第27話、自分らに突き付けられた代償
王都の小高い丘に上がり南の茨に囲まれた大地の夕焼けを見ながら読書を終えた。
大きな茨の影には古城や遺跡が見える大地が陰るとそれも不思議と消えていく。
そんな黄昏を見ながら私は他の要塞都市へと眼を向けた。
二年が経過した。ここに長く居座ると何だか心が死んでいくように思えた。
姉さんと出合った頃が懐かしく思える。長く暇な時間がただ過ぎていくそんな感じだ。
だが寂しくても王都なのだから王の意向を他の地へ運ぶため私は今日正門の前に止まる自家用車へと向かう。
そして歩みを止め剣聖の証を握りしめ告げる。
カリス:ロマリア帝国の外交官アベル殿と交流を深めるため少しの間王都を離れます。
私は不在なため義弟アクロスらに全て任せます。お許しください。
精王フレイ:旅をしてきなさい。そして何か得る物があればそれはそれでいいことです。
私達を重荷に感じることはない。だけど生きて戻ってきてください。そう告げると首から下げる剣聖の証から手を放した。
アクロス:大分仕事も終わったが行くのかカリス姉さん。
カリス:外に出て色々な人と交流を深めてくる。闇の仕事もまたするだろうがな。
二人のやり取りに駆けつけたメロスディーテが別れ際言う。
メロスディーテ:お前はまだ若い色々見てくるのも勉強になるだろう。それまで三爪の龍は私が引き継ぐ。
負い目など感じず安心して旅をしろ。遠く離れてもこの黒い絆と誓いの剣がある限り心はいつも一つだ。
寂しくなればいつでもかけてくれ。
ロウハンには苦渋を舐めさせられたが私は必ず復讐したいと思っている。
ラスティーユの馬鹿も当分は出てこない。奴の残念がる顔を見たくないから私は責務を果たすつもりだ。
王主導の世の中を造るため尽力する。お前にはもっと力をつけてもらうため外の空気を吸って来い。
アクロスお前もだ。一人で行かず二人で行け。この地を繁栄させるため多くの考えと仲間がいるそれを探す旅に出ろ。ここは極寒のような寒さだ早く行け。
カリス:自分の本当にしたいことを見つけてきます。押し付けがましいですが三爪の龍をお願いします。
アクロスも一例してブラックボディーの戦闘装備したバイクにそれぞれ跨った。
二人の旅立ちを見ながらメロスディーテは言う。
メロスディーテ:旅立ちを見てこんなにも切なくなるとは。
グリム:現状打開するには仕方ないですよ。
バレリア:静かに見送りましょう。
二人はバイクで走り去るミッドタウンの高い塀を迂回して舗装された道を風を浴びながら走る。
焼け落ち崩れたクリスタルバレルの山塔を見上げる頃夜を迎える。
カリス:今日はここに宿を構えよう。
アクロス:えっ野宿ですか
カリス:そうだ一睡し燃料を入れたら三つ国を目指して進む。
いい人材がいれば登用し連れ帰る。できれば長居してじっくり見学しようと思う。
アクロス:三つ国ははっきり言って田舎です。全然発展途上の兆しがない国です。
黒剣士なんて全くいない国です。何があるか分かりませんよ。
青い眼の人が暮らしたり蛇の眼の人が暮らしたり狐の眼の人が暮らしている所です。
今は平穏を保っています。
独自政権なのでこちらの通貨は一切受け付けてくれませんしね。
共通紙幣は金と銀くらいですよ。
姉さん今更だがそこで働いてみる気ですか。
カリス:そこは何とかするが同士を集めたい。黒剣士には持っていない力もあると聞いている。
