第5話、次なる一手
マリンフィルの強固な守りにロマリア帝国軍は要塞攻めを結構するべく虎狼関を陥落させ進軍した後、屍の王レオルドとワーテルローにて合流した。
レオルド:今宵はいい夜になりそうだ。
シャロー将軍:あぁダイアンオクトパスなどに怯えて退散した兵の処罰も終わった。
明日にはマリンフィルを陥落させられるだろう。
その頃集結した黒い狩人達は闇に紛れて奇襲を考えていた。
ダークネス:野営しているロマリア帝国軍に奇襲するには月が陰りいいころ間だ。
クロスバン:よい策だが我らの軍は北からの強行で疲れている。
それに虎狼関から逃げてきた黒剣士の統率もままならない。
こんな最悪の状況で手を出せば我らは危うい。
やはりマリンフィルを援護せずにワーテルローから西の山に布陣を引き直そう。
ダークネス:何を恐れているのですか。黒剣士らは死など恐れない。
精王フレイ:死んでは何もなすことはできないし戦えませんよ。ここは西に戻り敵の様子を見ましょう。
ダークネス:くっわかりました。
同時刻王都ディアバールの酒場黒山羊亭にて・・・
ラスティーユ:くはぁー生き返るぜこのビールは
リリア:負け戦おめでとうございますってかふざけるなよラスティーユ。
こんな時に悠長に酒に溺れて。と胸倉を掴む。
ラスティーユ:まぁまぁまぁ生きて帰れたのだからそこはといいグラスを差し出だす。安心しろ水だ飲め。
レド:こんな時に水なんか飲むなぁーと酔い気味でいう。
ルシルダ:ほんとお気楽な連中ね。敵は数知れないのよ。私達が戦った敵はほんの一角よおわかり。
リリア:あぁそうだルシルダのいうとおり酒に酔いしれる時ではないのだ。ヒック
ルシルダ:貴方も大分飲んでるわねお話にならないわ。
レド:そんな固いこと言うなあんな激戦地から生きて帰ってこれたんだ祝おう。かんぱーい。
陽気な音楽が流れ楽しく戦いだという雰囲気ではなかった。
多くの者が血を流し倒れる時代にも拘わらず黒山羊亭の雰囲気は全てを忘れさせ酒は何時もより美味かった。
ガウディ:皆いつまた戦うか分からない浮かれてないで自分の武器はちゃんと手入れしろよ。
リリア:そんな面倒なことは後だそれよりガウディいつ死ぬか分からないから私と夜を共にしない。
ガウディ:リリア馬鹿なことを言うな飲みすぎだ。
ルシルダ:まとめ役まで酒に飲まれたようね。さっきまでの正気な発言ははどこに行ったのやら。
ラスティーユ:奴は酔うと女っ気があるようだ。とこっそり度数の高いウォッカのボトルをチラつかせ言う。
ファーゼル:ラスティーユ!!リリアにお酒はだめ
その言葉と同時に炎を燃やしリリアは完全燃焼しそうになった。
ファーゼルが急いでバケツに入った水で鎮火するとリリアはぶっ倒れた。
ファーゼル:もぉーラスティーユ
ラスティーユ:へへそう怒るな
酒場のマスターのマキシマスと手伝いの子供のゼノムがリリアを抱え上げ二階の寝室に運ぶまぁお決まりのパターンである。
そんな一時の中マリンフィルでは激戦が繰り広げられる。
ダイアンオクトパスの絶対防御を打ち破るべく一人の男に白羽の矢が立った。
その男の名前は戦艦の異名を持つ大将軍イージスであった。
彼は空間収納という能力を持ち自在に空間から爆薬や大量の武器を取り出し向かう所敵なしの大将軍である。
彼が手を開けば数万の弾丸が飛び交う恐ろしい男である。
戦艦のイージス:ふむタコ退治の任務か面白い。
シャロー将軍:わざわざ親父に手をかけさせてすみません。
戦艦のイージス:ふむ気にするな皇帝陛下直属の命であるから仕方ない。
なぁーにワシが来たからにはマリンフィルは陥落同然だ安心せぇ。
翌朝マリンフィルの城壁に風穴があく。戦艦のイージスの数万発の一点集中攻撃が最強の硬度で保たれるダイアンオクトパスを破壊したのだった。
同時刻王都ディアバール酒場黒山羊亭にて・・・
黒剣士:大変だ絶対防備のマリンフィルが落ちた。市民は全員銃殺されたぁー。
ラスティーユはそれを聞き怒りを表しテーブルにグラスを叩き付けた。
ラスティーユ:ロマリア、ロマリア気に入らない連中だね!!。
その大騒ぎに二階からリリアが下りてきて言う。
リリア:女子供容赦ないとは許せない!!。
黒剣士:いかってるのはあんたらだけじゃねぇぜ。隻眼のレイアースが黒い先鋭を総動員してワーテルローへ向かったそうだ。
レド:そいつは凄いや黒剣士最強の血筋がか!!。
黒剣士:今ワーテルローで怒りの戦線が始まるぜ行きたい奴は街の広場に迎えまだ間に合うぜ。
ラスティーユ:ここで引いたら黒剣士は笑われる私は行くよ。
リリア:私もだロマリアにこれ以上好きにはさせないよと言い剣を鳴らす。
ルシルダ:二人とも熱くならないでよ。
ラスティーユ&リリア:お前が冷めてるだけだ。
レド:しかしな先ほどの戦で俺は萎えたぜ。不死者の群れに激動するロマリア帝国の冷たい機械兵の群れこんなんじゃいくつ命があっても足りないぜ。
ラスティーユ:レドお前は私にいくら借金してると思っている。文句は言わせないよ。
レド:強制連行ですかとほほ。と肩を下す。
リリア:しかし聞いたかよロウハン様と覆面剣士のコルセットが虎狼関を守れなかったことで処罰されるってよ。
ラスティーユ:何師匠が!!
