第12話、湯煙地獄
誓いの剣を授かり二日自分の誓いの剣をまじまじと見たカリスの表情は豊かに緩む。
深紅の剣、真ん中には黒い筋が通り絵の部分は剣誓会の印が刻まれている。
持ちてには指を通す穴が五つ空いているそれに手を通す度に私は黒剣士なんだと思う。
それを見たラスティーユは言う。
ラスティーユ:その誓いの剣って本当に戦闘向きだね。柄は尖ったメリケンサックのように殴れるし剣の長さも軽さも女をよく知って造ったんだなと思うよ。よく考えたなあの雪だるま親父はと思う。
カリス:この誓いの剣をナックル・ブレードと名付けようと誓いの剣に軽くキスした。
二人は黒光りのサザンクロスを走らせ風を感じながらラスティーユはバイクゴーグル越しに後ろの私を見言う。
ラスティーユ:誓いの剣を気に入ったところ悪いのだがそいつを使いこなせるように私の修行場へ行こう。
もうすぐだといい海岸添えの浜辺に到着した。
靴裏で砂浜を噛みしめながら黒いブーツが熱を帯びる。ラスティーユは黒いローブを脱ぎ黒い戦闘服で海辺の風を全身に浴び深紅の誓いの剣を背から下した。
ラスティーユ:いい風だ視野に広がる大海原も荒れている。この海を渡ればロマリア北部が見える。
天候は災厄だ。ここで死んでもらうぞカリスといい誓いの剣に赤いオーラを通わせた。
それを見たカリスは誓いの剣を握りしめ言う。
今まさに目の前には鬼の眼になったラスティーユが私を本気で殺そうとしているのだ。
背中の筋肉から発せられる覇気がそれを思わせた。
カリス:あの人は剣の扱いを教えてくれるのではない。実践覚悟の剣術を私に教えようとしているのだ。
誓いの剣を貰って喜んではいられない。と死を覚悟しながら震えを止めた。
私は胸と声から雄たけびをあげ鬼の眼をした鋭い眼の姉さんに向かっていった。
姉さんの両眼は深紅に輝く鬼の眼で怒りを表せ私の放った全力打をはじき返した。
姉さんの周りには赤い鱗を巻いた龍のガードナーが漂い雄たけびを上げている。
全てを赤い龍に弾かれ私は何度も誓いの剣を放つ。
100回1000回赤い龍の守りに弾かれながらも果敢に向かう。
姉さんは一撃振り下ろす旅に私は砂浜にうち伏せる。
ラスティーユ:それがお前の限界かカリス!!。今のお前は誓いの剣を貰って浮かれているだけだ。
この修行でお前はここまで斬り合いをしなければならない。
お前のガードナーを解放しろ。そして私と互角に斬り合え。その術を知るのだ。
そうしたならばお前は一人で生きていけるだろう。
折角貰った誓いの剣を握って立ち向かってこい。それでお前は黒剣士として羽ばたけるか見定める。
なれない場合は私の眼が曇っていたと思いお前の誓いの剣を叩き折ってやろう。
命までは取らない全力でこの攻めと守りの技を学び。私は何度でもお前の考えた技を受けよう。
お前が覚えるまで何度も何度も苦しさを受けよう。
全てを学んだならばお前は一端の黒剣士と認めようさぁこい。
カリス:はいまずは龍を具現化し周囲に漂わせなければならないがどうしよう。とカリスは悩む。
それを考えながら赤い龍に何度も斬りを入れる。赤い龍は誓いの剣に食らいつき牙が火花を散らせる。
ラスティーユは無言で座りながら月を見上げ鼻歌を歌う。ラスティーユの頭の中はフル回転で動く。
ラスティーユは陽気にしているようだが赤い龍のガードナーは私に猛攻を浴びせる。
血だらけになりながら顔面を強打され誓いの剣を握った。
痛みと苦痛に耐えながらも戦闘訓練は続く。
ようやく数1000回噛まれ赤い尾でぶち殴られたのちに剣に蒼いオーラを溜め龍の赤尾を叩き斬った。
地面に伏せながら剣が重く感じる頃私はラスティーユに見下ろされる。
汗と血と涙に汚れた顔の私を見下ろす姉さんの顔は優しかった。
ラスティーユ:うん上出来だと思うよ後はガードナーを体内から作れればお前は黒剣士になれる。
明日もこの調子で頑張ろう。疲れただろ海辺で獲れた焼き魚を一緒に食べよう。
明日は私は海を潜ったり岩場で釣りをしている。
お前は必死になって私の化身となった赤い龍のガードナーと戦いなさい。
今日は焼き魚を食べ寝なさい寝床は草を編んだところを用意したから月でも見て寝なさい。
そうだ汗をかいて寝にくいだろう。一緒に風呂に入ろう。近くに傷に聞く自然温泉があることをすっかり忘れていたよ。喉も乾いただろ湧き水を汲んでできたから飲みなさい。
カリス:ありがとうございますと元気なく答える。
二人は天然温泉に向かいそこら辺に衣服を脱ぎ捨てはじめてお互いの体を見た。
姉さん最高の景色の天然温泉ですね。と薄水色の髪をかき上げ言う。
カリスの髪は特殊で普段は黒髪だが夜になると薄水色に変色するのだ。
