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四話 『アンタが悪いわッ!』

 担任が、来ずとも進む、一日だ(五・七・五)ハジメ。


 と、俳句を詠みたくなるほどつつがなく、時は流れ、放課後になった。

 登校初日と言うことで、授業はなく、時間はまだ、お昼前。


 殆どのクラスメート達が、魔法の国の留学生、お姫サマとお近付きになろうと近付いていき、その周囲はちょっとした渋滞が起こっている。

 どうやら、他のクラスの生徒たちも来ているようだ。

 ……他クラス侵入禁止とか、真面目な事を言ったら、視線で射殺されるそうな熱気。


 その熱気に対して、お姫サマはと言うと、困った微笑みを浮かべ、距離をとり、なぜだかコチラに視線を送っている。


「ハジメにゃん。良いにゃん? エルフの姫にゃんが捨てられた猫みたいな目で見てるにゃよ? サポート役にゃのににゃん」


 もちろん、そこに加わらない、硬派というか、意地っ張りと言うか、変人というか、恥ずかしがり屋さんもそれなりにいて、祭を遠巻きで眺めている。

 その中の一人である俺に、小猫ちゃんが、お姫サマの視線をそう解釈したらしい。

 ……猫とか、お前が言うなと言う、ツッコミはめんどくさい為、流しつつ。


「サポート役の定義が不明だし、あの程度で困ってるようじゃ、この先、やってけないだろう……さてと、俺は部活行こうかな」

「にゃるほどにゃん。猫は可愛い子を火口に突き落とすって奴にゃネ?」

「火口に突き落としたら、まず間違いなく死ぬだろう……せめて河口におとそうぜ」

「ニャハッハッハ。ハジメにゃんのツッコミ、今日も切れ切れにゃん」

「ちっ……」


 コネコちゃんの台詞にツッコミ所が多過ぎて、常識人としての俺が、反応してしまう。

 それを、面白がるから、コネコちゃんは手に負えない。


 ――どざんっ。


 と、頭を抱えていると、前の席の高根さんが、俺の机に大量の紙束を置いてきた。

 何だろうと、一枚、目を通すと……


『精霊種。エルフの生態・特徴。国特別指定極秘資料……』


 なんか、ごみごみした文字が並んでいた。


「じゃっ。お姫様の事はハジメくんに任せるから、それ読んでリサーチしておくんだよ?」

「え? ……サポート役って、勉強が必要な役割なんですか」


 しかも、一日や二日で読めるような量ではない、重さだけでも、五キロはありそうだ。

 若干声が引き攣っても仕方ないだろう。


「もちのろん。お国が関わる重大プロジェクトだよ? 頑張ってね」

「それでなんで俺みたいなただのイキリジャリが、重大な役に抜擢されてるのか……」


 そして、あの担任が担任なのか?

 不明過ぎて、鼻血が出そうだ。


「ほんと……なんでだろうね」

「え……?」


 高根さんが推薦したからでしょ?

 と、反論したかったが、


「じゃっ、私は帰るから。また明日っ。ばーい」


 お姫サマを遠巻きで眺めることもせず、我先に教室を後にしてしまう。

 流れるような動きで、取り付く島もない。


「良いな~。ハジメ。高根様に話しかけて貰えて……しかも、あんな機嫌よく」

「……雑用を押し付けられているだけな気がしなければ、俺も嬉しいんだけどね」


 前々から、思うのだが、ニフネくんは何故、高根さんを、高根様と呼ぶのだろうか?

 お姫サマのように、本当のお姫サマなら、敬称が必要なのだが……高根さんは、そうではないだろう。

 ……でも、闇が深そうで聞きづらい。


「ハジメにゃん。ハジメにゃん。お姫にゃん。なんか大変そうにゃん」

「……だから、それくらい慣れておかないと、学校生活なんて遅れないだろ……ってか、そんなに気になるなら、コネコちゃんが、向こうに混ざってこいよ」

「え? にゃ~は、姫にゃん騒ぎより、ハジメにゃんと遊んでる方が面白いから、行かないにゃん」

「鬱陶しい」


 爪を立てて引っ掻いてくる、コネコちゃんに、そう言いながら、例の紙を適当に眺めて……なるほどと、音読する。


「エルフの生態。その④。エルフは非常に高潔で潔癖な種族の為、多種族に肌を触られる事を忌避とします」


 つまりだ。

 お姫サマが困っているのは、興奮した生徒たちに詰め寄られ、触れそうになっていたから……

 