ルシルダ:沼地に送られるそうよ。
ラスティーユ:沼地!!?ってなんだよ。
ルシルダ:貴方知らないのね。あそこは世界一最悪な場所で危険な龍の民が住んでいたけど今は髑髏剣士が住み着いているのよ。あの二人なら生きて帰ってくるでしょうけど。
レド:人の死体から生まれるとされる髑髏剣士の討伐かぁーマジきつそうな仕事だな。
その頃愚痴を言いながら歩くロウハンとコルセットは髑髏剣士に征服された龍族の村で激闘を繰り広げる。
髑髏剣士の正体とは人間の死体に寄生する寄生虫だという者もいるが定かではない。
人間の頭の骨を被った人型の寄生虫である。
髑髏剣士は知能は高く人間並みで言葉を話す者もいるが殆どは意味不明である。
乗っ取った人間の潜在意識だという者もいるが定かではない。
分かっていることは一つ彼らに繁殖する機能はない。死体の中で分裂して増殖し数を増やし他の死体に移り住み死体を支配するのだ。
髑髏剣士に変貌した者は死体を求め歩き人間の血液を食らってい生き殺戮を繰り返す。
彼らは手足を器用に使い道具を使う。
人間の知能を学習し人を殺すことしか考えてないようだ。ゾンビといえばそうとも言えるが。
ただゾンビと違う所は仲間意識があり統率した軍隊となるところだ。
放っておけば人間社会に悪影響があるため黒剣士らの汚れ仕事の一つである。
コルセット:いるいる百体という所か
ロウハン:はぁー老体には堪える仕事だな。
コルセット:早く帰りたい。
ロウハン:行くぞ
二人は髑髏剣士の群れに突入した。髑髏剣士はギョロっとした目で睨みカタカタ歯を鳴らし笑った。
まるで二人の黒剣士らを軽視するような様子であった。
こちらの方が圧倒的に数が多いと思っているようだ。まるで二人で戦いを挑むとは馬鹿げていると言わんばかりに笑った。
しかし次の瞬間炎と剣撃が彼らの首と胴体を分断し笑いは止まり絶叫へと変わった。
ロウハンとコルセット両名はにやりと笑い剣を早めた。
コルセット:これはまたの機会に話そう生きて帰れたのなら・・・・。
二人の戦いは今始まりを迎える頃ワーテルローでは勇士が続々と集まっていた。
その中には虎狼関を守り切れなかった黒い先鋭の師団長隻眼のレイアースの姿があった。
彼女は片目で睨み親友の命を奪った者を憎む目で見ていた。
隻眼のレイアース:アリスお前の仇は必ず討つ。一人でよくマリンフィルを今まで守ってきたその勇士、世代まで称えよう後は私が引き継ごうだから今は静かに眠れ。といい花を添えた。
決戦の時だ皆の者行くぞぉお
黒い先鋭一同:うぉおお
毒舌のアベル:今なら間に合う無条件降伏しろ
こちらには数万の機械兵団と艦隊があるのだ絶対に負けはしない。
今なら間に合うお願いだ降伏してくれ僕のいうことを聞いてくれぇと泣きながら訴えた。
隻眼のレイアース:元大臣アベルよ敵に簡単に寝返ったこと恥ずかしくないのか。
お前はそれでも時代を築いた者の一人か!!。
毒舌のアベル:時代は変わっていくものだ。剣や魔法などでもう解決できる範囲の問題ではない。
今も昔も変わらない武力こそが正義なのだ。
力無き者は敗れていく僕はそんな者達らを多く見守ってきた。
この目こそが生き証人なのだ。
隻眼のレイアース:それならばその両目刳り貫いて私の首のペンダントとして飾ってやろう。
待っていろ裏切り者よ。
毒舌のアベル:ふん負けて後悔しろよロマリア帝国こそこの世界を統一するんだ。
僕の生死をかぎ分ける嗅覚を馬鹿にするなよ。
さぁーやっちゃってくださいシャロー将軍。
シャロー将軍:紅蓮隊特化十字兵よ前に出ろ。その熱き意志見せてやれ。
そういうと数百名の兵士が前に整列し一斉に手から炎を滾らせた。
シャロー将軍:さぁ行けロマリア帝国紅蓮特化十字兵よ。その恐ろしき技で敵を焼き払え。
そう命令されると彼らはファイアバード(火でできた鳥)を飛ばしワーテルローの草原を焦がし爆風と熱気が黒い先鋭らの中央に被弾した。