ラスティーユ:そうだろう絶好の場所さ海も一望できるしね。
湯煙の中私は姉さんの裸には無数の矢傷や刀傷が刻まれなんだか痛々しそうだった。
一体この人はどんな生き方をしてきたのだろうと考えさせられた。
白い体に確りとピンク色の傷が無数にあるこれも戦場の勲章なのだろうか。
ラスティーユ:なんだい私の体を見入って!!。
カリス:姉さんはどうして女なのに黒剣士になったのですか?。傷だらけになりながらもどうして強く生きれるのですか。女なのに男の人に甘えることはないのですか?。
ラスティーユ:うーん質問が多いね。そうだな生まれ落ちた場所が悪かったのさ。
そりゃお前みたいの両親が中流家庭の娘なら生き方も違っていただろう。逆に私から質問だお前はなぜそう強さを求める。お前も一人の女なら男と結ばれ子を増やし家庭を気づけるだろうに。
なぜなんだいなぜ黒剣士に憧れを抱き私の弟子となったんだい。
カリス:それは・・・
ラスティーユ:そうさ人間には答えなんてないのさただ生きていくだけだ。
それが善なり悪なりその二通りだ。私は正直暗い世の中を変えたいこんな血に飢えた時代に自分の子を産み平然と育てたくない。子供に辛い思いはさせたくないのさ。
それなら自由に自分の一生を終えた方がいい。それが私なりの答えだ。
それに戦闘訓練して子を宿せる体でもないしね。もうすでに女として機能してないのさ。
強さとは何なんだろうねカリス。
カリス:一人の強さには限界があります。強さとは私の中で肉体の強さ何事にも前向きである精神だと思います。泥を啜って生き抜き夢を持つことだと思います。
ラスティーユ:カリス辛い方を選ぶねぇ。お前がそう答えを出したなら私はお前がどうなるか楽しみだよ。
黒剣士になって大金を手にして楽しいことを学べればいいね。お前は真面目すぎるよと笑った。
さぁ月見酒だ。一緒に飲み明かそう。
カリス:私はまだ15歳ですよ飲酒なんて・・・。
ラスティーユ:口づけするだけでもいい。酒の本当の味は自分が黒剣士として稼げるようになって味わうといい。
そういうとラスティーユは一気におちょこ注がれた酒を一人飲みだした。
元気が出てくる東洋地方に伝わる酒だ。澄んだ酒だろ。お前も出会う人と酒を酌み交わせばいいさ。
そしたら楽しくなれるあぁーいい湯だ。
ラスティーユは岩場に頭を置き足を伸ばして入浴した。私も月明りを見上げ同じ体勢で夜空を見た。
天さ肌の姉さんと凡人の私、二人が湯につかり二人が目に収め初めて見上げる景色は同じなんだと思った。
私も努力し何年かかろうが姉さんの領域までなれるのだろうと期待に胸を満ち溢れさせ私は入浴を終えた。
ラスティーユ:長湯は体に毒だよ。といい地面に脱ぎ捨てた衣服と戦闘服をかき集め二人は着はじめた。
するとカリスの下着だけがなく戦闘服を着こみ恥ずかしそうに言う。
カリス:私の下着がない盗まれた。
ラスティーユ:パンティーがないのかい!!。それは最悪だね下が寂しく涼しくていいねと笑い言う。
ラスティーユは静かに眼を閉じ念じた。そうすると岩陰から真っ赤な顔をした野猿が口にカリスのパンティーを加えて逃げるのを赤龍のガードナーの眼で捕えた。
変態猿を捕えたよとガードナーの高等技術捕縛術を見せ言う。カリスあっちの岩場の先だとっちめてやれといい誓いの剣を投げ渡した。
私は熱が上がり照れくさくなりながら岩場で捕縛された野猿を引きずり回した。
カリス:この変態猿がぁー私の下着を返せ。と誓いの剣で野猿の尾を串刺しにし動きを止めた。
野猿:貴方が黒剣士だったとはお許しください。
ラスティーユ:野猿お前どこ出身の猿なんだ。黒剣士の持ち物を手を付けるとはどういった了解を得ているんだいと野猿を脅す。
野猿:お前らが悪いんだここの天然温泉の利権は我らの物なのに勝手に入浴するからいたずらしたのさ。
カリス:天然温泉に利権がる?おっお前叩斬ってやるから覚悟しろ。
ラスティーユ:誰が決めたんだ。自然は皆の物だろ。おいと怒鳴り野猿の顔面を強打させ吹き飛ばした。
野猿:覚えていろよとカリスの下着を丸め地面に叩きつけ逃げ去った。
半べそかいて逃げる野猿をラスティーユは笑いカリスは複雑な気持ちになり片手に下着を握りしめ履いた。
ラスティーユ:カリス=グローバン15歳の思い出だねとくすくす笑う。
カリス:しょうがないじゃないですか着替えがないのですから。
ラスティーユ:そうだね着替えを持ってくればよかった。とまた笑い言う。
腹を抱えて笑う姉さんに私は怒りを覚えながらスタスタと歩いて浜辺に敷き詰めた草を編んだ物の上で横になる。
そしてそのまま眠りについた。




