第一次福岡戦役後
おれはパンチを当てるけど、お前はダメだよ?
そういう傲慢でエレガントなボクシングを好むおれだが、今回の戦闘でもこれといったダメージは受けておらず、せいぜい打撲程度。病院の鏡で見たが顔なんてきれいなもの。このままデートに行っても何ら違和感はない。
損傷の度合いでいうと三つ編みも相当なものだった。医師の診察で異常は見つからなかったらしく、待合室で落ち合うと指に包帯を巻いていた。「突き指した」とやつは弁明したが、ノーダメを誇るおれを白い目で見た。その目つきは悔しげにも呆れ返ったようにも見えた。
現場には一応救急車がきて、いちばん被害の大きいシャオレンは運ばれていった。安否を気にかけたおれだが、蓋を開ければ彼女も無事だった。三つ編みが必死に回復術をかけたおかげなのは間違いなく、体力が戻るまで入院した。
そんな感じでほとんど無傷のまま終戦を迎えたおれたちだが、身にまとうスーツだけはボロボロだった。気温がぐんぐん冷え込むなか、風通しのいい上着を羽織り続ける気はしないため、市街のデパートにある仕立て屋に行き、修繕を頼んだ。
「しばらく寒波が居座るらしい」という三つ編みの話を受け、同じ店でコートを買った。スーツが直るまでの数日間、おれと三つ編みは黒い喪服を着た。
ヒト型悪霊が地上に現界してからというもの、人類の死生観は変わってしまったといわれる。
多くの宗教は死後の世界というものを想定し、復活やら成仏やら永遠の安寧を約束する。だが悪霊のもたらした情報はそれらの教えに反していた。大多数の人間は死んだら無に還り、ごく一部の悪人だけが天国にとどまるというのだ。
死んだら何も残らないという事実は多くの信者をパニックに陥れたらしいが、それでも葬儀はなくならない。那珂川沿いの善相寺に、おれも警察関係者という身分で参列した。そこにはのちに“第一次福岡戦役”と呼ばれる事変の死者が集められた。
「シャオさんは退院して、葬儀も無事執り行った。きみらのスーツはまだのようだが、ここらでぼくから労いの意味を込めてね」
相変わらず飄々とした口調でしゃべりながら、森田はお好み焼きのタネを混ぜている。夕方頃、やつに「相談がてらご馳走しようと思う」といわれたおれは、同じホテルに泊まってた三つ編み、シャオレンとともに中洲へくり出した。合流した森田は「お好み焼きの美味い店があるんだよね」といい、軽快な足取りで街の奥へ奥へと進んでいく。まるで通い慣れたキャバクラにむかうような足取りだった。
「で、相談って何すか?」
店の大将から仕事を取り上げ、繊細な手つきでタネを混ぜる森田。何だか場違いな光景に見えたおれだが、かつての上司に対してなめた口を利いた。早く本題に入ってほしく、今更へりくだるまでもないと思ったからだ。
「込み入った話は普通、人心地ついた頃にするんだけどね。そんな神経にさわるなら早速話そうか」
森田のかき混ぜるタネは海鮮と肉の豪華版だ。大阪だとデラックスとかいうんだっけ。森田があまりに丁寧に混ぜるものだから、三つ編みはビールを飲みながらその手元をじっと眺めてる。シャオレンは行儀よく正座し、いちごミルクとかいう甘ったるいものに口をつけていた。じつに女の子らしいチョイスだ。
おれは最初に注文した緑茶サワーをぐびっと飲み、わざわざ頼んだ梅干しを食いながら、森田のいう“相談”とやらに耳を傾ける。
「一度クビにしておいてなんだが、警察省に戻らないか。ここだけの話、最初からそうするつもりだった」
「最初から?」
どういうことだ? とは思ったね。しかしその後の経緯を知ったおれからすれば、薄々感じていたことでもある。
「というか課長、中洲にきてお好み焼きって謎なんですけど。普通は水炊きでしょ?」
おれはついでに脇道にそれた。どうせ本筋に戻るだろうとタカをくくって。
「水炊きは予算がね。まあ、そんなことはどうでもいいんだ。きみは研修生のなかで、いや警察全体でも前例のない器の持ち主だったから」
「ああ、ヒトラーの野郎がいってましたね。伸縮するとかしないとか。途中でロックがかかるとか」
検査のときにその特性を把握していたのだろう、とおれはため息をつく。白々しくクビをいい渡しておいて、とんだ茶番だと呆れ果てた。
「悪霊を受胎させれば器が捕らえて離さない、強引に契約できると踏んだわけだ。ヒト型悪霊と契約したケースはきわめてまれで、もし成功すれば一騎当千の戦力になるとね」
職人のような手つきでヘラを動かす森田だが、やつの言い草を聞いて複雑な気持ちになった。
