物語は始まっていない……
『さて、と』
何もない空間に声が響いた。
黒でも白でもない。
闇でも光でもない。
本当に何もない空間だった。
『そろそろ僕達の出番だね』
それでも声だけが響いていた。
『客観的に、物語がようやく始まったとでも思っているのかもしれないけど』
その声の主はいったい誰に向かっているっているのか。
『これはあくまで彼らの日常であり、ずっと経験してきたこと』
物語は、いわばセレクションのようなもの。
都合のいいものだけを取り上げて、あたかも始まりと終わりがあるかのように見せる。
人は生まれてからが始まりで、死ぬまでが終わり。
その過程の一部分を取り上げたところで、なんだっていうのか。
『これは始まりじゃない。終わりの始まり』
声の主が言う。
そして、目に見える変化が訪れた。
『もう始まってるよ』
その声と同時に、空間がぐにゃりと円を描くようにねじり曲がった。
そのねじれはどんどん拡大してねじれを増して、ある程度大きくなったと思ったら。
今度は逆再生するかのようにねじれが戻っていく。
丸めたティッシュを再度広げるかのような、不思議で、不気味な光景がそこにはあった。
そして気付けば。
「久し振りの感覚だね」
「……あぁ、そうだな」
小柄な少年と、体つきのいい青年が立っていた。
少年は自身の背中を埋め尽くすほどの一冊の大きな本を背に抱え。
青年の腰には、一振りの真っ黒な剣が剣身を顕わに下がっている。
青年は少年に言う。
「まずは何をする?」
少年は答える。
「武器を作るためには素材集めからだよ?」
何を作るのか、そう青年が聞く前に少年は言った。
「勇者の武器、だよ」
あまりに短いのでちょっとした小話を。
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実は、赤い蛇から巨大な龍になるところまでは多少のズレはありましたがプロットどおりでした。
ただ、そのあとどうやって倒すか、はまったく考えていませんでした。
その問題に気付いたのが童話を書いてからですw
遅い。自分でも思うほどに遅い。
さぁ、どうやって倒そうかなぁ、と考えていたものの、最終的にはセラフィがなんとかしてくれるだろうと、まさかの作者自身もセラフィ頼み。
それでも皆を活躍させたいなぁ、と考えに考えてひねり出したのが今回の策でした。
千年で龍かぁ……→時間戻せば蛇になるんじゃね?
という発想から、シュリが繋がり。
そしたら本当にたまたま偶然トーカがスクロール作れることに気付いてそれの応用。
巨大な魔法陣を書くのにテッドとイグスは適当に使えばいいかと男性陣はちょっと手を抜……コホン。
ケイラには巨大な魔法陣の供給源になってもらおうという感じでギリギリ考えつきました。
理想を言えば、ヤンバ、ミアンも使いたかったのですがそれはさすがに無理でした。
しかし、このおかげでもともと決まってなかったフェリアの固有魔法が決まり、キャラのエピソードもなんとなく定まったので万々歳です。
さて、ようやく物語は動き始めました。
第二章終わってようやく動き始めたというのもなんですけど……。
ここからはそれぞれのキャラをより深く知ってもらおうというお話。
今までは全員をメインに書いてきましたが、今度は一人一人にきちんと焦点をあてて書いていきます。
パーティメンバーの過去だったりを、うまく物語の時間軸に合わせて追求できたらな、と思っております。
更新が遅めなのは本当に申し訳なく思っておりますが、これからも本作品をよろしくお願いいたします。




