リク
「命を取り留めたか」
ガガジは小さく笑った。背後からもう一人、闇の鎧を着た剣士のような風貌の人物が現れた。
「ガガジ様。やり過ぎではありませんか?」
ガガジは剣士に振り向く。
「リクか。心配なのか?」
リクと呼ばれた若い剣士は一度静かに目をつむった。
「そうではありません。敢えてこんな者達に頼らずとも」
ガガジは笑った。
「あえて。だから面白いのだ」
「人間を道具に使うとは」
ガガジは試すように尋ねた。
「そんなに人間が好きか?」
リクは不快な顔をした。ガガジは笑いながら姿を消す。リクも倒れたアイカ達に一瞥すると、ガガジに続くように姿を消した。
しばらくしてアイカ達は目を覚ました。だるい体をなんとか起こそうとして、また倒れる。うっすらと闇のオーラが体をまとい、頭痛で気分も悪い。
「みんな…… 大丈夫?」
美空が答えた。
「大丈夫…… と言いたいけど…… 気持ち悪い」
「彩芽は?」
「まだ寝てる」
「起こす?」
「うん」
美空は傍に横たわる彩芽を見て、ふと疑問に思う。
「……生きてる?」
「え? 生きてるでしょ?」
「彩芽、何か体弱そうだし」
「まさか……」
「このまま置いとく?」
「そ、そうする?」
アイカと美空がコソコソ話している時、
「あの…… 生きています」
彩芽が横たわったまま答えた。少し間があってアイカが言った。
「じゃ、解散しよっか?」
美空は頷き、彩芽は『はい』と言った後、三人ともしばらく無言のまま動けなかった。