信長戦後、おれは三つ編みが森田の部下であることを知った。「事情は今度話す」といわれ棚上げにされたが、もう答えを聞くまでもないだろう。森田は三つ編みをいわゆる監視役につけたのだ。おれがヒト型悪霊を受胎し、契約するのを見届ける監視役に。
「そこの三つ編み、つまりギファンだが、彼も警察の除霊師でぼくの部下だ。話を聞いた限り、いいパートナーだったそうじゃないか。うちの課に刺激的なアクセントをつけてくれると思うんだ」
そりゃ刺激的だろうよ、とおれは心のなかで毒づく。何しろ契約した悪霊があのヒトラーなのだから。
「アンタに転がされてたのは気に入らないけど、警察省復帰は悪い話じゃないですね」
タネを入れたボウルを置き、鉄板に油を塗りはじめる森田。おれはやつの動作を見ながらぽつりという。
警察省への復帰。それは同時にキャリア官僚への復帰を意味し、出世を望む者とすれば願ってもない話だろう。おれ自身に置き換えれば、黒幕になるという目的を本来のルートから昇り直すこと。戦時下で戦功をあげ、組織の中枢へと入り込むこと。
メリットはそれだけじゃない。警察をクビになったおれはどうにかしてやつらとコネを作り、もうひとつの目的を叶えようとしていた。
お前を拉致した“カトウ”という謎の警察官。組織の情報にアクセスし、やつの所在を突き止め、お前の行方について吐かせること。警察省に復帰すれば捜査を開始できる。しかもよりスムーズなかたちで。
だがこのときおれは、自分でも驚くようなことを口にしてしまう。
「どう思う、シャオレン?」
隣で正座するパトロンに声をかけると、彼女も虚を突かれたような顔でこちらを見る。
森田の提案を承諾せず、なにゆえシャオレンに意見を求めたのか。人間はときに考えなしに行動してあとから理由が追いつくものだ。しかしクレバーなおれに限って無意識の暴走は滅多にない。
急に話を振られたシャオレンは返答に困って瞬きをくり返す。とはいえおれの狙いは彼女をいじめるためではない。森田を焦らす意図もない。
「そうですね、正直にいっていいですか?」
「どうぞ」
おれが手で促すとシャオレンは「うーん」とひとしきり唸ったあと、軽く耳に触れながらこう断言した。
「ビンジの気持ち次第ですけど、わたしは悪霊退治に生き甲斐を見出しました。途中で死にかけたようですが、ビンジもギファンも優秀で、人類の存続に貢献できたと思ってます。本当はもっとやれたという後悔もある以上、次の戦いも一緒に頑張りたい。結論をいえば二人には残ってほしい」
シャオレンの発言は淀みがなく、まっすぐな気持ちが心に響いた。彼女はポンコツなところがあるものの、自己主張の強さと交渉のタフさは見習うべきものがある。案の定、わがままと紙一重の要求をこの場で披露した。
しかしそれこそがおれの狙いだ。森田が復帰を望み、シャオレンが残留を願う。二人が本気の綱引きをしてくれることで、おれの価値がぐんぐん上昇する。緑茶サワーを飲みながらほくそ笑んでいると、シャオレンはさらなる要求を突きつけやがった。
「うちのビンジがヒト型悪霊の殲滅に大きく貢献しましたよね。本来なら報奨金を頂く状況かなと」
「まあ確かに」
森田はお好み焼きのタネを鉄板に流し込み、平然と受け答えた。おれはこの展開に心がうきうきしてくる。
「最高クラスの悪霊の場合、いくらでしたっけ?」
「このくらいかな」
じゅうじゅう焼けるタネのかたちを整えつつ、森田は人差し指を立てた。それがどんな額を意味するか、一応おれも知らないわけでない。
「人類の危機を救ったわりに安いですね。少なくともその10倍を」
シャオレンの交渉は荒っぽく、図々しいっちゃ図々しい。けど相手の弱みにつけ込めば、そんなもんチャラになる。
駆け引きは弱点を突くものだ。相手の瞼が切れたらそこにパンチを打ち込む。手加減するボクサーはプロじゃないというのが勝負の世界の常識だ。
「信長にトドメを刺したのはぼくなんだよ?」
ヘラをコテに持ち替えた森田が反論するも、シャオレンは引き下がらない。
「お膳立てをしたのはビンジでしょう?」
もっといい合ってくれ、と思ったね。ばちばちにやり合っておれの価値を吊り上げてくれと。
静かに睨み合う森田とシャオレンを、三つ編みの野郎が冷めた目で見ていた。しかしこのバトルを見守っているのはやつだけじゃなかった。
「我の功績を忘れるな」
