第30話、将軍黒剣士との出会いと世界最悪の男達
その頃大地に地震が起こる中、カリスとアクロスは逃げたナマズ髭のドンを追いかけ壊れた外壁をよじ登り外に出る。
カリス:見失ってしまったようだな。
アクロス:あの野郎デブの癖に足が速すぎるぜ。と地面に腰を下ろす。
その時だ一本の槍がアクロスの股先を掠めて突き刺さる。
カリスが鋭い眼光で軍馬に乗った大男を捉える。
その大柄の男は斬馬刀をカリスに向けて振り下ろすカリスは瞬時に誓いの剣ナックルブレードに蒼龍のガードナーを纏い振り下ろされた一刀を受け止めた。
手首と足に来る一刀だった。火花を散らせ誓いの剣ナックルブレードが悲鳴を上げる。
カリス:全身痺れて動けない。何という男だ。
それを見たアクロスは軍馬に乗った男を引きずり降ろそうと軍馬に飛び祈り大柄の男の脇に誓いの剣を差し込むが刃が通らない。
二人はひれ伏すように後ずさりして身構える。
大柄の男:ほぉ残兵にしてはなかなかやりおる。と手につける桜模様が描かれた黒い籠手でカリスとアクロスをスキャンし身元を確認した。黒い籠手を覆うバツ印を描く二つのリング黒い絆が淡い光を上げた
何とまぁ三爪の龍の黒剣士か蒼龍のカリス=グローバンに逆十字のアクロス下の名前がないということは
下級市民かふっと鼻で笑った。
お前達の身柄は我々夜桜隊が預かると大柄の男の後ろから手に桜模様が描かれた黒い籠手をした数百名の黒剣士が弓を構え私達を円形状に囲った。
大柄の男は言う。
大柄の男:賢い選択をしろカリスにアクロス。
ワシの名前だけでも覚えておいて損はない。八重の桜一門夜桜隊将軍黒剣士一弦という。
その頃マスター教会本部にX剣士らが各地から呼び集められていた。
眠り姫のディア:こんな遅くからお仕事の話ですかぁー一日眠っていて時差ボケが。
忘却剣士アシュレー:ディアの御守りも面倒だが殺しの案件だろう仕方ないことだ。とサングラスを鼻に手をかけ五老聖らの顔ぶれを見る。
五老聖ホースワン:招集をかけ集まった者達は二人だけか。X剣士も新たに変革しないといけないようだ。
まぁいい仕事の話をしよう。始末してもらいたい者のリストを配る。と二人の黒い絆にデーターを送る。
忘却剣士のアシュレー:データーを見ましたがまだ幼い黒剣士のようですね。
この者達を殺す理由を伺いたい。
ホースワン:そうだね眠気も冷めた頃だろうから言っておこう。
その者達二名が少し厄介な行動を見せている。
忘却剣士アシュレー:と言いますと?
五老聖ホースワン:ミッドタウン抗争は知っているな、あの抗争で貴族80名を惨殺され王が死ぬこととなった。
今ミッドタウンは平穏を奪われロウハン君の懸命な措置を受け生産率も回復している。
しかし負け犬の元王族を担ぎ上げ問題の二人は各地で仲間を集おうと画策しているのだよ。
マスター教会としては絶対に危険分子を見逃すことはできない。
お前達の実力は知っているから依頼することとなった。
眠り姫のディア:なんで私達がこの二人を?剣誓会システムでハグレ剣士にすればいいじゃん。
五老聖レイフォース:それができないからお前達に頼むんだよ大ばか者が。と一喝する。
ディアは眠たい眼をこすりながら何も言い返せない。
五老聖の一人が低い声でディアを宥める。
その男の体には真っ黒い赤眼の龍が巻き付き眠たそうなディアの体にゆっくりと黒龍を這わせた。
五老聖での一人真っ黒な男:眼が覚めたかいディア・・・
その声に向かい側の席に座る五老聖の女が笑う。
五老聖レイフォース:幻影にヴァイシス二人ともやめな大事な話の最中だ。
その声に二人が静かにガードナーを自分の体内に納める。
二人のふざけた態度に力強い声がする。アシュレーはサングラス越しから身長二メートルの巨人のような男を見る。
大陸最強の硬度な体を持った男で五老聖を事実上統括する男である。
ホースワン:危険男が眼を覚ました暴れる前にディア直ぐに眠らせろ。