「えっ。そうだったんですかっ! ごめんなさい。エルメテル様」

「ごめんなさい。俺達……興奮してて……」


 基本、気が良く、心優しい子供を集めたクラスだ。

 そういう生態だとわかり、すぐに身を引きはじめる。


 そんな暖かい光景を見て、


「はぁ~~っ。精霊種ね。肌を触られるのが嫌とか、なんか高慢な種族だなぁ。めんどくさい」


 そう呟き、この紙束にある知識を、クラスで共有する必要があると、溜息をはいた。

 本当にめんどくさい仕事を押し付けられてしまった。

 ……断れば、オクレ先生と結婚することになるのだから、文句を言ってもしかないのだが、


「~~っ」

「ん?」


 教室の何処かに、設置しておこうと、顔を上げたら、そこに耳まで真っ赤に染めた、お姫サマが立っていた。


「貴方さまはっ! 貴方さまはっ! ~~っ!」

「えっ、ええっ! お怒りですか!?」


 激しい憤慨が見えるお姫サマに、俺が困惑していると、


「にゃ~にゃ~」


 隣で俺と同じ紙を覗いていたコネコが、服を引き、長い爪で、一文を強調する。

 そこには、


「精霊種の前で絶対にしてはいけないこと。①種族的な誹謗中傷。仲間への冒涜……へぇ~っ。なるほど、ははっ。気高い事で」

「~~っ!」


 直後であった。

 ぱんっ!! と、凄まじい威力の平手打ちが、俺の頬に炸裂し、背後のロッカーへ背中を打ち付ける。


「ぐこぉおっ! ……っ。ごほっごほっごほっっ!」


 衝撃に息が詰まり、鼻血まで吹き出し、冗談抜きで死ぬんじゃないか? と思う中、


「二度目……二度目です。私の事は許せます。でも、同族の愚弄は許しませんっ! ハッキリ致しましたっ。私は貴方様を個人的に拒絶いたしますっ! ……残念です。友達の件は忘れてください」


 そう言い捨てて、立ち去っていく。

 教室が騒然とする中、舞い上がった紙の一枚が、俺の手もとに落ちてきて、それには……


『精霊種は見た目からは想像出来ない優れた身体能力を宿しています』


 と、書かれていた。

 いちいち、間が悪いのは昔からである。


「くっ……くっそっ。あの糞精霊ッ! 残念です? ふっざけんなッ! 拒絶するのは俺の方だ! 喜んで辞めてやるっ! サポート役なんてもうしないからなっ! 国なんて知ったことかっ! 滅びろ」


 じんじんと響くように痛む頬が激情を呼び、怒りに任せて叫んだ後、その場を片付ける気も起こらず帰宅する。

 失言とは言え、いきなり殴られれば、どくんどくんと心臓が沸き立つほどの怒りが吹き出すのも、理解してもらえるだろうか?


 今こそ叫びたい。俺は絶対に悪くない、と。

 例え、あの綺麗な顔で謝れようと絶対に許さない、そう心に誓うのであった。


 ……親知らずが抜けて大騒ぎになるのだが、それは俺しか関係ない。



 と、言うことで、部活をサボって帰宅した俺は、


「アンタが悪いわっ!!」

「……」


 開口一番、母さんにそう怒鳴れれていた。

 頬を腫らし、血を滲みませ、帰ってきた俺を心配するから、一連の流れを懇切丁寧に説明したと言うのにだ。

 

「俺は死んでも悪くないっ!」

「部活サボったのに?」

「うっ!」

「女子を泣かせたのに?」

「くっ!」


 母と言うのは不思議で、言われたことに、妙な説得力がある。

 まあ、誰よりも俺を知っているのだから当然か。


「あ~あっ。勿体ない。せっかく魔法の国のお姫サマを彼女に出来たかも知れなかったのにね」

「……」

「逆玉。玉の輿。エターナルオブ童貞(笑)。永遠に彼女いない歴=年齢の男。はぁ嫌だわこんな息子。永遠に孫が見れないわ。ああ、私はなんて親不孝な子供を産んでしまったのかしら?」

「うるせぇんだよっ!! グランドマザーっ!」


 グランド!? と、陰険な声を出す母親だが、それでどうこうなったりはしない。

 だって、俺の母さんなのだから。


「それに、永遠に出来ないとは限らないぜ?」

「その心は?」

「いや、だって俺、朝一番に告白されたし。断ったけど」

「え? 嘘!? なんで? 何処の子? 私のハジメちゃんを奪おうとする泥棒猫はっ! はっ、猫の子?」

「うぜぇ……」


 高校生の男子ならば、母と言うのはうざったいもの……このうざさは伝わるだろうか?

 いや誰に伝わらなくとも構わない。うざいと俺がわかっていれば。


「可愛い子? 名前は?」

「名前はわかんない……知らない子」

「また……アンタはだらしがないわねぇ。知らない子な訳ないでしょ」


 と言われても、知らないのだから仕方がない。


「顔は……」


 どうだっただろうか?

