雪山で迷子【黒木あん14歳】
私は、黒木あん14歳。
中学2年の冬、1泊2日のスキー学習がある。
初めての雪山、私はウキウキしていた。
もともと勉強よりも運動の方が得意なので、こういう行事は大好きだ。
2月1日(月) 晴れ
雪山までバスに乗って行く。
隣の席は、幼稚園からずっと友達のマイちゃん。
マイちゃんと私は雰囲気は似てるが、性格は真逆だ。
私は、後先考えないで行動するタイプ。
マイちゃんは慎重で石橋を叩いて歩くタイプ。
スキー学習は初心者クラス、中級者クラスに分かれていた。
私とマイちゃんは同じ初心者クラスの班だった。
私の通っている学校は、1クラスだけ。15人。
クラス替えがない世界だ。
みんな普通に仲がいい。男子も女子も。
テレビでイジメや自殺というニュースを見るたびに私は平和な世界にいるんだなと思う。
朝が早かったので、みんなバスで寝ていた。
いつの間にか到着。
広がる白。素敵だ。
普段、雪を見ることがないので本当に素敵だと思った。
外は寒いが気持ちいい。
バスから降りて、荷物を置いたらすぐにスキー場へ。
スキーの道具は全てレンタル。
ウェアーに着替えて、自分のサイズの板とストックを持ち、スキーブーツを履く。
インストラクターさんにスキーを教わる。
まずは転び方から練習。
転びたくないが練習なので、転んだ。
雪は思ったより硬く、尻もちをついたお尻は痛かった。
その後少しずつ滑る練習。
上手く滑れるようになってきて、お昼休憩。
その後また練習。夕方は自由行動になった。
マイちゃんは滑りたくないと言って、宿に戻って行った。
私はとにかく滑りまくった。
夢中で滑った。
あれ?リフトが止まってることに気づく。
もっと下までいけばリフト動いてるかな。
行ってみよう。
暗いな。
そして、道に迷った。滑るのをやめて来た道を戻る。
ここであってる?
滑るのは簡単だが、歩いて上まで戻るのはとても大変そうだ。
歩く。雪は歩きづらい。
歩く。息はさらに白くなる。
しばらく歩いた。泣きそうだ。もう、疲れた。
また、しばらく歩いた。
何か音がする。
そして目の前にスノーモービルが。
「随分と下まで滑ったね、さあ帰ろうか。」とお兄さん。
助かった。
安心した。
マイちゃんの慎重な性格のおかげで助かった。
過去の日記を読んであんは思った。
昔も今もマイちゃんに助けられてるな。