私も組織を率いる立場にあるその人達から何か学べればいいかと思う。
何故そこに黒剣士らは介入しないのかも気になるしな。王の意向も知らせたい。
アベル大臣もそこに滞在しているということも聞いている。神話の生き証人だどんな人物か気になる。
私は幅広い分野の人と出合い交流を深めたいからな。
三つ国にはうまい物が溢れている聞くしな,いい気晴らしになればいいかと思う。
そういう会話をしクリスタルバレルの焼け落ちた塔を見上げバイクを押し進める。
建築中の街並みに忙しく働く人たちを見ながらガソリンスタンドで燃料を入れバイクの点検をしてもらう。
カリス:第三王都まで行く道はこれで合っているか?と店員を呼び止め言う。
どこぞの店員:黒剣士様この真っ直ぐつながる街道を西にずっと進めば第三王都花の都ダズリーペシャワールです。
カリス:そうかありがとうそれでここの街でバイク整備をしてくれる店はないか?。
どこぞの店員:はいあります。そこの角を曲がった所に頑固な整備士の親父がいます。
アクロス:カリスやっぱり格安の宿に泊まろう。ここら辺のやぶ蚊に刺されたら病気になるらしいからさ。
黒い絆の情報だ。病気したら元も子もない。
カリス:資金提供は三爪の龍から受けるが少額だ。この街にはあまりいい思い出がない。
正直長居はしたくない。王から技術提供を受けた最新技術も使いたい。
黒い絆で空間輸送されているはずだアクロスも使え。
アクロスは手首にする黒い絆を操作し青い炎を黒い絆から召喚した。
眠り火という名の青い炎を見つめると何だか頭がぼんやりした。
アクロスは首を振り我に返り眠り火を黒い絆に装着した。
アクロス:それで暖かいベットで眠りたい。頼むぅー。
カリス:だが食事は余り期待するな。クリスタルバレルの食事は嫌というほどまずい。
私が実感した頃には最悪だ。幼いとき嫌というほど薄味のスープを飲まされた記憶しかない。
生産量の低迷かが続く街だ。重労働の人達とほぼ同じものしか食べられない。
一見豪華な街に見えるがな。と店員の額に黒い絆を翳し周辺の道情報を記憶した。
店員から街並みや道の記憶を抜き出した。
黒い絆は淡く緑色に光り店員はぼやっとした表情を浮かべる。
アクロス:毎回思うが道を聞いた人の記憶を吸い取るなんて危なくないか。その人に害はないのだろうか。
カリス:大丈夫だろう黒剣士の技術は高い。この人も私達の事を忘れている。と手から青い炎の眠り火を出し私達と会った記憶を消した。
アクロス:この人に黒い絆で受け渡された王の最新技術を使うのか。
カリス:すまないが実験体にしてみたかった。眠り火の効力は凄い。
眠り火を受けたどこぞの店員は虚ろな目で私達を見て記憶を忘れて歩き出した。
しばらく見ているとやる気を出したように仕事に戻った。
アクロス:おいカリス一体眠り火であの人に何をしたんだ。
カリス:眠り火で大金が入ったように思わせたポケットに銀貨数枚を入れておいた。
気づくか分からないがほんの気持ちだ。あんな友好的な人をこれから大事にしていこうと思う。
それが三爪の龍の流儀になる。優しい人には施しをあげ悪人には厳しく取り立てる。
剣誓会の傘下に入ってないがロウハン様と同じ意志を継いでいる。
だがマスター教会派と王道派に分かれただけだ。互いの道はやがて交差するだろうが。
