☆不信☆
その後も、3人は今まで通り仲良くやっていた。
でもやっぱり、レンとルイが2人で一緒に行動しているのを見ると、
不安だったし嫌だった。
「やだッ」って言うと、レンはあたしのところにきてくれて、
安心させてくれた。
卒業式も終えて、ほぼ毎日ヒマになったあたしは、ゲームをする時間も
前に比べて断然増えてきた。
しかし逆に、最近レンもルイもIN時間が短くなっていたり、
INしていない状態が多くなった。
2人、どっちともがいないだけで、今電話したりしてるんじゃないだろうか、
会ったりしてるんじゃないだろうかと、少しのことでもすぐに
不安になってしまうとこまで、あたしは精神的にやれられてきていた。
そんな時、相談にのってくれるのが、ショウだった。
レンに、ゲーム内の人にアドレス聞かれても教えるなよって言われてたけど、
レンだってルイと連絡とってるくせに、と思ってやけくそで交換した。
約束を破りたくなかったが、レンとルイが夜中に電話をしているというのを
ショウから聞いて、レンに裏切られてることを知っての行動だった。
ルイとショウは仲良しで、よく相談し合ってるらしかったので、
あたしは、ルイの情報をショウにもらっていた。
あたしにとってルイは、恋のライバルであるということもあって、
キライだと思うようになってきていた。
それに、レンのことを好きと言いながらも、ショウに自分の裸の写メを
何通も送ったりしていたらしい。
レンを好きなのに、ショウに対しても誘惑?
ありえないと思った。
まさか、ちひろにも送ったりしてるんだろうか。
3日、4日と、レンもルイも全然ゲームにINしてない。
レンにメールをしてみても、返信がない。
心配になりかけていた1週間後くらいにメールがきた。
パソコンが壊れて、ずっとできなかったらしい。
新しいパソコン買うまでは、メールのみで、一緒にゲームしたりは
できないけど、連絡とれるだけでも嬉かった。
それから少しして、ルイもまたINするようになった。
INしてることは知ってたが、特に会話もなかったので話しかけなかった。
すると、ルイの方から話しかけてきた。
「報告がある」って、すっごい嬉しそうに。
レンのことかな〜って思いながら、とりあえず聞いてみる。
「実は、ゲームしてない間、レンと会ってた☆」
言われた瞬間、頭が真っ白になった。
まさか、こんなことを言われるだなんて思ってなかった。
レンに会いに大阪に行って、レンの実家に泊まった、タマゴ焼きが
すっごい上手かった、水族館に行った、エッチした・・。
嬉しそうに、詳しく全部話してくれる。
「よかったじゃん、おめでとッ☆」
心にもない言葉。
「俺はアイが好きやでっ」
思い出す、あのときのレンの言葉。
何を信じればよかったの?
なんで言ってすぐに、こんな裏切るようなことしたの?
怒りと、悲しみと、いっぱいいっぱいになって、また涙がこぼれた。
ルイと話したあとに、ショウからも聞いた。
2人が会ってたこと。
ルイが言ったのか、レンが言ったのか、分からないけど・・
もうそんなこと、どうだっていい。
どうしたらいいのか、わけわかんない気持ちでいっぱい。
「ルイと連絡とってる?」
「とってないで☆」
とりあえず、探りのメールをいれる。
もしかしたら、本当のことを話してくれるかなって思って。
「会ったりとかしてないよね(>_<)?」
「してないって☆」
最後の最後まで、レンのこと信じようとしたのに。
やっぱりもうだめだ、信じられない。
あたしは、もう返信せずにケータイを閉じた。
何日かして、
「なんで最近メールくれんのん(T_T)」
ってメールがきた。
あたしは、本当のこと、聞いたこと全部を話すことを決心した。
「レンさ〜、ルイと会ったんぢゃろ?」
そう送ったあと、なかなかメールが返ってこない。
ルイに、「オマエ会ったことゆったん?」とかって電話してるのか
どうなのか・・。
少し時間が経ってから、「なんで?」ってきた。
どこまで言わないつもりなんだろう。
「本人に聞いたから」
ルイに、内緒って言われなかったし、そのままを言った。
するとすぐに、「ゴメン(>_<)」ってメール。
謝るんだったらするなよ、って思いながら、また涙。
まさかこんな風に裏切られるとは思わなかった。
「もう信じられないから」
そういって終わりにしようとした。
やっぱりレンは、あたしのこと本気じゃなかったのかな。
そのあとも何回か謝罪メールみたいなのが続いて、
「もう絶対しない。また信じてもらえるように頑張るッ」
ってきた。
もう絶対に許さないって決めたのに。
好きになったら、やっぱ負けなのかな。
「わかった、態度で示して」
結局は最後に許してしまった。
思えば、あたしはレンと付き合っているわけではない。
お互いに好きって言ってるけど。
あたしは、付き合ってるという、形だけでもほしかった。
実際に会えなくても、会わなくても、擬似恋愛なんだから、適当にでも
付き合おうって言われたかった。
愛されていないのか・・。
レンの突然の裏切りには相当こたえた。
あたしの中では、もう付き合っているような気分だったから。
許したのは許したが、この時もうレンのことは冷めてきていた。
それから、レンとのメールもめんどくさくなってきた。
でも、レンのことが心のどこにもないわけでもなかった。
ルイと話すことも嫌で、ずっとショウと一緒に行動をしていた。
ショウは、あたしにとってすごく心地いい場所だった。