それが合図となり両者は激しく激突する。
まず黒い先鋭らは三方向に分かれバイク音を鳴らし草原を駆け抜け攻めたてる。
それに続きクロスバン率いる部隊とダークネス率いる黒い狩人らが続いた。
その布陣はまるで三又槍を描くようなものであった。
シャロー将軍:惑わされるな銃口を敵に定め静かに待て。
機械兵団は銃剣隊を守れ盾となり敵の進撃を止めよ。
その言葉と同時に機械兵は分厚い体を前にだし一列に並んだ。
それを見たレイアースは後続部隊に合図を送りロケットランチャーのような物を打つように命令する。
そして前に続く黒い先鋭らに体勢を低くするように命令を下し衝撃に耐えるよう指示する。
隻眼のレイアース:来るよ全軍衝撃に耐えろ。
バーストストリームと呼ばれる破壊弾が機械兵団の前列に被弾すると青と白の光が渦を巻いてそこにいた全てを破壊し黒い先鋭らはロマリア帝国軍の中央に風穴を開け駆け抜けた。
ダークネス:あれが百戦錬磨の黒い先鋭の実力か恐れ入った。
シャロー将軍:ふんだが詰めが甘い鍛え抜かれた軍の統率を見くびるな。と手を挙げ合図した。
その合図に機械兵団が円状に並び中央突破した黒い先鋭を包囲した。
レッドロー:これで敵の前列は総崩れだな。後は両端から攻めてくる部隊を潰せ。
隻眼のレイアース:層が厚いか。そんなことは分かっているお前たち先陣を切った我らの力見せろ。
野獣部隊トランスし敵を薙ぎ払え。
クレゾール:はい分かりました
そういうと黒髪で細身の男黒剣士クレゾールがバイクを手放し黒山羊の姿をした魔物に変身した。
それに続き他の者もトランスし野獣が牙をむく。
機械兵団に対して怪力突破を試みる。
それを見たシャロー将軍は唸り腰を浮かせる。
シャロー将軍:ほぉそこまでして中央突破を試みるか面白い。
戦艦のイージス:面白くないわ。これで中央はごちゃごちゃで戦力が分断された。
それに左右から迫る敵も煩そうだ。向こうには優秀な人材が豊富と見る。
レッドロー:そうですかねぇー奴らの狙いはよめよめですよ。
敵の指揮官は自ら攻めているように見せているようですが中央突破する気は毛頭ない。
敵の要は左右から攻めてくる軍ですよ。
その頃右陣部隊にて・・・
ラスティーユ、レド、リリア、ルシルダらが所属する右陣部隊は圧倒的な強さで敵を突破していた。
この戦いで4人の強さ絆は凄まじい勢いで成長を遂げた。
雷撃を操るラスティーユに風を操るレドに炎を操るリリアに氷を操るルシルダらに敵は撃破されロマリア帝国が誇る機械兵団は瓦礫となった。
天変地異を起こす4人を筆頭に右陣部隊は突き進む。
それを一番驚いた様子で伺うのは毒舌のアベルの軍隊デビルアーマー隊であった。
アベルは潤んだ目をして黒騎士ジークフリードにしがみ付く。
毒舌のアベル:奴らの異常な強さはなんだ。どうにかしろジークフリードお前は大陸最強の騎士なのだろ。
ジークフリード:俺に命令はするないいなひよっこお前はおとなしくしてろ。
毒舌のアベル:うんうん
ジークフリードは黒い刃の剣を抜き構えると紫色の斬撃を飛ばした。
その斬撃刃は風を凍てつかせ駆け抜けると一人の男に被弾した。
しかしその男は吠え立ち上がると血のように真っ赤な眼で睨み返した。
その男こそこの物語に波乱を起こす男戦士ブラッドロアであった。
ブラッドロア:ぬるいわぁ!!全てを薙ぎ払えシャドウメート!!
そう叫ぶと黒い球がブラッドロアの周りを回転し鉄球で殴られたような衝撃をロマリア帝国兵に浴びせた。
ロマリア帝国兵:なんだあの男は!!!
その言葉にブラッドロアは血のような真っ赤な目で睨み返し眼力でロマリア帝国兵数人の頭を吹き飛ばした。
それを見たジークフリードと屍の王レオルドは驚き声を合わせ言う。
レオルド&ジークフリード:この時代にブラッディ・アイを持つ者がまだいるとは!!!
