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世界の終わりを望んでみた  作者: 白上 しろ
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前奏曲

ある日。アイカはパソコンを閲覧していた。検索ワードは『魔女』『破滅』『死』云々…。

アイカは『仮劇:魔女の世界へようこそ』というHPを見つけた。クリックし、中に入る。怪しげなサイトの一番上の項目に『前奏曲』というものがあった。


― 人生とは死への(一連の)前奏曲ではあるまいか ―

ラマルティーヌという作家の言葉である。人生は物語の前奏曲にすぎない、死んだ後に本当の物語が始まるのではないか、という意味だ。


アイカは興味深そうにクリックした。


Q:あなたはこの世界に満足していますか?( はい いいえ )

Q:人間は素晴らしい生き物ですか?( はい いいえ )

Q:この世界を滅ぼしたいと思った事はありますか?( はい いいえ )


以下、質問がたくさん続く。アイカはすべてにマイナス(と一般的に思われる)の答えをクリックしていく。そして最後に空欄があり、好きな文字を何でも書き込めるようになっていた。アイカは取り憑かれたように空欄を『死』の文字で埋める。書き込みが一定量に達すると、最後に『ありがとうございました』という赤い字のメッセージだけが表示され、画面が点滅してパソコンはいきなりシャットダウンした。

「あれ?」

再起動を試みるがパソコンに反応はない。

「うそ…… 壊れたの?」

アイカはパソコンをパンパンと叩いていると、側にあった携帯電話も画面が点滅して消えているのに気付く。

「うそ。これじゃ……」

『魔女グッズが買えない』というのが言葉の続きであった。アイカは頭を垂れて、大きくため息をついて呆然とした。どうしようもなさそうに布団にくるまった。

「はぁ…… 本当に面倒くさい」

その頃、父のパソコンを使っていた彩芽も、塾のパソコンをこっそり使っていた美空も同じページをみて、同じようなことをして、そして同じ目に遭っていた。

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