第25話、受け継ぐ者達
ついにミッドタウンの闇が一つ終わりを迎える。それはラスティーユが連れてきた者達の力添えがあってだろう。ラスティーユの放った刃が闇を打ち砕いたのだ。
獣化した滝川源三は脳天を叩き切られ血を流して崩れ落ちた。
背中の文様が血に汚れ多くの毛皮が横たわる。
人間に戻ることのない失敗作の源三らは最後に冷たい眼差しのラスティーユの眼を見て言う。
声帯には血がつまり咳き込みながら言う。
滝川源三:俺のなそうとしたことお前達にそれ以上のことができるのか?。
今更王など必要のない屑を従えて国造りでもするのかお笑いだ。王など餌を与え籠で飼っていればいいものをお前達は大変なことをしているのだぞ分かっているのか。
この世で王ほど残忍な輩はいない。いがみ合い平和など齎すものか、その証拠に今王を推薦する者が何人いると思う。気位の高い王など捨てておけばいい物を何故なんだ。
ロマリア帝国に侵略されたのも王の責任だというのに何故なんだ。
剣誓会も認めぬ王になぜ力添えするごほ。
ラスティーユ:私は王を一つにするため市民の事を一から考える正しい王を育てる。
私は今の王を利用しただけだ私が上にのし上がるためになそれが答えだ。といい冷たい眼差しで剣先を滝川源三の眉間に差し込みねじ切った。死んだかだが私はそれなりの罰は受ける覚悟だ。
獣化した滝川源三は声無く眠りについた。
もう一つやっておかないといけないことがあるといい夜鳴華月の血を黒いローブで拭い言う。
空飛ぶ虫の大軍をわき言ってラスティーユは駆け抜ける。
その赤い鮮血の刃を掲げ躊躇いもなく放つ。
汚れの王ダークにはここで死んでもらうため及びした。王を殺すのだから覚悟はできている。
狼王ダーク:何を話が違う。私を守ると誓ったではないか。
ラスティーユ:貴方ほど王に相応しくない者はいない例え過去の英雄王だとしてもな。
狼狽える狼王ダークにラスティーユは素早く駆け寄りダークの首を一刀で跳ね飛ばした。
そしてラスティーユはミッドタウンの市民に向かい大声で宣言した。
ラスティーユ:汚れの王ダークは私が打ち取った。と高々と首をさらした。
それを見た市民は驚愕した。
ラスティーユ:王を殺したのは私だ。私は一度誓いの剣の誓いを破り嘘をついたことで一度剣を置き罰を受ける。罪は王殺しだ。といい黒いローブと誓いの剣を捨てた。
ロウハン:どんな王であれ王を殺したことは罪だがお前が全部被ることはない。
この戦いを始めたのは私だ全ての責任は私にもある。
だがお前ほどの実力者を拘束するのは難儀だ。今なら全てを捨てて逃げれるものを・・・・。
そういうとロウハンはラスティーユの手に黒い子龍の束縛術を巻き市民に問いかける。
ロウハン:闇を拭った一人の黒剣士に軽罪を願う。
市民&黒剣士一同は高まる声を響かせ言う。
市民&黒剣士一同:おっおっおー
ラスティーユ:ロウハン様剣誓会に良い導きを・・・・。
この大陸の決まりでは王の命を絶つことは大罪であり王を欺いたことも大罪である。
一人の王が消えたことでミッドタウンの治安は剣誓会に委ねられる。
ラスティーユは三爪の龍をカリスに任せ誓いを立てさせた。
ラスティーユの唱えた王主導の組織を目指すことを念頭にカリスに全てを委ねる。
その時カリス=グローバン17歳の出来事であった。
その後ラスティーユは鞭打ち7000回を受け右ほおに王殺しの刺青を彫られる。
そして冷たい牢屋暮らしが始まった頃ラスティーユの意志を継いだカリスは集まる同胞らの対応に追われる。
カリス:姉さんは自分を犠牲にしてまるで宣伝広告を打ち上げたみたいだ。
各地から名立たる黒剣士が集まってきている。
メロスディーテ:全く大変よねぇーと長い爪を爪やすりで研ぎながら言う。
リック:しかしどの王を支援していけばいいんだ。それも難題だぞ。
王一人亡くなって情勢は緊迫している。今は辛うじて剣誓会とロウハン様が治安を維持しているが。僕達は何をすればいいのやら。マスター教会と決別したのだから細々くやっていかないといけない。ミッドタウンでは生きてはいけないな。
ラミタス:王都復興それが第一目標だ。拠点をディアバールに移すぞと荷物を纏める。
アクロス:残る王の世話係か。ディアバールの過疎化した都市をどうやって盛り返す。
皆はため息を吐きラスティーユの愚痴を言う。
リック:仲間に相談無く王の首を堂々と刎ねるなんて恐ろしいことをしてくれた。
そんなことなら三爪の龍など入らなければよかった。黒剣士は一度誓いを交わしたら二度は誓えないのが難儀だな。止めるわけにはいかないしやめるなら仲間に自分の一番大事な物を請求されるしな。身勝手な算段を立てたラスティーユを一生恨みたいよと皆で溜息を吐く。
