第0話。出会う二人
ユー大陸に点在する3つの都市を統治する国家ディアバール共和国は黒剣士らの手により市民の命を数百年守ってきた。
獣の姿をした狼人と呼ばれる者らを月夜の重臣と呼びそれらが統一するディアバール共和国がユー大陸全土を支配する。
中流階級の人間と呼ばれる者らは狼人社会の下で尽力する非力な人種だ。
下流階級に位置する下等種族ら肉を食種としなく鋭い牙を持たない者らを刺す。
その中で黒剣士という役職の者らがいる。彼彼女らは狂気な剣を使い傍らにガードナーを従えている。
黒剣士らの主な仕事は各国と戦争を画策したり傭兵として雇われるなど様々だ。
黒剣士らは一瞬の躊躇いもなく命を奪う時として音もなくと影をを残さず人を殺める。
そんな時代に生きる黒剣士の生と死を描いた物語である。
その中の一つの要塞都市ミッドタウンの一角では街角に綺麗にまとめ上げた髪に洒落たドレスを着て顔には化粧をした売春婦が豊満な胸に札束を挟み客引きをする。
金髪の売春婦:おじさんチップください胸くらいなら揉ませてあげるよ。チッププリーズ♥。
繁華街では路上強盗、路上売春などは当たり前である。
人を殺しても道行く人達は見て見ぬふりそれを取り締まる黒剣士らの大半もマフィアに賄賂を貰い見て見ぬふりそれが悪の巣窟ミッドタウンの現状だ。
しかしミッドタウンの人口は年々上昇し悪に憧れる者が蔓延る要塞都市である。
コンクリートのオフィスビルが立ち並び街の中央には移動手段である宙を這うモノレールが一本通る。
路上者天国には人が溢れ飲食街や娯楽施設などが繁栄している。
ミッドタウンは主に5つの区間に分かれた市民街があり中流市民が暮らす都市の中央の建造物には貴族が暮らしている。皆身の危険から自分を守るため銃や剣を持参し出かける。
何故なら自分の命は自分以外守れないからである。犯罪に巻き込まれても賄賂を弾めば刑務所などには入らずにいられる。重犯罪を犯せば別だが大体は金で解決できる。
しかし時と場合によっては市民級が繰り下げとなる場合もあるのだ。
そして国から恩恵を絶対に受けられない下級市民らの暮らす貧困街が街の片隅に5つある。ミッドタウンの外には点在し農業地区があり下級民と一図けられる者らの大半は戦争孤児や身寄りのない子供や重犯罪の烙印を押された者らが貧しい賃金で働かされている。
そんな悪の巣窟ミッドタウンで二人は出会う。
雨降り注ぐ中ミッドタウンのスラム街で主人公ラスティーユは運命的な出会いをする。
商店は皆シャッターを下し落書きだらけの壁に覆われたスラム街では闇に埋もれた子供たちが盗み恐喝を繰り返す。
そんな現状を視察に来た男ロウハンが一人の少女と出合った。
人をなぐり殺し血に染まった拳、眼は狂気に満ちていた。
その振りかざす拳をそのロウハンは手で止め投げ飛ばした。余年ラスティーユ16歳の出来事だった。
ロウハン:やめなさいその人は死んでいるじゃないか。
ラスティーユ:うるせぇんだよ爺!!殺そうが奪おうがここは自由さ。
ミッドタウンのスラム街はなんだって許されるんだよと怪力を武器に立ち上がる。
覆面黒剣士コルセット:ロウハンこの少女が問題の・・・。
ロウハン:そうらしいこの怪力私の指をへし折ったぞ。痛くて涙が出そうだ。
この少女は只者ではない捕縛するしか方法はないな。
コルセット:拾うのか??。
ロウハン:あぁ半覚醒者だからな。黒剣士として育てれば何とかなるかもしれん。少女に生きる道を示してやるのも俺達の仕事だ。
コルセット:おいおい本気かロウハンこの少女は・・・。
ラスティーユ:ごたごたうるせぇ金持ちの黒剣士どもめがと罵声を浴びせる。
ロウハン:君を黒剣士に授受させようと思うのだがどうかね働いて金を稼いでみないかね。
殺しが好きそうな眼をしてる君を勧誘してるんだ。世界を動かす黒剣士にならないかね。
奪い合い腹を空かせることもない。金払いはいい方だどうかね怪力少女。