ディアは淡いシャボン玉を直ぐに放ち大陸最強の硬度を持った男の意識を失わさせた。
その男はテーブルに頭を打ち付けながら男は眠りに落ちた。
レイフォース:ふぅー危ない1000年に一度の大震災が起こる所だった。
こいつは性欲に敏感に反応するからな。抱き殺した女の数は計り知れない魔物だ。
だがこいつを殺せる者は誰もいない・・・。
幻影:そんな事より仕事の話に映ろう。三爪の龍頭首カリス=グローバンとその一味が力をつける前に葬ってくれ。以上五老聖会議を終了する。
忘却剣士アシュレー:この子供のように眠っている男が事実上大陸最強の黒剣士ガイアか・・・
全ての刃が通らないし血は数千度の熱さで全てを蒸発させる。
1000年は生きていると言われている。だがこの方を解き放つことができたら面白いだろうな。
とスヤスヤ眠り続けるガイアの幼い寝顔を見ながらマスター教会本部の階段を登って行った。
ミッドタウンの夜景を眼にしたアシュレーはサングラスを外して真っ赤な眼で辺りを見渡した。
すると後ろから陽気な女、眠り姫ディアがアシュレーの黒いローブの裾を小さな手で握る。
眠り姫ディア:これから仕事と思うとなんか嫌だな。
忘却剣士アシュレー:心配するな汚れ仕事は私が引き受ける。お前は殺す者にいい夢を提供すればいいだけだ。血で染まるのは私の誓いの剣だけでいい。と鼻にサングラスを一本指で押し上げ言う。
眠り姫ディア:私と同世代の黒剣士を殺すのか・・・カリス=グローバンか・・・。
忘却剣士アシュレー:同世代だが王に認められた剣聖という称号を持った子供らしい。
眠り姫ディア:剣聖かぁーそんな人を殺す事になるなんて
忘却剣士アシュレー:仕方がない邪魔な者は消す。それが黒剣士の掟でもある。
眠り姫ディア:そうだね手傷を負わずに戦えればいいけど・・・と用意された黒いボディーのバイクに乗りながら言う。
忘却剣士アシュレー:黒い絆の発信機で居場所は特定できる。花の都にいるようだ。
眠り姫ディア:花の都か散る運命ならそこがベストだね。と左ハンドルを回し眼にゴーグルを装着してアクセルを吹かせた。
一方カリスとアクロスは夜桜隊に連行された。
夜桜舞:またお会いしましたね。随分と逞しくなられて今では王家が誇る剣聖までとは。
でも貴方の師匠が果たしたことが功績と言っていいでしょう。
今ミッドタウンはここと同じ平穏な空気になっています。
カリス:夜桜様・・・・
夜桜舞:泣きたくなる気持ちも分かります。泣いてはだめですよ。
私も責任を感じています。しかし今はそれが問題ではないのです。花の都が人喰い連中の土壌になろうとしています。
私達総勢800人を動員して戦っていますが中々手強い輩です。
綿菊:戻ったぞ花の都全体にタンポポを咲かせてきた。あれが都市国家全土に綿毛を飛ばせば後は楽勝に人喰い連中をかたづけられる。
綿菊と呼ばれた女黒剣士は金髪の髪にタンポポの花飾りをした小柄な黒剣士である。
体には赤黒い甲冑を纏い左手には桜模様の黒い籠手をしている。
体からは微弱な黄色いオーラの丸い粒が煌めいている。
夜桜舞:綿菊さん、夜桜隊皆さまご苦労様でした。
今日は宴会気分で行きましょう。戦闘で失った仲間の弔いを込めて・・・。
夜宴会の席上で一弦将軍と綿菊さんの武勇伝を聞かされる。
一弦将軍:皆は信じないだろうが下着を履いた魚人がいたんだ。それも女の方は何を血迷ったか黒のガーターを履いておった。ワシは眼を点にして悍ましい光景を見て引き下がりそうになった。
だがここは斬り込んだワシが悪い。
しかも顔を見るとワシの美的センスではイケてない魚顔姿、わしは余りの不似合いな姿にご婦人と夫魚人を斬り捨ててやったわと酒をガンガン飲みながら愉快に語る。
まことに不愉快な出来事であった。
そのどさくさに紛れて魚人がわしの尻に三又槍をついてくる。
その後が今も残っておるわ。見せはしないがな。
綿菊は思い返し咳き込み言う。