グリム:一難去ってまた一難のようですと茶色い眼を瞬かせ黒い絆に流れるラジオ放送を耳にする。
国営ラジオにロマリア帝国の事が流れる。
王が下した命によりロマリアは辺境地のウェスタンホードの半分を譲り開拓を始め髑髏査察団経由で奴隷を集め強制開拓を進めている。
王への反感が激しさを増す中私達は王主導を進めるのだ風当たりは激しいだろうと思う。
三大都市の市民らはロマリア帝国から核で脅されていることなど微塵も感じてはいないのだ。
過疎化する王都へ仲間を連れて列車に乗った。
慣れ親しんだ街がとの遠のく中カリスは姉さんからもらった一枚の金貨を手で転がし通り過ぎる景色を見ながら大役への情熱を籠らせた。
カリス:もうため息ははかない。そう決めたと心に念じた。
車内でゴミを食らいドロドロノロノロして這いずり回るバクを私は思いっきり蹴飛ばし姉さんへの苛立ちを押さえた。
それを見たバレリアは可哀想にとバクをそっと空き缶に詰め抱きかかえた。
私カリスはふと同じ列車に乗るこれから志を共にする組織幹部の表情を眺めた。
バレリアは私より一つ上の姉さん肌の女黒剣士で背丈もほぼ同じだ。
バレリアの風貌は銀色の髪に毛先が青い眼は一重の狐眼である。
背中には毛針を生やした狐のガードナーを背負う。それに駄菓子を与えながら時々どこか寂しい表情を見せる。
一方その師匠メロスディーテは酒飲みで笑い冗語の気楽な方で尖った爪を綺麗に生やしている。黒髪の素敵な女黒剣士である。
バレリアの兄弟子グリムは黒髪の短髪で一見さえない少年でいつもメロスディーテの肩や足のマッサジなど雑用をこなす無口で素朴な男黒剣士だ。
黒兎のバニーロックはいつも音楽をガンガン聞きノリノリで人の話を聞こうとしない自分勝手でわがままなお嬢さんで喫煙もお構いなくする。だが戦闘力は三爪の龍の中ではずば抜けて高い。
それと相変わって追い風のラミタスは物静かで知恵ある者だ。少し小太りなところが私は嫌いだ。列車の中でお腹に手を置いて熟睡している。
墓堀人のリックは相当な人物だお節介な所もあるが人脈が広い。殆どの部下は彼の友達である。だから列車の中でいつも黒い絆を使い多人数で話をしている。
総勢250名を抱えた三爪の龍の首領を彼に託そうかと思う時もある。
しかしリックは首を立てに振ってはくれないそれもストレスの原因なんだろうか胃が痛い。
黒剣士の順列は歳ではない能力、技の多様化、黒剣士の剣の重さである。用は戦う覚悟を問われる。
一見歳上のリックだが戦闘向きではない。頭もそんなに良くないし真面目な所と性格の明るさが取り柄だ。
観察していくと本当に色々な人がいるんだなと深く思い私は座席を斜めにして王都まで眠りについた。
ガタガタと道のりの悪い線路を通り王都へと入った。
駅のホームでは空き缶を拾うホームレスの姿が眼に止まる。皆見て覇気がない。
感じの悪い空気の中明るい性格のリックが言う。
リック:皆さんここが王都ですよ我々の出発点ですよ。
メロスディーテ:観光に来てるんじゃないよ。
アクロス:最近のデータですがインフルエンザが大流行しています。
カリス:リックさん王都を除菌する仕事を直ぐに行ってください。後不健康そうな人にマスクを配布してください。マスクをしない方又はマスクを拒否する方には罰金として1万ルークを徴収してください。こちらも資金調達に乗り出します。
三日に一回は仕事を適切に行い衛生面から向上していきます。
後の者達は三爪の龍の本部事務所の整備も行い私は王に会見してきます。
これから改革が始まります急いでください。
150人の黒剣士は困惑したがリックが手を叩き言う。
リック:皆さん仕事仕事、カリス首領の意見を尊重しましょう。集まったお金は私が預かります。
決して飲み食い代にしないでくださいね。
チョロまかすと罰則を与えます。
メロスディーテ:罰則か何がいいかな。と笑みを浮かべる。
リック:僕はここの自警団の方と意見を交わしてみます。
追い風のラミタス:そんじゃおいらは新たに加わった100人を連れて物件探しだアクロスも来い。
アクロス:はいラミタスさん。
黒兎のバニーロック:そんじゃ私は一人でその辺を歩いてくるかな。
顔を変えたサファイアと老剣士ジーと片耳のダイアンが手を上げる。
サファイア:私達はカリス様の護衛を引き受けます。慣れない土地ですから何かあってはまずいでしょう。
ジー:ごほごほそうじゃな
片耳のダイアンは無言で頷く。