ブラッドロア:やい黒い奴と墓場の剣士よく聞け俺の名ははブラッドロアだ。
いずれこの世界を支配する男だ覚えておけ。
屍の王レオルド:ふん生意気な俺以外に紅眷族の血筋を受け継ぐ者がいるとは正直驚きだ。
足掻き楽しませてみろブラッドロアよと叫び二刀を抜き構えた。
ジークフリード:屍の王あんたはまだだあいつは俺のおもちゃだ手を出すな。と剣を構える。
ブラッドロアはその言葉に怒り身の丈を超す槍に黄金の龍が巻き付いた龍天方戟を地面に突き刺し地鳴りを起こした。
怒声と共に駆け出しロマリア帝国銃剣隊数名を薙ぎ払いジークフリードと初めて刃を交わした。
その特攻力は激しく二人の立つ足場は陥没し衝撃波が駆け巡る。
その凄まじい力に度肝を抜かれた頃遊び相手を取られたレオルドはラスティーユ、レド、リリア、ルシルダその4人と対峙した。
レオルド:ほぉあの時の女黒剣士達かそれと男黒剣士が一人か・・・。
ラスティーユ:また会うとは思ってなかったよ墓場の剣士レオルド。
レオルド:墓場の剣士だと王と呼び直させてやろう。と呟き残像を残し斬り込んだ。
しかしそれをラスティーユは電撃が流れる剣で受け止め二人は叫び斬り合った。
その光景に唖然とする三人は飛び交う剣の間合いを縫い参戦した。
4つの刃を二刀で受けるレオルドは汗ひとつ流さず涼しい顔でそれを受け流した。
リリア:こいつマジか4対1なのに全然互角だ。
レオルドはその言葉にため息を吐きいう。
レオルド:出会った頃は不覚を取ったが私も成長を感じているぞ。
不死者となりこれほど楽しい時間はない。叫べ足掻け苦しめ私を喜ばせろ。
ふははははと大笑いし剣の速度を速めた。
その放たれた剣の重さに手を痺れさせて4人は後退した。
レド:全員の力を一つにしないと倒せないぜ。こいつはそういう類の魔物だ。
その言葉にレオルドはトランスし髪の毛を数百の赤い蛇サラマンダーに変貌させ漂わせた。
その様子を伺うシャロー将軍の胸に熱い決意が生まれる。
シャロー将軍:豊かな地を求めこれほどの激戦となるとは思わなかった。
侵略することを選ばしたのはあいつらだ始まりはこうだった。
我らロー大陸の民は機械学で工業都市を築き今に至るだがその現状は廃油で塗れ汚染された地で作物は育たない土地となった。それに気づいた時には遅く被害は大きくなっていた。
原因究明した頃には廃油を土地に廃棄し垂れ流していた優柔不断な管理者どもは一夜で逃げ出し国は崩壊寸前だ。
今のまま人口が増えれば人は餓えに苦しむ日が来るだろう。
昔その胸の内を皇帝はユー大陸の民に伝えたが奴らは無情にも断った。
土地は異国の者に与えない。金銀を積まれようともだ。
自国の事は知らぬとだから我らは負けられぬ。共存を断ったのはあいつらだ。
何としても我が国民を救うにはこの豊かな地ユー大陸が必要不可欠なのだ。
どんな汚い手を使っても奪ってみせるぞ。例え多く血を流してもな。
負けられない戦いはここにあるのだ。
その頃指揮官レイアースは騎士式機械兵団に囲まれ孤軍奮闘していた。
盾で防御し剣で的確に打ち返してくる騎士式機械兵団に苦戦を強いられる。
隻眼のレイアース:なんだこいつら機械仕掛けのおもちゃが粋がってるんじゃないよ。と叫び黒いバイクに搭載された回転式機関銃を打ちまくる。
そして手に集めたガードナーの気を集め剣に通わせ騎士式機械兵の固いボディーにめり込ませ破壊した。
ロマリア帝国銃剣隊は黒い先鋭に狙いを定め銃を撃つ。それを見た黒い先鋭師団長隻眼のレイアースはバイクに搭載された小さなグミ状の物を地面にぶちまけた。
そのスパイラルグミと呼ばれる物は地面に広がると伸縮自在に蠢き飛ぶ物に反応し物体を吸収するように作られている。スパイラルグミの寿命は短く1時間で自然消滅するのだ。
対銃撃戦において目覚ましい効力を発揮した。弾力性があるため銃弾を通さず吸収しまたガードナーとの同調律で素早い動きも可能なのだ。従ってロマリア帝国の銃剣隊は意味をなさなかった。
だがこちらも騎士式機械兵には動揺も恐れもない人間の私は一体倒すたびに疲労が体を覆う。
ロッシュ:姉さん本陣とどんどん孤立している。このままじゃヤバイですぜ。
隻眼のレイアース:そういう狙いか馬鹿か私は敵に誘導された。奴らの狙いは私達だ。
機械兵は円状に広がり攻防を続け私達の目を盗み こちらを左陣に誘導してやがったのさ。
奴らの狙いは私達を孤立させることじゃない。奴らの本当の目的は後ろの連中を一掃することだ。
ロッシュ:一体どういうことですか姉さん?
