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交換条件

「咲紀ちゃん、真面目な話があるんだ」

「何ですか?」

「…死のう」

「え!?無理心中ですか!?」

「間違ってはないけど…」

「無理心中…」

考え込む咲紀

「…どうしてですか?」

「俺は幽霊なんだ」

「幽霊?」

首をかしげる咲紀

「駅のホ-ムで君を助けただろ?」

「ええ、助けていただきました」

「その時のこと、覚えてる?」

「確か…」

「浮いてたでしょ?俺」

「あ…」

「…幽霊憲法って言ってね、幽霊界の憲法があるんだよ」

「憲法?」

「そう、憲法」

「それを守るためにですか?」

「…うん」

「…解りました!!」

「え?」

「田中さんのためなら!例え火の中水の中!!」

「…ありがとう」

咲紀に近づく田中

「目を閉じてくれる?」

「はい」

目を閉じる咲紀

「…」

スッ…

田中が咲紀の目の前に手を持って行く

「行くよ?」

「はい…!!」

「…」

「…終わりましたか?」

「…もう少し」

「はい…」

「…」

「…田中さん?」

目を開ける咲紀

しかし、目の前に田中は居ない

「田中さん!?」


現在の幽霊界

「…良いのか?アレで」

ため息をつく佐藤

「やっぱり…、俺には咲紀ちゃんを殺せない」

「そうか…」

「田中殿!佐藤殿!!」

「…お出でになったな」

兵士の格好をした男が2人の背後に立っている

「幽霊憲法を犯した罪は重大!よって閻魔大王様の元にお出でになっていただきます!!」

「佐藤も!?」

「はっ!佐藤様は人間界の女性に手を出しましたので!!」

「佐藤…」

「本望ッ!!」

「…あっそ」

「しかし!田中殿の罪は重大!佐藤殿よりも重いのです!!」

「…解ってる」


謁見の間

「閻魔様、失礼します」

「入れ」

ガチャン

部屋に入る2人

「お…、凄い覇気だぜ?閻魔様」

気圧される佐藤

「そんなに構えるな」

「…はい」

「近くに来い」

歩いて行く2人

「で?どうして幽霊憲法を犯した?」

「…詰まらない情ですよ」

「…詳しく聞かせろ」

事の顛末を話す田中

「…そうか」

「閻魔様!田中は確かに幽霊憲法を犯しました!!」

叫ぶ佐藤

「しかし!あの場で見捨てていれば!田中は幽霊としての尊厳を失いました!!」

「…そうだろうな」

「田中の行動は特例としてください!!」

「…お前の行動は?」

「愛故の行動です!俺も自分の信念に従ったまでです!!」

「…面白い」

にやりと笑う閻魔

「じゃ、交換条件と行こう」

「交換条件?」

「冥獄の入り口は知ってるな?」

「冥獄…!!」

「そこに1人のイレギュラ-が入り込んだ」

「イレギュラ-…、ですか」

「奴なら冥獄からも脱せるだろうが…、少し時間が掛かりすぎる」

立ち上がる閻魔

「よって!だ!!」

「何でしょう…?」

「この鍵を使って、冥獄の門を開けてこい」

「それが交換条件ですか?」

「そうだ」

「…解りました」

「冥獄の門は危険だ…、解ってるな?」

「はい…」

「良し、行け」

「行ってきます」

「俺はその間に、お前達に関わった人間の記憶を消しておこう」

「ありがとうございます」

読んでいただきありがとうございました

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