おれと三つ編みの間に座る犬のぬいぐるみが急にしゃべりだした。自己顕示欲の強い男が蚊帳の外に置かれ、黙っていられなかったのだろう。とはいえお前は疑問に思うんじゃないか。どうして犬のぬいぐるみが口を利くのかと。
驚くなかれ、コイツはヒトラーなのだ。正確にはヒトラーを封じるために用意された特殊な依り代。
現代でも超有名人な男がぶらぶら歩いてたら人の目につき、騒ぎになる。京都の除霊師が作ったブツを森田の野郎が急遽取り寄せたらしい。
「お前、ぬいぐるみに封じ込められると迫力が失せるな」
いまにも女子高生が寄ってきそうなぬいぐるみは非常にかわいかった。中身が極悪人とは到底思えず、一応口髭として黒いテープが貼られている。
「貴様らの要請を仕方なく受け入れてやったのにその言い草はなんだ。無礼だぞ!!」
さすがに鳴き声までは再現できなかったらしく、得意のしゃがれ声でヒトラーが吠える。短い足でおれの右腕をぐいぐいと引っ張る。しかし何をしても「かわいい」という感想しか洩れない。おれが頭を撫でると「やめよやめよ!!」と抵抗する。そのしぐさもまたじつに愛らしい。
「貴方は人類の側について貰えた時点で最高の功績ですよ。お礼に極上のお好み焼きを差し上げましょう」
「食えるのか?」
「そのぬいぐるみは特殊な代物らしく、食べたり飲んだりできると聞きました」
「なんだ、そういうのは早くいえ」
食事ができないことにストレスを抱えていたのか、ヒトラーは態度をころっと変えて尻尾を上下に振る。
その様子を微笑ましそうに眺める森田だが、鉄板の上に載せた二枚のお好み焼きに注意しつつ、さっきまでとうって変わり、据わった目になった。
「真面目な話をしようか、ビンジ。きみは警察省に戻るべきだ。ヒトラーと契約したのはある意味で最高だが、実際は最悪の結果。きみらを保護できるのはぼくたちしかいない。その意味は聡明なきみなら理解できるね?」
森田はあまり警察官らしくない顔の持ち主だが、瞳が接着剤で貼りつけたように動かない。光の当たらない洞窟の奥を隈なく見通すような目つきだ。圧をかけてきているのは間違いない。
「確かに、おれはルサンチマンだからな」
ボクサーは相手の目を見て心を読む。視線は外さなかったが口調はややぶっきらぼうになる。森田はそれを咎めないものの、声に重みをかけてくる。
「生き残ったルサンチマンは存在しない。ましてやヒト型悪霊と契約したルサンチマンはね。きみ、今後除霊師につけ狙われるよ。生き残ったルサンチマンは人類に狙われる。理論的にはヒトラーが裏切らないという保証はないからね」
ゆっくりと息を区切るようにいわれた言葉たち。その発言は的外れとはいえない。
この国にはいま万単位の除霊師がおり、そのほとんどが警察省に属している。しかし民間の除霊師、特に諸外国から亡命してきた連中は警察のコントロール下になく、独自のコミュニティで悪霊を狩ってる。
そういう連中がヒトラーを見て、逃げだすとは限らない。むしろ自分たちの縄張りを壊しうる外敵と見なして攻撃を仕掛けてくるかもしれない。森田のいわんとするのはそういうことだ。味方と認めるのは自分たちだけだと。
「おっと、焼けてしまう」
鉄板との間にコテを差し入れた森田が、じりじり焼ける表面をチェックする。そして頃合いと見計らったのか、両手のコテを返して一回転させた。いい感じに焦げ目のついたお好み焼きがおれの食欲をかきたてる。
なんでコイツがお好み焼きを焼いてるんだろう、という根本的な疑問が今ごろ浮かんだ。しかしそれは、本当にどうでもいい謎だといえる。
「ギファンはどう思う? 雰囲気的に彼らはきみを仲間だと思っているようだが」
コテを鉄板に突き立て、森田の野郎が三つ編みのほうをむいた。やつは極端に口数の少ない男だが、質問をされたら答えないわけにいかないだろう。
「どっちでもいいですよ、悪霊が倒せるなら」
意外な、いやぶったまげるような返答だった。てっきりただの監視役で、ヒトラーとの契約を終えたらお役御免だとばかり思っていたからだ。
「ヒト型悪霊と契約したルサンチマン、興味深いですよ。下手すれば警察のだれより強いかもしれない」
この発言を聞き、おれは感銘を受けたね。単純に褒められたからでもあるが、強いやつと一緒に戦いたいという心意気がいいじゃないか。保身に走りがちなキャリア官僚の台詞とは思えなかった。
「なるほど。これらの話を聞いたうえでビンジ自身はどう思うんだい?」
森田はお好み焼きの具合を確かめつつ、眼鏡の位置を直してやんわり微笑んだ。
