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世界の終わりを望んでみた  作者: 白上 しろ
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彩芽①

とあるマンション。

花咲 彩芽。短いオレンジ色の髪が周囲の色と同化している。アイカと同じ中学二年生である。彩芽は私服で自分の部屋の椅子に座っていた。生活感のない殺風景な部屋にあえて目立つ物を探そうとするなら壁に掛かった一輪の蕾の絵くらいだった。まるで時が止まったような空間。彩芽も座ったまま動かない。僅かに絨毯を足でなぞる動きはあったが、すぐにまた動きは止まった。

 しばらくすると彩芽はゆっくりと椅子から立って窓を開けた。夕焼け空があり、彩芽は顔を空に向ける。その目は何かを映いているわけでもない、かすんだ目であった。夕日が傾き、陽の光が強く射し込むと、彩芽はようやく目の機能を思い出したかのように、手で光を遮りながら目の焦点を夕日に合わせた。

「(あっ、私。……いたんだ?)」

彩芽はカーテンを閉めると、光が遮られ、部屋が急に暗くなった。

「(いっそう本物の透明人間に生まれたかったな)」

そう思い、ベッドに向かって横になった。彩芽は小学生の頃を思い出していた。


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