表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

魔王様、侵入者に困らされる

作者: Wana-wana

 勇者?勇者なら今、俺ん家荒らしてるよ。うん、さっき、お気に入りの壺と、家宝のオーブが床に落ちた瞬間はちゃんと目視した。

 なんでなんなよ。もうさ、和解したよね、俺たち。

 勇者引き取ってよ。一応さ、俺の家って堅牢な作りなの。頑丈なの。ドラゴンブレス程度なら、なんなら反射できるくらいにはすごく硬いの。知ってるよね、そんなコト。ここ数百年で体験したの、お前らくらいだしね。なんなら、俺より詳しいわけじゃん。どんだけ頑丈か。

 意外と脆かった?嘘こけ、お前らがどうにかできたのは、人間どもが数百年間こつこつ削り続けたのが、たまたまお前らのタイミングで崩れたたけだからな。

 俺はお前らに負けたんじゃなくて、人間の歴史に敗れたたけだから、そこんとこ誤解すんなよ。

 そんで、おれんちには当然、侵入者も入れないようにしてんの。許可なく足を踏み入れたら、その時点で消し炭か、体中に穴が空くか、もしくは虚無になるようになってるんだよね。

 なんのためかわかる?俺が重要人物だからなんだよ。

 うん俺は、超偉いんだよ。具体的には、俺が死んだら割と世界の均衡も崩れるわけだよ。

 それをさ、俺みたいなさ。魔史上最強の魔王を簡単に殺せるレベルのやつをさ、あっさり派遣してくるのは、外交問題だよね。

 そう。勇者がやってるとことを、人間に例えたら、王宮に俺を派遣して周りのものを破壊させてるようなもんだからね?

 わかる?俺は、魔王なんだよ。しっかり、魔族の王なんだよ。

 それを、あのアホは、ほんとうにさ。

 え、勇者が具体的になにしてるか?うっとこの四天王の一角のはずの魔女と、なんか揉めてる。毎日、飽きもせず。そんで、夜は夜でやかましいの。

 しょうがねえだろ、俺は耳がマジでいいんだから。壁が薄いわけねえだろ。

 それでさ、本題なんだけどさ。いや、ずっと本題ではあるんだけど。

 なんつーの?もうさぁ、魔女を勇者に嫁がせるから、引き取ってくんない?なるべく早めに。

 揉めてる原因が、歯ブラシの置き場所なんだよね。魔女が勝手に置いてったらしいんだ。そうだよ、勇者が勝手に居室をおれんちに作って、そこに魔女が毎日通ってやがんだよ。もう知らんわ。部下の恋愛事情は、そこまで興味ねえんだわ。変に聞こうとしたら、あいつらの痴話喧嘩に巻き込まれかねないから、いちいち確認はしてねえけどさ。もう、確認する必要のない段階なんだよ。

 うちの四天王の一番でかいやついただろ?

 あいつが、この間勇者と夜に飲みに行こうとしてさ。うん、サキュバスが経営してる健全な居酒屋チェーン。そこの名前出した瞬間に、スレイプニルに蹴り飛ばされてたんだよ。

 お前らで言うところの、馬に蹴られるってやつ。確定じゃん。

 そりゃね。結婚式のスピーチのひとつや2つなら、こなせるけどさ。だてに三百年生きてるわけじゃないし。でもさ。その前提としてさ。痴話喧嘩で、星の公転変えるわけなんだよ。隕石を気軽に落としやがるし、気軽にそれを粉砕するわけじゃん、こいつら。

 俺がなんとか防いでるから、気候変動とかはないわけだけどさ。

 おい、こら切るな聖女。勝手に切るな、まだ愚痴は終わってねえぞ、大体お前の旦那があれの手綱を握ってないから

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