それに気づいたレイアースの焦りを見たシャロー将軍はにやりと笑い手を挙げ合図した。
シャロー将軍:邪魔な小隊が退いた敵を存分に引きつけたそろそろ仕上げにかかるぞ。
銃剣隊全員一列に並べた機械兵のレバーを引き後退せよ。
その言葉と同時に皆一斉に機械兵の肩にあるレバーを下に下した。
一列に並んだ弾除けと思っていた鉄くず同然の機械兵団の目が黄色に光り胸が左右に開かれナパーム弾を前進してくる黒い狩人らに向け放たれた。
爆音と火柱舞う中黒い狩人らに大打撃を与え中央突破の夢は脆くも崩れ去った。
しかしその中でもガードナーを盾に使いダークネスを筆頭に爆撃から逃れた者らは苦戦を強いられ戦う左陣に合流を試みる。
左陣には紅玉騎士の師団長を務めるオスカーがレッドグラスに変貌し仲間達と戦っていた。
紅玉の騎士は全員選ばれた者達で皆レッドグラスに変貌できるが銃口式機械兵の援護射撃に手を焼いた。
遠距離から銃弾を放つ大きな銃の頭をした銃口式機械兵は二足歩行で歩みは遅いが攻撃の威力は黒剣士が持つガードナーの原型を吹き飛ばす威力なのだ。
レッドグラスに変貌して人を超えた反射神経を身に着けた紅玉の騎士だが戦力の差は大きかった。
敵に辿りつく前に仲間は倒れていく。また銃剣隊の必死の特攻により仲間の数が減っていくであった。
それを助けるようにダークネスは黒い狩人の中で選ばれた十人の剣士通称X剣士を向かわせた。
彼らはそれぞれ特殊な能力を持つ黒剣士である。その存在はこの戦いが始まるまでマスター教会が隠していたのだった。
その存在は公に知らせてなかったという。ここでディアバール共和国には剣誓会を二分する組織が存在する。
一つは王のために忠義を貫く紅玉の騎士と貴族で構成された月夜の重臣と呼ばれる連中である。その殆どが狼人間で組織されている。
そして剣誓会最大派閥マスター教会である。獅子王イレイザを中心に古龍派、不死鳥派、我狼派、黒い狩人が支える黒剣士集団である。
その中でも苦しい人体実験で生まれた10人の黒剣士(X剣士)の力が試される。
最先端の科学で生まれた殺戮黒剣士X剣士にはそれぞれ1から10の優劣を示す数字が与えられその頂点に立つのは若干15歳の女黒剣士ナンバーⅠ眠り姫ディアである。
X剣士の頭脳ナンバーⅡ忘却戦士アシュレー、魅惑の女黒剣士ナンバーⅢ銀燭のグリンディス、ナンバーⅣ門前の黒猫剣士モノクローム、ナンバーⅤ水龍使いのシスイ、ナンバーⅥ屍姫マーテル、ナンバーⅦ霧隠れのザット、ナンバーⅧ旋律のリコルト、ナンバーⅨ一匹狼のロスク、ナンバーⅩ戦場の赤い花ヒューリアである。
その問題児を集めた集団X剣士がロマリア帝国軍に牙をむいた。
ダークネス:全員許可は下りた誓いの剣を抜け。侵略者を断罪する。直X剣士は何をしても罪には問われない。
霧隠れザット:了解!!黒い狩人師団長ダークネス卿、やっと俺達の実力が試される。殺して殺しまくってやるよひやぁー。だが敵が機械だなんて悲鳴もあげやしねぇー。といい体を霧に変え銃口式機械兵の隙間から忍び込み内部を破壊し爆破した。
その光景に紅玉の騎士オスカーは驚く。
屍姫マーテル:驚くのはまだ早いよと白い骨でできた手で応戦してくる銃口式機械兵の銃弾を防ぎ言う。
古株両名守りががら空きよ死にたいのかい??。
銀燭のグリンディス:あら頭に直撃したけど私死んでない。なんでだって体が銀でできていてちょっとやそっとでは死ねない体なのよ私ドロドロ溶けて原型忘れそう。
オスカー師団長私こういうこともできるのよ。といい銀色の銃弾を体から四方八方に飛ばした。
グリンディスの銃弾は圧倒的な戦力の差を感じ機械兵団の後ろに隠れる紅十字兵を追跡し見つけ打ち抜いた。
銀燭のグリンディス:私が目を付けた者は逃さないわよ。あらまた原型を忘れそうで怖いわ。
オスカーは思ったこれが今の時代が生んだ黒剣士なのかと。自分を鍛え剣を振るい戦地を駆け抜け血を流し多くの仲間を失い悲しみ生きてきたのが一瞬の出来事で馬鹿に思えてきた。そして怪物を生んだ剣誓会に不安を覚えた。
新たに投入されたX剣士にシャロー将軍は主力部隊で応戦する。
空からは爆撃機を飛ばしX剣士らを爆撃した。大地は真っ赤に染まり煙の中X剣士らはガードナーで防御シールドを張り巡らせ回避した。
シャロー将軍:奴らは不死身か!!と驚き声を上げた。
兵がいくらあっても足りんこちらも奥の手を使うかふふふと怪しく笑う。
白い手袋を外し手を炎に染めシャロー将軍は軍刀を抜いた。
軍刀が燃え上がりそれに答えるように紅十字軍が軍刀を抜く。