カリスはその三人を見てどこかで会ったような気がしたが振り返ることなく王の宮殿へ急いだ。
王の間にて・・・
精王フレイ:また会いましたね。
カリス:誓いの剣を汚したことを謝りますと三つ指立てて土下座した。
火の女神アレス:王一人があんなことで終わりを迎えるとはなまぁいい顔を上げろ。
其方に問う今からどうするつもりか。
カリス:今からディアバールの街並みを復興するために尽力を尽くします。
また六王家の力を行使するためディアバールにて王を称える祭りを開きます。
全都市にガーネットクロウを飛ばし王の凱旋を称え六王家には宣言を出してもらいます。
残った汚れの王の親族もそこで王自ら捌きを下して頂きたい。
汚れの王ダークの親族らは既にロウハン様が確保しています。
私達が六王家を全力で自分の生まれ故郷に帰すため尽力を尽くします。
火の女神アレス:あぁそうかマスター教会が黙ってないだろうな。
獅子王イレイザ:戦う兵もない武器もないそんなことでマスター教会を離脱したからには必ず報復を約束されるな。私は認めてないがお前の師匠ラスティーユは全ての罪を被るのか。
水龍王リヴァイ:王を射落とした勇ましい獅子の弟子に聞く。
お前達を信じていいのか?答え次第ではお前の首もないぞ。と水龍刀を抜いた。
カリスは眼を赤らめ言う。
カリス:嘘つきと言われても仕方ないです。だけど誰かがやらなければミッドタウンも世界の情勢も変わらなかった。ロウハン様の志を汲んでの事私一人が誤りきれることではない。
だけど師匠のしたことは正しいと思います。と地面に頭を打ち付けた。
山猫の老王ネム:王を欺いたが許してやりなさい。終わってしまったことはしょうがない。
カリス=グローバン私はもうじき死ぬだろうがこれだけは言っておく。
マスター教会の重臣らを逆なでしてはならん。王は王で合って王ではない。
民衆の心は今剣誓会にあります。それを動かすマスター教会の闇は深い向かうならばあざとくなりなさい。
王を思ってくれる気持ちと王を利用したことを恥じて生きなさい。三爪の龍は苦しい道を歩むのですね。とカリスの頭に手を優しく置き言った。
白眼の山猫の老王ネムはカリスの正直で真っ直ぐな心を読み取ながらカリスに気合を入れるオーラを通わせた。
カリスの頭の中でそれは駆け回ると眼を白黒させた。
山猫の老王ネム:通過儀礼です。王を守る刻印を与えました。
どうか皆を導いてやってください。痛みは狼王ダークの痛みでもあります。
それを見た老婆の姿をし大蛇を巻いた蛇姫がカリスの頭に手を置き六王家全てがカリスに王家伝来の刻印を頭に叩き込んだ。
カリスは必死にその痛み苦しさに耐えた。ビシバシと拷問のような痛みに失神し目覚めた時は三爪の龍の新たな拠点事務所だった。
二階のベットから滑り落ちるとあれは夢じゃないのかとカリスは思った。
寝ぼけ眼でカリスは置き洗面台で顔を洗い新しい黒いローブを羽織った。
洗面台の自分の顔を見た時眼の色が少しレッドグラス化しているような気がしたが顔を洗うとそれもなくなった。
何だか気分がよかった頭が冴えわたるような気さえもした。
心の中に光る物が小さく輝くそんな気分だった。
ふっと見ると首から胸にかけてみたこともない剣誓会の印七王家の七つの剣でできた星の形をしたペンダントがぶら下がり淡い光を放っていた。
剣聖の証は四つの剣がひし形を描き横に剣先が対照的に向き一本の剣が真ん中に突き刺さっているように描かれている。
それを握りしめ思いを浮かべるとどこからともなく七つの剣が飛び込んできた。
その七つの剣は不思議な形をしていたがペンダントを放すと直ぐに消えてなくなった。
耳元で王達の声が聞こえる。
火の女神アレス:それは褒美だそのペンダントでいつでも会わずとも私達と話せる。
そして半分私達の力を授けた。本来私達を守る騎士に与える栄誉ある剣聖の称号である。
お前の実力はネム王が読み取り既に剣聖の域にある。
その使い方も自分で学べ誰も教えてはやらん。マスター教会のダイアの称号はやれないが代わりとしてくれてやろうそれも王の気まぐれだ。若いが精進しなさい。
成人を迎えたらもっと凄い力を発揮できるでしょうね。
それではぁー頑張ってぇーといい交信は途切れた。
その胸に輝くオパール色の剣聖の称号を握りしめ有り難くなった。
カリス:光栄です王達。必ずや先導に立って導いていきます。
そう呟くと悲しい気持ちが胸に輝く剣聖の証に流れ込み幸せな気持ちに一瞬なったような気がした。だが困難はこれからだ。
暗闇を照らす日がクレーター内部と王宮を照らす頃私は歩みを強めて凛々しく歩るき出した。