ヒトラー以外の全員の意見を聞き届け、最終的な決断はおれにまわってきた。悪霊と契約した以上、それは当然の話だろうし、実際答えはもう出ていた。
何かを決めるとき、絶対安全な着地点はない。幼少期の暗殺稼業がそういう真理を教えてくれた。
かといってだれかのメンツを潰す気もない。そういう低レベルな次元でおれは物事を考えないからだ。
ここまでいってボケ倒して滑ったらお前は笑ってくれるか? まあむいてないよな。そういうキャラじゃないしな。
「おれは寛容でありたいんですよ。全員のニーズに応えておれ自身の願望も叶えたい。ぶっちゃけ欲張りなんで」
くり返しになるが目標はバッチリ見えている。カトウを捜し、お前を取り戻し、そして黒幕になる。この世界を支配する側に立ち、ハクのような超然とした存在にたどり着く。
そのためにはどうすればいいか。次元の違う世界に立つと選択はひとつしかない。
「帝の直轄部隊に編入できませんか?」
「ほう」
こちらもやんわり切り出すと、森田は目を丸くした。コイツのこんな顔、見たことないぜ。
「うちの課が嫌なのはよくわかったよ。だが帝の側に置くのは危険すぎる」
「危険?」
「ああ、デンジャラスだ。きみの出世欲はわかったけど、日本がどういう国か知らないわけじゃないだろう?」
森田の野郎はあからさまに難色を示し、それでも近くの壺を取り出してお好み焼きにソースを塗りはじめた。
やつが否定的な反応をした理由は察しがつく。帝の側近がエリート中のエリートだからじゃない。それも若干あるのかもしれないが、国の事実上のトップの側にヒトラーを置きたくないのだ。
調子のいいことをいっていたが、森田はおれが人類に離反することを恐れている。いまの態度ではっきりわかった。裏を返せば、状況次第で、おれは森田に消される可能性すらある。
しかし本当に黒幕を目指すならここで妥協はできない。おれは人類にとって切り札になった。その存在価値はべらぼうに高いはずだ。
どっちにしろ森田は自分のコントロール下に置きたいに違いない。その証拠にやつは、お好み焼きにマヨネーズを散らし、見たこともない模様を描いた。要求をのむべきか否か、必死に考えている。意識がそっちに引きずられ、マヨネーズの一部が鉄板を焦がした。
「これは妥協案だが、ビンジ」と森田はいった。おれが頷くとやつはこう言葉を継いだ。
「うちの別働隊としてしばらく福岡の防衛に就いて貰えないか? もしも戦功を重ねたら帝の側近につけてあげよう。ぼくが全力で交渉する」
おお、と声が洩れそうになった。妥協案だのいうが、ほぼ要求が通ったからだ。逆にいうと、森田がそれほどまでにおれとヒトラーを欲しがった証でもある。いつか折れる気はしていたが、こうもあっさり折れ、コンセンサスを得られるとは。
「決まりですね。ビンジはわたしと悪霊退治を続け、森田さんとも連携する……あ、もう食べていいんですか?」
手前に寄せられたお好み焼きを見てシャオレンが嬉しそうにいった。最後に青海苔を散らし、香ばしい匂いを放っている。
「亜平のゴリ押しが通ったな。まあ、戦功をあげる前にくたばるなよ」
切り分けられたお好み焼きを三つ編みは早くも食べはじめた。やつとしちゃ不満はないのだろうが、ひと言余計だなと思ってしまう。
「これがお好み焼き……アツッ!?」
シャオレンが皿によそったブツを食らい、犬のぬいぐるみが悲鳴をあげた。普段の威厳はどこにいったヒトラー?
「あははは、戦勝祝いは愉快だね。交渉も丸く収まったしね。ビンジの要求だけ想定外だったが」
連中にお好み焼きを振る舞った森田はひと仕事終えたとばかりにビールを飲んでいる。おれもヘラを使ってブツを食らうが、ありのままを話すぜ?
森田の焼いたお好み焼きはくっそ美味かった。いままで食ったお好み焼きの残像をすべて消し去るくらいの旨さ。
「アンタ、焼き方上手いな?」
「どういたしまして」
緑茶サワーを飲んで口の中をリセットし、またお好み焼きを食らう。このリピートが止まらねえ。
一応釘を刺しておくと、美味い飯に頭がどっかにすっ飛んじまったわけじゃない。三つ編みの野郎がぼそりといったように、今後福岡にヒト型悪霊が上陸する危険性は高く、その防衛任務に着けば何が起こりうるか、容易に想像できるだろう。
絶対安全な着地点はない。人類を守護するためにまた命を懸けるのだ。自分たちより弱く、間抜けで、脆弱な連中とは限らない。世界を征服してきた事実を考えたら、敗北の二文字はどうしても頭にちらつく。
しかしその壁と恐怖を乗り越えてみせるのが真のボクサーだ。真の除霊師だ。