皆炎を纏い白い背中のマントに描かれた燃える紅十字架が踊る。
シャロー将軍:行くぞロマリア帝国の意地を見せよ。
爆雷のジーザス、凍結のジェラードお前たちの力を見せよ。
ジーザス:親父が呼ぶってことは一大事だな。
ジェラード:今回は出番はないと思っていたが。
ジーザスは柄に鎖がついた剣を抜きジェラードは欠伸をしながら氷付いた銃を抜いた。
ジーザス:さてさて敵のレベルは高いぞ遅れをとるなよ。
ジェラード:俺達二人で大丈夫か??あいつも起こすか?おいお前起きろ一大事だぞ。
謎の男:なんだよ何が起きたっていうんだよ。俺達が呼び出しって。俺はどんな状況かでも寝ていたいんだ。
ジェラード:寝言を言うな仕事だ起きろアミル。
アミル:3人で10人相手ってどんな無茶な仕事ですか。
ジェラード:寝ていても情報は聞いているとは笑えてくるぜ
アミル:向こうは俺達と同じ人体実験をして何らかの能力があるようだ。能力者相手ですか。
それにしても3体10なんてしかもその中に不死身系の奴もいそうですねどうやって倒すのやら。
ジーザスさんはビリビリ系でジェラードさんはヒヤヒヤ系俺はなんでしょう。
ジーザス:くだらないこと言ってないでお前の力を見せろ。
アミル:はいはいと答えると丸く淡い色の食べ物を口に押し込み噛み砕いた。
その食べ物とはアスラの加護といいロマリア帝国が独自開発したもので人体に一定時間何らかの能力が現れるという物である。
アミル:うぉお体に熱いものが流れ込んでくる。
その言葉と共に1万の特殊十字兵が丸く淡い食べ物を噛み砕いた。
シャロー将軍:さぁー見せてみろ特殊十字兵1万よ敵を滅ぼせぇ!!!。
アスラの加護を受けた者は一瞬にして筋肉が膨張し鋼の強度を保ち一定時間固有の能力を持つ。
その中でも3人の力は特化している。皆はこの3人を称えこう呼ぶスリーワンオールと・・・。
アミル:弾けますかと叫び手から眩い光を出し握りつぶすと辺りに散らばり拡散すると爆発を繰り返す。
その光に飲まれた者は一瞬で石化した。
その痛恨の一撃で戦況は大きく変わった。
X剣士と部隊長を除く殆どがその光で敵味方なく石化したのだった。
モノクローム:ガードナーで防いでいなければあの光にやられていた。
アミル:へぇー奇襲作戦は失敗かさすが優秀な人材がいっぱいだなへへへ。
シャロー将軍:この馬鹿者が味方を巻き込むとは愚か者が。
今の一撃で我が隊も被害が出たぞ。
アミル:へへへすみません将軍
その頃右陣では左陣の光を見る暇なく屍の王レオルドと4人の黒剣士が攻防を続行していた。
ラスティーユ:我龍天声
ラスティーユは真っ赤な龍のガードナーを剣に纏い鋭い突きを放った。
龍のガードナーは吠えながらレオルドの剣にぶつかると凄い衝撃と電流が放射され近づく者らを感電させた。
続いてリリアが剣に燃える不死鳥のガードナーを纏いブレイブバードを放つと空気中の水分を蒸発させレオルドの右足に被弾した。
休むことなくレドは黒い烏のガードナーを体に纏いレオルドの頭上から数千の黒い羽根の矢を飛ばし
レオルドの体を貫いた。
続いてルシルダは青白い狼のガードナーを地面に同化させレオルドの体を滑らせ転がした。
休むことのない攻撃にレオルドは息を切らせ4人を見張った。
リリア:休ませるな行くぞ
その激しい攻撃にレオルドはついにブラッディ・アイを開眼させ4人の体を眼力で吹き飛ばす。
その隙に傷を回復させる闇の風を纏い楽しそうに笑った。
リリアが与えた火傷も、ラスティーユが与えた麻痺も、レドが与えた肉体への苦痛も、ルシルダが与えた凍傷も闇の風が一瞬で治癒しダメージは回復された。
そんな戦いが一時間も続いていた次第に4人に焦りが見える。
不死者で本気になったレオルドを倒す方法がないという事実にだ。
そんな中ラスティーユが叫ぶ。
ラスティーユ:奴のガードナーを破壊しなければまた同じだ。
レド:でもどうやって治癒能力を持ったガードナーを破壊するんだ。そんなの不可能だ。
ルシルダ:方法はあるはガードナーを凍結させ動きを遅らせその間に奴を殺す。
リリア:そもそもガードナーを破壊することなんてあっ!!奴もガードナーを所有しているなら体のどこかにエランダの碑石があるはずそれを破壊すれば奴はもう回復できない勝機見えた。
注意を引くから直ぐに実行だ。
レオルド:ふはははそんなことを昔にも考えた奴が多くいたが残念なことに俺の体全体にエランダの碑石が点在する俺の体は云わばガードナーと一体なのだ。
レド:畜生あいつを倒す方法はないのか。
