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page 15 -ターコイズブルーー

海憂から手紙が届いてから

俺は俺なりにいろいろと頑張っていた。

単位が足りない学科や生活態度、今までの俺とは「別人になったね・・・」なんて愛実や雅弥に冷やかせられながら・・・。

その時の俺は俳優という道を選ぼうと真剣に考えていた。

少しでも大人になって少しでも男になって早く海憂をここへ連れて来たい。

この東京で海憂と一緒に暮らしたい。そんな気持ちがなおいっそう俺をせき立てた。

頑張らなければ・・・。


そんな気持ちが固まった頃、俺は海憂に手紙を出した。


*海憂へ

 元気でやってますか?

 俺は早く一人前の男になって海憂を迎えに行きたいと思っています。

 でも、気持ちばかりが先走って空回りしてる俺がいます。

 情けないな・・・今、君はそんなこと思って笑っているかな?

 ただ、今のままの俺では君を守ることも君を幸せにすることもできないなって思っています。

 まだ、自信がありません。だから、3年待っていてください。

 3年たったその時には俺は必ず君を、海憂を迎えに行くから・・・。

 これはまじな話だよ、海憂。

 3年後に君を初めて海憂と呼べた、あの海で僕は待っています。

 海憂も待っていてください。

                 

                                     −古坂拓斗ー *

                   P.S I LOVE YOU



その手紙を出してからしばらくして、俺は高校を卒業し、高校時代からやっていたモデルの仕事をこなしながら

俳優養成学校やら音楽教室やらに通い、無我夢中でここまでやってきた。

ただ、彼女を海憂を幸せにしてやりたい、そんなきもちいっしんでここまで頑張ってきた。

そして、あっという間に3年が経っていた。


俺はふたたび石吹の海に立っていた。

ここは海憂と初めてキスした場所だ。あの時、海憂が、「わたしの名前初めて呼んでくれたね」って泣いてくれた場所だ。

海憂との待ち合わせの時間が刻一刻と過ぎていく。俺は煙草をくわえた。「ふ〜」煙草の煙を吐き出した後、顔をあげた俺に

飛び込んできたその顔・・・海憂だ・・・俺は煙草をあわててもみ消し彼女が走ってくる方向へと走り出していた。


「海憂〜〜〜!海憂〜〜〜!」

「拓斗〜〜〜!」彼女が俺の胸へと飛び込んできた・・・

「拓斗、拓斗、本当に迎えに来てくれたんだね、拓斗、会いたかった〜〜〜」

「海憂、待っていてくれたんだね、やっとお前を迎えにこれた・・・」

「海憂、会いたかった・・・」

俺はその言葉だけ告げたあと、海憂をきつく抱きしめた。


「もう、離さないよ、海憂のことぜったいに離さない・・・」彼女はただだまってうなずいた。

しばらく、海辺を2人で歩いたあと、海憂の家へ行った。そこは3年前、海憂を初めて抱いたその時となんら変わりはなかった。

俺は海憂をきつく抱きしめそして彼女を抱いた。海憂は嬉しそうに俺の腕の中で笑っていた。


「なぁ、海憂」「うん?」

「俺と一緒に東京へ行かないか・・・」「えっ?」

「俺と一緒に東京で暮らさないか?」

「いいの?本当にいいの?」

「あ〜、俺は海憂とずっと一緒にいたい・・・」

「ありがとう・・・拓斗、ありがとう・・・」そう言ったあと

「拓斗、煙草の香りがする・・・大人になったんだね・・・」海憂がニコッと笑ってみせた。


海憂の腕には俺が彼女と初めてデートをしたとき、俺がプレゼントしたターコイズブルーの綺麗なブレスレットが

キラキラと輝いていた。


俺が21歳 海憂が26歳の夏だった。

          



        ーーShosaiーー 

                                


波音をかき消す通り雨 息を切らして

転がり込むように クルマの中へ


遠くに霞んでる人影も 見えなくなって

ふたりただ毛布に くるまっていた もう寒くないね


久しぶりの海はいつも雨

『誰のせいだろう』ってキミが笑う


せつなさよりも愛しさ募らせてく この瞬間を

どんな言葉より強く伝わるように そう抱きしめて


ちぎれる雲間から波間へと 差し込む光り

昔どこかで見た 絵画の世界 そう祈るような


なにげないくだらない冗談

『笑えないよねぇ』ってキミが笑う


やっと出会えた運命に感謝しよう 心を込めて

どんな想いより強く焼きつけたい 大切に


海鳥の群れ 風を切る羽 どこへゆくのだろう

明日へと 未来へとボクらは羽ばたける


せつなさよりも愛しさ募らせてく この瞬間を

どんな言葉より強く伝わるように 抱きしめて


君と出会えた運命に感謝しよう 心を込めて

どんな想いより強く焼きつけたい いつまでも


Forever,precious one

And ever gracious time

You're, not the only lonery one

Forever,precious one

And ever gracious time

You're, not the only lonery one

You're, not the only lonery one

You're, not the only lonery one


(shiosai Sーmapエスマップ 〜SMAP014より)


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