悲しい道は選びたくない。と手から眠り火の青い炎を揺らめかせ握り潰した。
結構余力を使うな少し疲れたアクロスはその辺で食事をしろ。と銀貨三枚を投げカリスは宿を探し歩いた。
アクロスは投げ渡された銀貨三枚を受け取り残したバイクを手で押し整備施設に向かった。
カリスと別れたアクロスは重たいバイクに乗り整備施設に入った。
整備施設は思い描いたような施設じゃなく。古びた家屋に整備したてのバイクが数台並び。
頭の上から吊るされる設備器具が並ぶ。部屋の並びにはごちゃごちゃと金属金具が揃えられる。
地面にはオイルの臭いとナットが転がり汚らしい。
その設備施設には一人の白髪交じりの短髪をした親父が忙しそうに仕事を進める。
アクロスはそれを見て親父に声をかける。
アクロス:バイクの整備をお願いしたい燃料代金は後払いで三爪の龍につけてください。
頑固な整備士の親父はレンチでネジを回しぎらついた眼で僕を見るという。
整備士の親父:あのたらか汚れの王を倒した黒剣士集団は燃料代は安くしとくぜ。
まぁ市民のため頑張りな。そう言い残すと油まみれの作業着の姿で奥に消えた。
アクロスは少し胸の中で安堵が広がり胸を撫で下ろす。
アクロス:僕達の成したことが市民に広がっているのか。と銀貨を握りしめレストラン街に向かった。
一方カリスは眠り火を出し入れしながら悪人を探し歩いた。
道行く路地裏や街角を探索して歩く。
カリス:ふーんこの街は戦争で焼け浮浪者が多いな。ここを指揮する剣誓会事務所にでも挨拶してくるか。確かここは四魂会のリリア様がいるはずだ。
四魂会不死鳥派事務所はビル三階建てで外壁に赤く羽を広げ羽ばたく不死鳥の絵がある。
カリスはクリスタルバレルの高いビルを見上げ一際目立つ四魂会不死鳥派事務所のビルの階段を登った。
階段の手すりに手を添え上がっていくとガラスドアの向こうに黒剣士らの声が聞こえる。
それを覗くとリリアとジャネットという片目に眼帯をした男黒剣士がどちらが強いか腕相撲をしていた。
ジャネット:うぉおぉ
リリア:うぉおお
二人の右手には血管が浮き出しリリアが優勢を保つ。
考えるとリリアも混合種の血筋を引いている。一方ジャネットという男は初めて会うから分からない。
ジャネットは髭面の青年黒剣士だが不死鳥派の幹部である。
直狗龍会との紛争戦には参加辞退していたと聞く。
ジャネット:俺だって男だ病欠で辞退していたが小娘には負けるかぁーと腕に力をいれる。
リリア:そんじょそこらの親父黒剣士に負けては女気ある私の立場がない負けるかぁー。
二人は赤いオーラから覇気を飛ばし窓ガラスを何回も殴打する。
周りにいる幹部の黒剣士らは呆れた顔でワインレッドのソファーに座りテレビを見ている。
お菓子を食べながら二人の男黒剣士に挟まれ小柄な女黒剣士が仲良くテレビ中継を見てはしゃぐ。
トイレからは体調悪そうな男黒剣士が二人の熱い死闘を見ながら項垂れる。
トイレから出てきた黒剣士:最近体調が悪いもう病院に行こうかな。
いいですね皆遊んでいて。
リリア:ふぅー100戦10敗だね。やっぱり混合種には勝てないようですねジャネット。
ジャネット:くそぉー全身黒武装なんてできるか。あれを使われたら鋼鉄の拳になって力では押し負ける。
全身黒武装と覇気なしじゃ私が勝つがな。
リリア:人を殺した数と場数が違う勉強不足だなジャネットさん。
おぉ便所の住人ベルファスどうだ調子は?