その言葉に意を唱える男黒剣士バレルが肩に矢を受けながら苦しそうに言う。
バレル:ようやく追いついたそいつに弱点はまだあるこれを伝えに屍兵の群れから逃げてきたんだ。
ラスティーユ:バレル一体今までどこにいたんだその体大丈夫か。
バレルは息を整え言う。
バレル:はぁはぁはぁ屍兵の誕生の秘密を探っていてドジを踏んだ。そして大きな成果がった。
屍兵も不死者もこの世にいないってことがね。
ルシルダ:なんですって奴は不死身じゃないってこと!?
バレル:そう奴も僕らと同じ血の通った人間だ。ただ違う所はガードナーに治癒能力があるところだ。
その力で自分の寿命を延命してたのさ。
しかし不死者に近いということは事実だ。だが屍兵にも弱点はある頭と胴体を分離させればもう動けない。
だが恐ろしいことに奴はこの世の始まりから生きているという事実だ。神話の化け物なのだ。
ルシルダ:神話!?
レド:どういうことだ
バレル:僕達の始まりの物語に出てくる悲劇の王の息子だ。
黒い狼に騙され戦友を殺し王冠をかすめ取られた王の息子の話だよ。
そうお前は紅眷族の一人レオルド=バルバロスなんだろ。
この世を創造した紅眷族の一人だろ。
ルシルダ:紅眷族!!そんなそんな時代からこいつは生きてるってことありえないわ。
レオルド:そうさ俺が本当のこの大陸の王という事実は曲げられない。
礎の黒剣士アレイスを殺したのも俺だ。そして玉座に座る狼王ダークは俺を騙した卑しき人狼だ。
そんな昔のことはもうどうでもいいお前たちを殺して新たな国を創造すればいい。
純潔種だけが歩める世界の創設を邪魔させてたまるものか。
駄作のお前達も葬り去りこの世界に散らばる紅の血筋を持つ者を集め俺は新たな王となる。
ラスティーユ:そんなの知るかよお前にどんな理由があろうとも平和に暮らしている市民の命を奪うことは許されない。
この世界には色々な思惑があるだろうが、命とは掛け替えのない可能性を秘めて宝石のように輝いているんだ。笑顔を奪う奴は私が許さないよ。
というと片手に赤い電流をため龍衝打撃を拳から放ちレオルドの顔面を強打した。
後ろにのけ反るレオルドは片方の鼻の穴から鼻血をだし狂喜の表情に変わった。
頭からサラマンダーを漂わせ二刀に力を込める。
レド:全員でこいつを倒すぞ。
レオルド:嫌いだね全部ぶっ殺してやるよ。
特攻してくるレオルドにラスティーユは電流を纏った剣でレオルドの動きを一瞬麻痺させレドは空中に羽ばたき黒い羽根の矢を打つリリアは全身に炎を纏いレオルドの二刀を止めルシルダは口から白い息を吐き地面を凍らせた。
レオルドの体には深い傷が刻まれレオルドの体を癒そうとする黒い鬼のガードナーをルシルダは氷漬けにし氷月斬を放った。
青白い閃光が空気を凍りつかせレオルドの下半身に被弾した。
そして飛び上がったラスティーユが勢いよく剣に気を溜め龍衝旋空を打ちレオルドの首を胴体から切り離した。しかし蝙蝠人間のレムが空中から突如現れ敗れた主人の首を持ち去り曇り空に消えた。残された胴体は風に吹かれると泥となり崩れ落ちた。
レオルドの凍結された黒い鬼のガードナーは素早く駆け抜け主人の後を追った。
こうして右陣での戦いに区切りをつける頃大陸最強の黒騎士ジークフリードとブラッドロアの戦いは終わりを告げる。
それは一方的な暴力で決着がついたのだった。
見ればブラッドロアの足が鉛のように重くなり動きが鈍足になり誰もが遊んでいるように見えた。
蜂の巣にされたブラッドロアは地面に力なく倒れ後方から女将軍ロックマイヤーが現れる。
紅十字兵:おっぱい隊長失礼しました余りの感激につい
女将軍ロックマイアー:柔い男は役にたたずで嫌いだ。屍の王も負けてしまったようだしね。
そういうと4人の持つ剣が一瞬でフニャフニャになった。
私は来たからには大丈夫だ安心したまえ。男も女も関係ない全員骨抜きにしてやるよ。
私が触れた物は全てそうなるそれは私の美貌の力なのだと大きいおっぱいを揺らし言う。
ジークフリード:傭兵稼業もここまでだ後は任せたぞ。曲芸のロックマイアー女将軍殿。
ロックマイアーはブロンドの髪をかき上げそれに答えた。
リリア:一難去ってまた一難かよ。
ロックマイアー:さて私を楽しませてくれる奴はいるのやらね。
リリアは炎を纏い全身黒武装をした。
そしてロックマイアーに次々と攻撃するが的確に防御された。
一筋縄ではいかない攻防に焦りと疲れを見せたリリアは何時もの冷静さは欠けていた。
リリアは手に力を込め一刀を放つが剣の刃が折れ地面に刃先が突き刺さる。
リリア:しまった!!
