表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/31

Last page ーエピローグー

海憂みゆう第2章ー

海憂が31歳、俺が26歳の時、やっと2人で一緒の人生がやっていけると思っていました。

海斗と海憂と俺と3人との生活は幸せに満ち溢れていました。


彼女と再会する前に僕は海の家 潮騒に立ち寄りおやっさんに挨拶をしました。

すごくお世話になった人だったから。

俺がそこを後にした時、女将さんが康さんに言ったそうです。

この店、拓斗君が継いでくれないかしら・・・って。

俺はその事を結婚式の日に康さんから伝えられました。

その頃、アメリカロケまでして撮った俺の映画は高く評価されていました。

でも、俺は彼女との結婚を決めた時から俳優の仕事は辞めようと思っていたから、なんの迷いもなくここ海の家 潮騒のオーナーを

引き受ける事に決めました。彼女はもったいないなぁ〜ってぼやいてたけどね・・・

当然、収入は減ってしまうことになりましたが、それ以上に大事なものがあったから、俺は後悔なんかまったくしていませんでした。


海憂が33歳になった頃、2人目の子供を授かりました。

でも、彼女は俺が若かった頃、俺の浅はかな行動のために、俺自身も彼女自身もマスコミに常にマークされ気の休まらなかった時期がありました。その時の彼女は相当な気苦労を感じていたと思います。

たぶん、そのあたりから彼女は少しずつ体調を崩していたんだろうと思います。

そんな事を感じていた俺は彼女に、2人目はあきらめないかって言ってみたんです。

俺は海憂を失うかもしれないという不安にかられていたから。

でも、彼女はどうしてもこの子を産みたい、拓斗とわたしの子供なんだよ、なんとしてもこの世に産んであげたい・・・。

そう言って、頑として首をたてには振りませんでした。結局、根負けした俺は海憂の願いを受け入れました。

その時の海憂の笑った顔は向日葵のように明るく大きくみえました。

どんなに俺が頑張っても母親には勝てないなぁ〜ってそう思ったことを思い出します。

そして産まれた女の子が夏海(なつみです。

小さな小さなその女の子は海憂によく似ていました。


でも、その頃から海憂は体がますます弱くなってしまい、それでも海斗と夏海を育てるのに一生懸命でした。

海斗が3歳、夏海が1歳の誕生日を迎える頃、彼女は亡くなりました。

「拓斗、この子たちを絶対守ってね、わたしの分も愛してあげて、たくさんたくさん愛してあげて・・・

約束だよ・・・今までありがとうわたしは幸せだったよ・・・」そう言い残して・・・。

最後の彼女の顔は美しく、母親になって子供を育てられる喜び、幸せに満ち足りた顔をしていました。

俺は悲しくて寂しくて辛くて・・・海憂を失ってしまった現実を忘れたかったのを覚えています。

でも、そばではしゃいでいる海斗と夏海を見ていると、こいつらをきちんと守っていかなきゃ、育てていかなきゃ・・・。

そう思いなおしたりしていました。それが海憂との最後の約束だったから・・・。

彼女との出会いから彼女が亡くなるまでの11年間はあっという間に過ぎていきました。

苦しい事のほうが多かったかな?なんて海憂はそう言って笑っているかもしれません。

でも俺も彼女もその時を一生懸命生きていたんだろうと思います。

彼女が亡くなってからもう1年以上経ちましたが、ときおり自分のそばで彼女の存在を感じる時があります。

彼女が優しく微笑んでいるような・・・そんな感じかな・・・。

生前、海憂がよく言っていました。もし、もしわたしが死んでしまうようなことがあったならわたしの骨は海に沈めてね・・・

わたしはそこにいつでもいるから・・・と。

俺は彼女がそう望むならと彼女の骨の一部をその海へと沈めました。

彼女の月命日には2人の子供を海憂が眠るその海へと連れていきます。

海憂が子供たちの笑顔や元気な姿、成長していく様を見られるようにと思って。


4歳になった海斗は海で泳ぐのが大好きでその姿はまるで海憂の生き写しのようです。

2歳になった夏海はおしゃまな女の子になって、俺が少し落ち込んでいたりするとパパ、しっかりしなさい!なんて

まるで海憂が話しているような口調で俺のことをしかりつけたりします。

この2人の子供たちが俺のそばに居てくれる限り、海憂も俺のそばで行き続けていてくれてんだろうとそう思っています。


海憂へ


 たくさんの愛情とたくさんの思い出をありがとう。

 俺は君との過ごしたその日々を決して決して忘れる事はないと思う。

 君が残してくれたこの子たちを俺は大事に大事に守っていきます。

 君の分までね・・・。

 君のこと、守りあげるてやることが出来なくってごめん・・・。

 海憂・・・俺は君と知り合えて良かった。

 君に愛されて君を愛して・・・愛して愛されて・・・

 俺は俺はとっても幸せでした・・・。

 海憂・・・

 ほんとうにありがとう・・・

                      

                        拓斗

今回で海憂みゆうはラストを迎えました。

初めて書いた小説?だったので読みづらかった点が多々あったと思いますが、ここまで読んで下さった皆さんありがとうございました。

今回の作品にご意見ご感想があればどうぞコメントを残していただきたいとおもいます。

本当にありがとうございました。

             RYO 103

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