ベルファス:はぁー昨日の魚料理が当たったようで少し体調が悪い。すみませんがお腹が痛いので黒剣士の仕事休みますお疲れでした。
小柄な黒剣士:はーいベルファスお疲れさまちっ。
ジャネット:挨拶はいいから娘よ。学校行きなさい。
ジャネットの娘ロジーナ:うるさいなここが勉強場なんだと髭親父。
ジャネット:クソ生意気な娘に育ったようだ。お前達の性だぞラクスとディアスと怒鳴り散らす。
その声に幹部のラクスディアスは高笑いしながらバカうけでテレビ中継を見る。
ジャネット:今の若い奴らは全く人の話を聞かん実力行使だなと刃を抜きディアスとラクスに斬りかかる。
それを見たカリスが慌ててジャネットを静止し止める。
ラスクとディアスは不死鳥の覇気でその刃を止め二人はカリスを見つめた。
カリス:幹部候補生をそうやってやたらと武器を振り下ろすなどあってはならないことです。
ラスク:三爪の龍のカリスさんだ。
糸目のディアスはジャネットの振り下ろした刃を覇気で押し返しカリスに握手を求める。
ディアス:英雄のお弟子様だ。握手してください。と白い歯を見せ笑う。
ジャネット:英雄がこんな奴らと握手するな。それと背中に胸が当たっているぞ直ぐに私から離れてくれ。
私には一人娘と愛する妻がいるんだ。と冗談を言う。
固い背中のジャネットの赤くなる顔を笑ってカリスはそっとジャネットから離れジャネットの一人娘ロジーナを見つめる。
黒いニット帽に明るい表情の黒剣士見習いの少女を見て一瞬昔の私と照らし合わせる。
昔の光景が残像のようにビリビリと映写され一瞬眼を反らす。
戦争で親を亡くし悲しかった私と皆と幸せに過ごすロジーナを羨ましく思う。
澄ました顔から一瞬笑みが零れるがロジーナの笑みに安堵の笑みが戻る。
小さいロジーナを全身で包み込みハグすると背中に背負う小さなロジーナの誓いの剣が揺れる。
カリス:こんな12歳くらいの子でも練習用の誓いの剣を持つのか。と谷間から七色の剣聖の証が零れるとロジーナはその輝かしい宝石に心を奪われる。
ロジーナ:うわぁ綺麗な宝石見たことない輝き綺麗だなそれなんですか。
それを見たジャネットが声を失い言う。
ジャネット:剣聖の証だぁその歳で王に認められたのか凄い初めてお目にかかる。
ロジーナ:えぇこの綺麗なペンダントが剣聖の証じゃぁこの人剣聖なの。
カリス:これは預かり物です本当の所有者は師匠のラスティーユですと剣聖の証を握りしめる。
リリアはそれを見て頷き言う。
リリア:そいつは出鱈目黒剣士ラスティーユの忘れ形見三爪の龍の頭首剣聖のカリス=グローバンという黒剣士だ。四魂会不死鳥派黒剣士のこの私と五分を張るくらいの戦闘技術がある。
そのくらい凄い奴なんだ。まぁ師匠の方は大罪人の出鱈目女だがな。
可哀想にロウハン様から見放され今牢獄にいる。だが奴のおかげで今があるいつ出所するのか・・・。
ジャネット:そう悪く言うな汚れの王を倒した英雄だぞ。素晴らしい方だ。と腕を組み頷く。
ロジーナ:ジャネットパパは会ったことあるのその人に。
ジャネット:残念ながらあったことはない。だが勇ましい人だパパは足元にも及ばない。
ロジーナ:でもリリアと同格なんでしょ。パパなら超えれるんじゃ。
リリア:心配するな三爪の龍は大した組織じゃない。ジャネットパパの方が偉いんだよ。
カリス:私も仲間同志を求めて旅をし始めたのですよ。
小さい組織ですがよろしくねお嬢さんと抱き放し頭を軽く叩いた。
リリア:それで何の用だカリス。
カリス:この街の復興の願いとあいさつに参りました。
リリア:まぁかけたまえ。
リリアは光沢のある革のソファーに座り腕を組む。
リリアはどうぞと言わんばかりにカリスを革のソファーに誘った。カリスは頑なに軽く返事をしガラステーブルの置かれた反対側の革のソファーに腰かけた。