ロックマイアー:自慢の剣が脆くなってたようねこの勝負私の勝ちねと剣をリリアの頭上から放つ。
その時だ大柄のガウディが身を挺してリリアを守った。
ガウディの体から鮮血が流れる。
ガウディ:間に合ってよかったぜだからあれほど武器の手入れをしろと言っていたんだ。と言い倒れた。
リリアは瞬間的に何が起きたのか理解できなかったが両目から大粒の涙が流れリリアは叫んでいた。
リリア:ガウディおいガウディ確りしろ
ガウディ:あぁ大丈夫だだが言わせてくれ自分の女でもない奴をそう簡単に抱けはしないぜ。
あんたは美しい俺には勿体ないくらいだぜ。
リリア:意味不明なこと言うな確りしろ。と涙を流しながら叫ぶ。
ガウディ:ははやっぱり覚えてないんだな俺あんまり目立った働きしてないもんな。後方支援ばっかりでお別れするのは残念だぜははは。この小隊気にっていたけどもう終わりだな。と首から血を吹き出し言う。
リリア:今焼いて止血するから待っていろガウディ死ぬなよ。
ロックマイアー:もういいかしら私無視されるの嫌いなのよね。そんなに大切な男なら守れなかった自分を責めるのね。と剣を振り上げる。
その時ラスティーユが後方から駆けつけその剣を止め言う。
ラスティーユ:ガウディをよくもリリアもう死んでる剣を取って戦えそれが仲間の弔いになるんだ。
リリア:いやだぁいやだいやだガウディは死んでないもん。
ロックマイアー:お前もその女のように闘志をフニャフニャのスパゲティーの麺みたいにしてやろうか。
心折れたリリアを後ろにルシルダが怒りの一撃を後方から放った。
青い斬撃がロックマイアーの体に被弾すると凍結した。
初めて見るルシルダの怒った顔にラスティーユは背筋が凍った。
ルシルダ:仲間をよくもリリア貴方も戦いなさいよ。悔しいなら戦えぇ!!。
その一言にリリアは我に返り赤い髪を炎に変え手から炎の剣を出しラスティーユごと吹き飛ばす斬撃を放った。
ラスティーユ:おいおいリリア暴走するなよ。
リリア:うるさいバカ!!死なないように避けてこの怒り止められない。
その女は私が確実に殺す。
ロックマイアー:おぉ怖い女の怒りはだけど素手で私を殺すの?。
リリア:そうよ今あみ出したネイルファイアーでねといい指から鋭い火の玉をだし一瞬でロックマイアーの頭を貫いた。
ロックマイアーは言葉を詰まらせ頭を炎の弾丸に貫かれその場に倒れた。
その頃中央から孤立したレイアースは一度後退しX剣士の凄い力を見ていた。
頑丈な作りの機械兵団をなぎ倒しアスラの加護を受けた特殊十字兵を寄せ付けなかった。
その中で忘却剣士アシュレーは特殊十字兵の顔面を鷲掴みにし自分が誰なのかを忘れさせ弾除けに使った。また暴走を続ける幼い女黒剣士ディアは眠り玉というシャボン玉を風に乗せ飛ばし弾けさせると敵を一瞬で眠らせた。
そんな混戦の中シャロー将軍が立ち上がった。
軍刀に怒りの炎を溜めた。それは戦場を全て焼き尽くす赤い虎型の炎の塊となって戦場全域を駆け抜けた。
赤い虎の顔が牙をむくとそこにいた全ての者にやけどを負わせるかに思えたが。
北方からようやく到着した獅子王イレイザの放った音響獅水と呼ばれる爆音を飛ばす技で赤い虎の波動を吹き飛ばした。
二人の大技交わった戦いが終わるとそれが合図となり一日目の激戦の終わりを告げた。