構いませんよ」
微笑む田中
(俺より怖い物って、どんな物だろうか?)
「彼女にプレゼントをあげようと思って、友人にプレゼント選びを頼んだんです」
うつむく男
「「プレゼントが選び終わった」って、友人からメ-ルが来たんですけど…」
「彼女さんが勘違いしてしまったんですか?」
「そうなんです!サプライズで出したいから、ネタ晴らしも出来ないし…」
「う-ん、難しいですね」
「そうなんですよ…」
「…そうだ!友人さんと、一気にネタばらしをしたらどうです?」
「それじゃ、意味が…」
「まぁ、聞いてください」
ゴニョゴニョと男にささやく田中
「な、なるほど!!」
「ね?名案でしょう?」
「流石です!で、その計画は…」
「無論、俺も手伝います」
「頑張りましょう!」
「はい!!」
現在の幽霊バ-
「で?それの何処が「最も恐ろしい出来事」なんだ?」
「問題は、この後だ」
頭を抑える田中
「まさか…、人間界に、あんな恐ろしい技術が有ったなんて…」
「「恐ろしい技術」?」
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