リリア:さてとこの都市の名産のコーヒーでもいかがかな。とカリスにコーヒーを進めた。
左目に眼帯をした髭ずらのジャネットが台所から都市の名産のコーヒーを娘に持ってくるように言う。
ロジーナは自慢げに返事をし素早く都市の名産であるコーヒを入れるとどうぞと呟く。
部屋の空気清浄器が激しく音を立てる中リリアとの会話が始まる。
リリア:これからどうするつもりなんだ。剣誓会の傘下に加わらずやっていけるのか。と心配するようにロジーナから差し出された温いコーヒを啜る。
カリス:今から各都市の貿易商と会い王への貢ぎ物を売る算段をつけ資金を集め王都復興を目指していくつもりです。各都市で仲間を集い。組織を大きくしていくつもりです。
リリア:それはいいが私達と一戦でも交えるつもりでいるのだろうか。
カリス:そうですね。争ってばかりでは話は前進しないので。とロジーナからコーヒーカップを渡され静かにガラステーブルに置く。
リリア:一つ聞く三爪の龍は大まかにどんな組織にするのだろうか。
弱体した王を立てて争う姿勢もない。私には正直不思議だ。
お前の師匠は馬鹿だから言うが王を守る組織など今更立てても意味をなさない。
市民の眼は今戦争で負けた王に興味はないのだから。
私達剣誓会は貴族をつるし上げるので必死な状態だ弱小のお前達が立ち向かおうとも簡単に潰せる。
王など必要ない時代なのにお前達は王家の資産でも狙っているのか。
頼むから過激な行動はやめておけよ。と怖い顔をし釘を刺す。
私達剣誓会はこれから発展した南に勢力を伸ばす。お前達は荒地の北の拠点に何を求めるのかな。
それとも空白の大陸と呼ばれる茨に囲まれた大陸にでも切り開いていくつもりか。
カリス:荒地でも第一第二王都はありますからそこで王ともに基盤を造ります。
ジャネット:そんな大役下りて俺達と来ないかもともとお前の師匠がしたことだろ。
カリスさんには責任は何もない。力を持ちすぎるとロウハンもマスター教会も疎む結果は見えている。
どうせ俺達は争い好きな戦闘民族の血が流れているんだ。王家の大金目当てに必ず争いは起こると思う。絶対に苦しんでいく。
ロウハンの事だカリスさんの折角集めた資金や人材をかすめ取ると思う。
そういう奴なんだよあいつは。
それに王は危ない連中なんだ人より優れた力を未だに所有しているし危険視したマスター教会が孤立させたんだよ。それを理解しての行動なんだろうね。
リリア:それに三爪の龍を除きユー大陸に広がる自分勝手に作った弱小の組織も叩いていかないといけないし貴族連中も排除して行かないといけない。
そんな中マスター教会も何をあてがってお前に王を押し付けるのか。
北の寂しい大地でも開拓させる気なのか。お前にそんな大役を任せて可哀想に。
最後に絶対師匠を選び間違えたというだろうにな。
カリス:また第一王都で王を要に最初から初めていきます。あんな守りもない寂れたディアバールには王を置いてはいられない。
リリア:それにはマスター教会に大金を積まなければならない。
何故なら王を安全に運び出すため承諾と護送車もいる。罪人みたいな扱いだが仕方ないだろう。
当然ながら私にその役目を請け負わせたいのだろ。
カリス:はい信用できる人がいないもので。
リリア:分かった私が厳選した人材を送っておこう。マスター教会には電話一本で知らせておく。
ジャネット:大金積んでマスター教会の五老聖らが簡単に二つ返事で同意してくれるのか。
王を負い目にやった連中だぞ。リリア何かいい作戦はあるのか。
リリア:ここはロウハン様に恩を売ったお返しを頂こう。
幹部しか五老聖の居場所を知らないわけだから。
ロジーナ:姿形もあの人らは自在に変えられるからなぁー。
カリス:お願いします。
一方ロウハンはリリアから電話を受け不機嫌になる。