ラスティーユ:うるせぇ私はこのスラム街が好きなんだ。ごたごたぬかすとぶっ殺すぞ。
コルセット:だめだ粗暴すぎる諦めようロウハン。
ロウハンはその少女の眼の奥に潜む光を見て言う。
ロウハン:実力の差を見せてやろう。と黒いローブを脱ぎ去り拳を構える。
一つ聞いていいかここは拳の強さで決まるんだよな。君はここでは一番かもしれないが上には上がいることを思い知ればいい。
ラスティーユは体から赤いオーラを放ち拳に溜め一撃でロウハンの顎を弾き飛ばした。
ラスティーユ:私の全力打で倒れた奴はいないんだ。
口から血を流しその一撃を受け止めるとロウハンは笑う。
ロウハン:君の拳はやはり子供だな。だがひしひしと伝わる。
普通の男なら死ぬかもしれないが黒剣士はそんな生易しい鍛え方をしていない。
私の一撃を食らえば結果が分かるだろうと拳に力を溜めラスティーユの6つに割れた腹筋に龍衝打撃を放った。
地鳴りがしたような拳の炸裂にラスティーユは嗚咽を漏らした。
目の前の大気が歪み爆撃のような音がラスティーユの鼓膜を連打する。
コルセット:おいおい本気かロウハン。
ロウハン:本気を出しすぎたようだ。女の子に暴力は振りたくないのだがな。
それを見ていたスラム街の子供たちは見入っていた。爆音を聞き二階の窓から驚き顔を覗かせる者、金網からそれを見る者様々だ。
コルセット:おいおいあの一撃に耐えたぞ。
ラスティーユ:まだ終わってないぞと口から唾を垂らし腹を抑え言う。
ロウハン:人の痛みが分かったか。殺されていった人の痛みだお前には分かるか。
そこの遺体になった人も好き好んで死んだんじゃない。
お前が殴って殺したんだ。はした金欲しさにな。よく見ろお前が殺してきた数を。
10人20人じゃない。お前の手口は知っている娼婦を使っておびき出しお前が汚れ仕事さ。
そんな人生じゃ。
ラスティーユ:しょうがないだろ生まれも育ちも裕福じゃないからお前に何が分かるって言うんだよ。
いきなり現れてこんな凄いパンチ見せやがって服がボロボロだよどうしてくれるんだ。
恵んでくれるっていうのかよと咳払いし言う。
ロウハン:そうじゃない真面な仕事をしろ。俺が黒剣士にしてやる。
ここの悪ガキ全員俺が引き取る。スラムの孤児も全部だ。スラム街の現状を視察し思った。
私は貧しい者のために剣術や全てを教え古龍派を造ろうと思う。
貧しいからダメなんじゃない生き方を知らないからダメなんだ。
コルセット:勝手なこと言い出して責任は誰がとるんだよ。組織は殺せのGOサインを出しているんだぜ。
新しい流派を作って一体何を考えているんだ。
ラスティーユ:何ごたごた言っているんだまだ終わってないぞ!!と怒りを上げ赤いオーラを全身に纏う。
ロウハン:君の生まれた所はどんなに酷いか理解した。これを造った貴族らを私は許すことはできない。
力の差を見せようと思ったが誤りを込めてこれを君に捧げよう。龍心打ちだ。
一回君は眠るように死に多少記憶も失う。君を殺すんじゃないことを知ってほしい。
私の名前はロウハンという。これを打ったら覚えてないだろうがな。
ラスティーユ:この野蛮な黒剣士風情がと赤いオーラをナイフに込め振りかざす。
ロウハンはそれを青いオーラを纏った二つの指で押さえ弾くと素早く後方に回り心臓と後ろ頭に龍心打ちを放ってラスティーユを眠らせた。
コルセット:見ている悪ガキどもよミッドタウンスラム街の最悪の鬼娘は死んだ。この者に怯えることはもうない。そして貧しい者に剣術を教え黒剣士として育成する。腹を空かせた者は白頭巾に食べ物を分け与えよう。
黒剣士を目指すなら腹は満たしてやるぞ。無償で古龍派武術を教えよう。
ロウハン:この少女が目覚めたら教えてくれ。もう一度会って話がしたい。
コルセット:あぁそうしよう
ロウハン:何年後でもいいこの少女の回復を祈る。といい黒いローブを羽織った。
こうしてミッドタウンのスラム街に笑顔が戻った。孤児たちは白頭巾らが配布する食事を受け何人かは黒剣士の仕事に順次した。