綿菊:確かにあれは異常な姿でした。斬り込んだ私も言うのは何ですが壁に卵がびっしりと植え付けられ気色悪い部屋で何をしていたのでしょうね。と軽く笑った。
アクロス:それで市民を食い漁る人喰い連中って一体どんな輩なんでしょうか。
一弦:あいつらと抗争しだして8年になる。ここら辺の農村出身者らの陳情でわしら夜桜隊が派遣された。
酷い有様だ村一個が壊滅状態だった。
綺麗さっぱり家畜から何まで食べられて村は廃墟となっていた。
調査を進めるに連れ通称大喰らいという口が大きく白いオタマジャクシのような体の魚人が指揮する組織が浮かび上がった。あんな気色の悪い奴はわしは初めて見てびっくりした。
あいつは何でも鋭い牙で噛み砕き人を食らう化け物だ。
あんな化け物がどこから現れたのか不思議だ。
綿菊:しかも奴は剣で斬ることができない。体にはねばねばした粘液があるから。
カリス:刃が通らない粘液か初めてのケースですね。
一弦:さぁーそんな話よりお前さんらどこに向かって旅をしているんだ。
三爪の龍の話は聞いているが余りいい噂は聞かないな。
カリス:いや皆元気そうですよ。
綿菊:そうかい北の荒れ果てた古城まで連行され今では処分が下った王の御守り役だ。
三爪の龍を造った張本人は投獄されいつ出てくるかもわからない。
一体どうやっていくつもりなんだい?。
カリス:姉さんをどうにかして助けるつもりです。それには仲間が足りない。
一弦:そんなバカな真似はするな。ディアバールの地下牢の守りは完璧だ。
人数集めた所で助け出すだけで黒剣士の称号を剥奪されかれない。
アクロス:絶対師匠を助けたい。僕を救ってくれた師匠を・・・と拳を固める。
綿菊:なんの相談もしないで勝手に王を切り伏せた女を助ける価値はないと思う。
カリス:姉さんを助けることは絶対です。それと同時に三爪の龍も大きくしていきます。
一弦:決意は固いようだな。まぁ今日は気を張りつめないで飲んでいけ。
カリス:少し聞きたいのですが人喰い連中は狗龍会と関係があるのではないのですか?。
夜桜舞:狗龍会は花の都には存在しません。ミッドタウンの統一抗争で敗れたきり影を忍ばせています。
それより800人態勢で襲われていない村々を警護をお願いします。
必ずや人喰い連中を残らず捕えて目的を聞き出してください。後は皆さま宴会の席ですので楽しんでください。私は少し席を外します。
アクロス:これからどうしよう。師匠も助け出さないといけないし。仲間も集めないといけないし。
ロウハン様主導の四魂会も幅を利かせてきたし僕達は追い詰められてばかりだ。
カリス:そういうなアクロス私だって不利な状況化だと思う。と頬を赤らめ酒に酔い灯籠が流れる川をふと見下ろす。
カリスの眼の先には亡くなった黒剣士に敬意を払い市民が皆で灯籠流しを行っていた。
その灯がどことなく寂しげで人喰い連中に困り果てた市民の思いが集う。
カリス:私達はいつまで戦わなければならないのだろう?。と天井を仰ぐ。
狗龍会傘下の人喰いを集めた集団がカリスらの追走から逃れたナマズ髭のドンを見下ろす。
ナマズ髭のドンは花の都支部狗龍会総帥の死に花の狂彗から蹴り上げられ売上金を要求されていた。
狂彗:お前に賭博場を任せたのが間違えだった大喰らいの奴からも指摘があった所だ。
お前はいつも俺に面倒をかけるなぁー。黒剣士のガキ二人に何を怯えて逃げてきやがると胸倉を掴まれ黄色い眼で睨まれる。
ナマズ髭のドン:狂彗のお頭すみません。と怯える。
狂彗:三本刀らを派遣して売上金を回収するぞ。大喰らいの奴らの飯も調達しなきゃならん。
ここら一体の女は浚って食い漁った。
次はミッドタウンに侵攻しようと思っているあそこは上玉の宝庫だ。
ナマズ髭のドン:お頭三本刀の連中を集めるのですか。
狂彗:あぁそうさ舐められたままでは示しがつかない。上の連中も大喰らいの腹の空かせようにご立腹だ。
それに狗龍会の大幹部一人が四魂会のロウハンという黒剣士に破れたって聞いたぜ。
情けない天下の狗龍会の一総帥がだぞ考えられるか?。