ロウハン:王の護送そんなの認められるわけないだろ。王の居場所をコロコロ変えられるか。
リリア:王の幸せを考慮して頂きたい。ディアバールは不衛生な場所なんですよ。
あんな所に追いやられては王の威厳がない。王家だって必要な人材生き物なんですよ。
ロウハン:不衛生な都市でも何不自由ない暮らしをしておいて今度は軍隊でも作る気か正気の沙汰とは思えない。
王のわがままを一々聞いてられるか。
リリア:王のわがままではありません三爪の龍の意見です。五老聖にそうお伝えください。
ロウハン様しか回線番号を知らないのですから。
ロウハン:俺に王の問題をここで押し付けるのか。分かったとしばらく黙り込み電話を切った。
あぁ声も聞きたくない連中と話すのか嫌だなぁー辛いなぁー。とホースワンの回線に黒い絆で通信する。
ホースワン:なんだねロウハン君、君から僕に連絡するとは何か急用かね?。
ロウハン:王家の使用人らからの苦情でかけました。
ロウハンは頭を振りながら黒い絆越しに長々と経緯をホースワンに語った。
ホースワン:それでそんな連中に王を任せたのかね。
私達に王達の不満を解決しろと言うのかね。その三爪の龍とかいう新しい組織が剣誓会の傘下に入らず身勝手に王を先導し王一人の首を華麗に跳ね飛ばし狗龍会の一部分を排除したという経緯でいいんだね。そもそも三爪の龍を組織と認めたのは誰なのかね。
王を一人殺し他の王を支配下にでも置いているのかね。非常に危険な連中と思えるのは私だけか。
ロウハン少し考えてくれよ剣誓会は醜悪な連中を見逃すのかね。
そもそも身勝手な組織が多い中それを排除するため剣誓会があるのではないのか。
君の命を助けてくれたが三爪の龍はよくよく言えば王家を利用した夜盗集団と変わらない。
君はそんな組織を打倒するために集められた一人の人間だろ。
剣誓会の原本は種族の隔たりを捨て交流を深め悪を裁く立場にある。
君は王の使用人と偽り成らされた組織を許すのかね。
この現代において王の莫大な資金を狙う者も数多い。黒剣士だろうが悪に染まれば排除しなけらばならない。
ロウハン:しかし王を担う組織も必要かと思いますが。
ホースワン:よく考えてくれ王一人を無情にも殺害しているそんな連中だぞ。
代替わりしても剣誓会の傘下に属さない組織など認められはしない。
ロウハン:それなりの代価は払うつもりです。私が認めた者達です。王を担ってマスター教会には迷惑はかけないと思われます。
ホースワン:そんなに王を慕うなら夜盗風情の三爪の龍を消そう。剣誓会に属さない黒剣士などいらない。この世の中何を考えたのか色々な組織が多すぎる。
折角黒剣士が謳歌する時代が来たのに王家に仕えた黒剣士が未だにいるとは。
王家直属の護衛黒剣士を闇に葬った事実を蒸し返す連中がいることが鼻につく。
三爪の龍はそのことに感づいているのか?
ロウハン:いえ知りません。五老聖らマスター教会は王をどうするおつもりで。
ホースワン:それは君の考えと同じだよ。悪さをする者、国民から必要とされない者はいらないのだよ。
王との戦いは既に終わっているんだよ。老いたイレイザ王を退任させるのにも時間がかかったしな。
今は五老聖が収めるマスター教会が支配するとき剣誓会はその手足となる。
そうだね剣誓会傘下には認めなられないが今回の件を配慮し第一王都は島国だから王にも責任を取ってもらい北の大地の島流しが妥当かな。
その護送両も王家に払ってもらおう。三爪の龍の連中も考えてくれるだろう。
カリスさんにもそう伝えてくれ。
次の日三爪の龍にマスター教会から赤い手紙が届く。
赤い手紙には罪状認否が黒い文字で書かれそこに王家と共謀した三爪の龍の配下の黒剣士ら全員の名前と実刑が記されていた。
皆はそれを見て驚愕した。
カリスらはそれを知らずアクロスと二人黒いバイクで旅を続ける。




