若者と男の話 - ➂
若者「おじさん、こんにちは。」
男「こんにちは。」
若者「おじさんは反抗期あった?」
男「さあどうだろう。多分あったと思う。」
若者「親と喧嘩した?」
男「喧嘩なんて幼稚なことはしないけど、衝突のようなことはしょっちゅうあったよ。」
若者「それ喧嘩じゃん。」
男「そうとも言うね。」
若者「なんであんなに干渉してくるんだろう。」
男「心配だからだよ。」
若者「じゃあ心配してくれればいいのに。」
男「その通りだね。」
若者「私を愛してるのかな。」
男「それはそうだろう。」
若者「私がお母さんの子供だから愛してるのかな。」
男「偶然を結果として受け入れた結果だよ。」
若者「お母さんは私のこと好きかな。」
男「愛してるよ。きっと。」
若者「私もお母さんのこと大好き。」
男「うん、素敵だね。」
若者「お母さんはお母さんだもんね。」
男「それぞれそうだ。」
若者「やっぱり。」
男「そう。」
若者「干渉するのもかわいいね。」
男「君は大人だよ。」
若者「お父さんはあんまり分からない。」
男「そういうものだよ。」
若者「気を遣ってるのかな。せっかく家族なのに。」
男「戸惑ってるんだろうな。お父さんも君も。」
若者「そうだね。」
男「父親は大変だ。自分の子供だけど、そうではないからね。」
若者「お父さんは産まないもんね。」
男「そう。だから、お父さんは君にとって他人だし、君はお父さんにとって他人なんだ。」
若者「お父さんは家族だよ。」
男「その通りだ。お父さんは家族だ。」
若者「気分屋なところとか、押し付けるところとか、嫌いだけど。」
男「お父さんは君じゃないからね。」
若者「こういうのって、どうしたらいいのかな。」
男「お母さんと一緒だよ。そういうものなんだ。」
若者「他人だもんね。」
男「そう、他人なんだ。」
若者「親って哀しい存在なんだ。」
男「そうだね。でもそれは仕方がない。君を愛するが故だ。」
若者「お父さんのことも大好きだよ、私。」
男「うん、素敵だ。」
若者「私もいつかお母さんになるのかな。」
男「どうだろうね。でも一緒だよ。」
若者「親孝行したい。」
男「立派だね。きっといいお母さんになれるよ。」
若者「いっぱいお母さんに心配してもらう。いっぱいお父さんと喧嘩する。」
男「立派な親孝行だね。」
若者「お母さんもお父さんも大好きだから。」
男「やっぱり偶然なんだろうな。素敵な話だ。」