ナマズ髭のドン:四魂会ですか聞いたことない組織ですね。
狂彗:雑魚を集めて作られた国家の組織らしいがな。あの獣の源三が面割られて死んだんだ。
こちらも報復として何か弔う形になるな。俺は5万の頭目死に花の狂彗だぞ。
そして狗龍会の総帥の一人だ。獣の源三とは意見は合わなかったがな。
花の都は俺達のモノだぞ誰が意見する奴はいるか?源三が死んだからには土壌を広げる。
皆覚悟はあるだろうな。新参者のロウハンなんかに土壌を奪われてたまるか。
それに引き換えお前の無様さはなんだ?。とナマズ髭のドンを蹴り上げる。
売上金を置いてきたことに狂彗は機嫌が悪いようだ。
それと同時に大喰らいの連中の要求も重なりさらに機嫌が悪い狂彗であった。
大喰らいの金払いが途絶えたら俺達の稼ぎも減る。俺達は調達だけが仕事じゃないんだ。
賭博場を黒剣士風情に荒らされたらお返しするまでだ。それにお前の職務怠慢も鼻につく。とナマズ髭のドンの喉元を持ち上げて投げ飛ばした。
小銭拾う程度の稼ぎしか稼がねぇお前の処分は追って伝えるとして剣誓会の夜桜隊が盾突いてきやがる。あいつらは武闘派揃いださてどうする。
三味線弾いてる場合じゃねぇぞと三本刀の一人梅雨神楽に怒りを飛ばす。
狂彗に声をかけられた三本刀の一人梅雨神楽が三味線を弾くのをやめ言う。
梅雨神楽は真っ白い顔に鼻筋が通った男で白い振袖を纏い腰から青い紐がついた刀を下げている。
梅雨神楽は三味線を石畳に置くとなまくらな声で言う。
梅雨神楽:雑魚に賭博場なんかお任せるからダメなのさ。雑魚は雑魚なりに考えているんだろうがね。
ナマズ髭のドン:確かに俺はダメな魚人さだけどあんたに馬鹿にされることはない。と怒りを表し梅雨神楽に盾突く。
梅雨神楽:雑魚が言うようになったねぇー。
ナマズ髭のドン:俺は雑魚じゃねぇカマやろう。
梅雨神楽:私はカマじゃねぇー好きでこんな容姿をしてるんじゃないしお前より腕は立つ。
狂彗:まぁ二人で言い合いしていてくれ変人の域には踏み入れないしな。と怒りを下げ一人どこかに行く。
俺は人喰らいの連中と交渉してくる。お前達二人で黒剣士のガキを始末して来い。
人数が足りないようならばこっちから動かすが。
梅雨神楽:そうだねぇー500もあれば売上金回収はできるだろう。この雑魚の働きにもよるがねぇー。
ナマズ髭のドン:だから俺は雑魚じゃねぇーただの魚人生まれなだけだ。お前より男らしいさ。
梅雨神楽:ほんと男のもんついてるのかねぇー。ちじみ上がってんじゃないの。
ナマズ髭のドン:今度は俺の体の事まで馬鹿にしやがって怒ったぞ分かったそこまで言うなら売上金回収してやる。三本刀がなんだって言うんだ。
梅雨神楽:そうかいお一人で頑張って頂戴なぁー。と軽く手を振る。
狂彗:ドン明日までにはかたをつけろよ。お前に500人を任せる。
それだけあれば売上金を運べるだろう。後は華の貴族と人喰らいと交渉を進める。
後の三本刀二人にも声をかけろ。夜桜隊が街を騒がせる前にな。
それと人喰らいの連中に嘗め回されておかしくなった女どもの最終処分場も改築しなくてはならない始末だ。俺を鬼畜と呼ぶ奴もいるしなその始末もつけなくてはならない。
俺を衰弱しさせる気か5万の頭目の俺を・・・。
あぁー面倒な案件ばかり俺に持ってきやがる。一体いつになったら気に入った女ができるって言うんだ。
人喰らいの連中にドン聞いてくれ。
梅雨神楽:花の都の女はいい値打ちで売れるからしょうがないさぁー。となまくらな声で言う。
狂彗:女女ってどいつもこいつも甘えやがって俺に休みはないのかと不満を漏らす。
面がいい女、きたてがいい女、感度がいい女どれもこれも用意できるかって言うんだよ。
それを探し回って俺達は利益を貰うまでに本当にくたばるんじゃないのか。
5万の子分を食わせるのに俺は必死さ。お前の失態を俺はまた代償を払うのかと叩きやすそうなドンの頭を睨んだ。
こうして翌朝を迎え夜桜隊との攻防は始まりを迎える。