 そのあとの高根さん補正と……糞精霊ショックで、輪郭すら覚えてない。


「本当にだらしがない」

「まだ、何も言ってないけど……」

「忘れたんでしょ? アンタ。興味のない人の顔と名前、覚えないものね……普通は告白されたら覚えるけれど」

「うっ」


 返す言葉がねぇ。

 母と言うのは不思議な……以下略。


「じゃもう良いわ。お姫さまちゃんについて教えなさい」


 なんでだよっ! ……と、激しく突っ込みたいが、母相手に本気になっても仕方がない。

 適当にこのうざったい母の好奇心に付き合おう。


「可愛いの?」

「……え? まぁ……それなりに」

「……」


 ……バタン。


 何故か唐突に、ヨロヨロと母が倒れはじめた。

 何事だと! 少し慌てて座布団から腰を浮かせると……。


「あら、嫌だわ。息子の口からそれなりに……ですって。それって物凄く可愛いって事だわ。……見たくなってきっちゃった」

「……ほんと、うぜぇ。明日、学校に押しかけたりすんなよ? モンペだってイジメられるから」

「アンタならイジメられても良いじゃない。むしろ、世の中の為だわ」

「く! ん! な! よ!?」


 この母親なら、やりかねない無駄な信頼が余計に不安で、ツッコミもそこそこに、釘を刺す。

 そこで、ガチャリと玄関の扉が開く音。


「あれ? お兄ちゃんの靴がある~♪ 臭いもする♪ お兄ちゃん~♪」


 ばたばたと軽快な足音を立てて、駆けて来たのは妹の斎藤さいとう 二葉ふたば

 この家に住む、最後の一人だ。


「お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃんっ!!」


 甘ったるい声で何度も連呼しながら、二葉がに飛び付いて甘えて来る。

 まだ、ランドセルを背負う十二歳、少し歳が離れているからか、俺が甘やかしたからか、二葉は異常な程、俺に懐いている。

 だから余計に可愛く、今日もまた、俺は甘やかす。


「二葉ちゃん。二葉ちゃん。二葉ちゃん。二葉ちゃん。二葉ちゃん。二葉ちゃん。二葉ちゃん。二葉ちゃん。二葉ちゃん。二葉ちゃん。二葉ちゃん。二葉ちゃん。二葉ちゃん。二葉ちゃん。二葉ちゃん。二葉ちゃんっ!!」

「ひゃははっ。おにーちゃん♪ ちゅうは?」


 小さい身体を抱きまくり、ご要望に応えて、頬にキス。


「んーっ! 口にしてよぉっ! おにーちゃんの意地悪っ」

「はははっ。二葉。お兄ちゃんは意地悪なものなんだぜ?」

「嘘~っ。お兄ちゃんは世界で一番、優しいの。二葉。お兄ちゃんだーいすきだもんっ」

「ふたば……!」


 妹の意地らしさに、少しウルッと来ていると、存在を忘れていた母がテーブルに夕食を置いて、


「ちょっとハジメ? そろそろ二葉も中学生なんだから、キスは辞めなさい」


 俺をゴミでも見るかの様な目で見て言った。

 ……ちょっと酷くはありませんか? お母様。


「えぇ~っ!? お兄ちゃんキス。辞めちゃうの?」


 さらに、妹から上目遣いで問われ、


「いや、二葉がやってほしいなら辞めないよ? クソババァには、兄妹愛の尊さが分からないんだぜ?

きっと」


 頭をよしよしと撫でながら、否定すると、二葉は嬉しそうにきゃはきゃは笑う。

 ……この笑みを守りたい。


「甘い。妹に甘過ぎるわ。この駄息子。そんなんだから彼女の一人も永遠に出来ないのよ」


 ……だから、永遠には余計だろう。

 出来るかも知れないじゃないか。

 俺とラブラブであまあまで解りあっている理想の彼女が。


「大丈夫だよ? ママ。お兄ちゃんは、ふたばが永遠に養うから」

「……」

「そのために、毎日、学校行ってるんだもん。あ、あのね、あのね。お兄ちゃん。今日も小テスト、満点取ったんだよ?」

「へぇ~……それは凄い。良く頑張ったな。……でも俺のためにそんなに頑張らなくても――」

「ううん。お兄ちゃんの為にだけ、ふたばは頑張るの!」

「……そう。まぁ……じゃあ、頑張り過ぎない程度に頑張って」

「うんっ♪ 分かってる。お兄ちゃんに心配かけたりしないよ。……ママにもっ!」


 可愛く、よく出来た妹である。

 俺よりも聡明で、聡い子で、


「アンタ。血が半分だからって、本気にしちゃダメよ?」

「……もち」


 そして、父が外に作った、妾の子である。

 ……当然、母は激怒し、父とは数年まえから別居している。

 それでも、父は未だに遊び歩いているらしい。


 父の記憶は何時も、理不尽な暴力と、けたたましい怒鳴り声。

 あんまり楽しい思い出とは言えないだろう。


「お兄ちゃん……ふたば。お兄ちゃんの妹じゃないの?」

「……二葉なら、分かってるだろ? そういう困ることを聞くな」

「……うん。ぐすんっ。……お兄ちゃんと結婚するっ♪」

「なんでだよ」


 二葉には全て話してある。

 隠して、後からショックを受けるより、マシだという判断だ。

 もちろん、母さんが、それで二葉を俺と差別することはない。……法律上、区別はするが。平等に愛している。


 でも俺はきっと、母とは違い、同情で二葉を甘やかしている。

 本当の妹だったら……どうするのか? 俺には分からないが。


「ほんと。辞めてよね。二葉が大きくなった時。傷つくのは二葉なんだから。アンタは捕まれば良いけれど」

「おいっ! やっぱり平等じゃねぇ! 俺に対してキツすぎる」

「平等!? ふんっ。くだらないわ。ハジメ。覚えておきなさい。男と女。子供と大人。体力や体格の違い。それに今は種族の違い。それを見ようとしない言い訳の平等なんて、まやかしだわ。逃げる言葉は、二度と言うんじゃありませんっ!」

「へいへい……」

「アンタはすぐに逃げるけど、何時か後悔するわよ!」

「へいへい……」

「……痛い思いをした時に、母さんの言葉を思い出すわよ!」

「へいへい……」

「……っ!」


 母の哲学など、感銘を受けるはずもなく、適当に流すと、ムッと顔を歪めた母さんが、


「もうっ。制服は脱ぎなさいって何時も言ってるでしょ!!」

「……へいへい」

「脱いだら今度は片付けなさいっ! それとパンツ一枚も辞めなさいっ!」

「……へいへい」

「返事はは一回っ!」

「へい」

「『イエス』でしょ!」

「イエス」

「言葉の前と後ろに『さーっ』をつけなさい」

「さーっイエスッさーっ……て! なんでだよ」


 明らかに関係ない事に怒りだした。

 こうなったらもう、どんな言葉も通じない。


「もうっ。本当にだらしがない。これで、外面が良いからムカつくわ」

「……」


 家の中と外で、性格を使い分けるのは普通だろう。

 別に恥ずかしい事じゃない。

 出来ることとできないことがあるのだから、見せられる自分と取り繕う自分はどうしようもない。

 だから、それを込みで俺を見抜き、受け入れてくれるならば……。

 いや、そうなれば、なったで、そんな俺を好きになるヒトを俺は好きになれないだろう。


「気取っちゃってもうっ。それで、俺のことを知らないだろって告白を断るんだからどうしようもない。普段はこんなダメ男ですって、バラシに行こうかしら」

「本当に申し訳ありませんでしたっ!」

「はぁ……学級委員もそうだけど、お姫様のサポートだなんて……ヘマして殺されないでよ? 国際……いや、世界違反になるんでしょ」

「……うん。既に危ないけれど」


 とにかく、明日は、高根さんに言って、お姫サマのサポート役を外して貰おう。

 その方が、お姫サマにとっても良いだろうし。

 ……オクレ先生は気になるが。こうなったものは仕方がない。


「お兄ちゃん。お外で嘘ついてるの?」

「……え? まあ……どうだろ? 自分を隠してるって意味ではそうかもしれないけれど、でも、外でダラダラする訳にもいかないだろ?」

「ヘンなの~♪ 二葉は何時ものダメお兄ちゃんも、気取ってカッコイイお兄ちゃんもだーいすきなのに」

「ふっ……ありがとう」

「うん。やっぱり、お兄ちゃんを養うのは二葉しかいないね♪」


 健気で可愛らしいが、もう少し、大人になれば、外で彼氏の一人でも作ってくれるだろう。

 ちょっと、殺したくなるかも知れないが、その時こそ二葉には、俺を忘れて、自分の為に生きてほしい。

 ……因みに、俺はその頃、無職の引きこもり生活を満喫している予定だ。


 あ、でも、大きくなった二葉に、ゴミを見る様な目で見られて、あの時、何も知らなかった私をっ!

 みたいな恨みを買うのだけは避けなければ……


「お兄ちゃんちゅうしてぇ~」

「……」

「ちゅう~♪ ちゃうっ! ちゅう……っ!」

「……ちゅうはもう、やめよう……な」

「ええええええええええええええええ――っ!」


 その夜、二葉と一緒にお風呂に入り、身体を洗い、同じ布団で眠ったとさ。

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