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Magical Encounter  作者: 朝比奈 黎兎
第四章 『白姫』
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第三十八話   激突

それぞれの戦いみたいな感じです。


といってもまじめに戦う気あんのかこいつら・・・みたいな感じです。

その翔の発言に、思わず譲の顔が曇る。


「馬鹿なまねはよせ!そんなことをすればこの子もただでは・・・・。」

「真琴はお前らが守るんだろ?え?血眼になって探してたもんな、それがようやく手に入って、それでここで俺に壊されちゃったら終わりだもんなぁ。幸い此処には能力者がわんさかいるんだ。俺に対抗できる奴がいるかもしれないしな。」


さらに、亀裂がい大きくなった。手加減など最初からする気はない。ただここを壊せればもうそれでいい。そうだ・・壊せ・・・こわせ・・・コワセ・・・・コワセ・・・・。


「朽ち果てろ・・・・・なにもかも!!」


刹那。翔は譲の方に向かって跳躍し、そのこぶしを振り下ろした。だがそれは、見えない障壁に阻まれた。真琴が『抑制』の力を使って防御しているのだった。力がぶつかり合う間、その境目からは火花と稲妻が走っている。そうしているときに譲が呼んでいた能力者たちが次々に現れる。


「っ・・・・・・!!」


ついに力に差がつき、真琴が徐々に押され始めた。能力値でいえば五分五分のはずなのだが、今日の翔は手加減などしていない。それに経験の差というのが原因だろう。死からがはじけ飛び、真琴の身体は宙を舞って離れた床の上に落ち、譲は既にその場から離れていた。長椅子が翔によって破壊され、破片が飛び散っている。


「翔―そんなことしたら琴ちゃん死んじゃうよー。狙うのは爺だけでしょうにー。」

「邪魔するものは皆・・・壊す・・・・・。」


繁春と激突しながら護が翔に声をかけるが、全く聞く耳持たずである。


「よしよしよし・・・ありゃ駄目だな。完全に暴走してやがる。やらせておきゃいいんじゃね?中澤にはいいお仕置きになるんじゃねーの?」


コクと戯れながら香月が言った。


「ってか、なに遊んでるの?こっち手伝ってよ。ま、もうすぐ出終わるけどさ。ね、清忠。降参しちゃいなよ。」

「は!誰がするかよ!てか、なんでもう一匹の方は香月なんかに懐いてんだよ!!今は俺のしもべだろう!!」

「残念だったな。『抑制』のちからでお前の能力を無効化したに決まってんだろうが!!まだまだ甘いんだよバーカ!」


なんともふざけたような戦いであるが・・・もうすぐ決着はつきそうである。


 直も翔の破壊行為は続いていた。次々に能力者達を床に沈め、この建物を破壊して行く。さながら破壊神が降臨したようだ。


おそろしい。


真琴はその光景を、離れたところから茫然と見ていた。意識は戻っているのは、護と繁春が戦っていて余裕がなくなったからだろう。だがこういうときになにも気がつかなくてもいいと思った。今の翔はほんとに怖い。壊すことが楽しいとでも言うように、笑いながら床を壁を壊していく。離れている真琴でも思わず背筋に寒いものを感じた。


そのため危険が自分に迫ってきていることに気がつかなかった。翔の能力の影響で床は次々にひび割れ、そのひび割れは徐々に間隔が広まって来ていた。そして、真琴の下の床が、ぱっくりと大きな口を開いた。


「あ・・・・・・っ!!」


なすすべもなく、真琴の身体は下へと堕ちていく。手を伸ばすが、床には手が届きそうにない。あきらめて、落下して行くのを受け止めて目をつむったその時。


誰かが真琴の手をつかんだ。真琴の身体は落下して行くのをやめて、ぶらぶらと揺れている。真琴はゆっくりと目を開いて、上にいる人影を見た。


「ぎりぎりセーフ!さっすが俺だよねー。」

「自画自賛とかうざい。早く引き上げなよ。」

「おい、大丈夫かよ。」


真琴をつかんでいるのは護で、その横に充と香月。それにコクとビャクもいる。護に引き上げられた真琴はそのまま護に抱き締められた。ふんわりと、優しく包み込まれた。


「探したんだぞう。心配かけるなんていけない子だねー。お母さんプンプンだからね!」

「だれが真琴の母さんなの?気持ち悪。でも、安心した。」

「護さん・・・・充さん・・・・。」

「ったく、なんで来ちまうのかがわからん。だいたい、お前につけてたやつは取り外し自在だっただろうが!」

「あぅ・・・だって・・・何となく・・・翔さん達くる気がしてたし・・・あ・・・会えるかなって・・・会いたかったんだもん・・・皆に・・・それに・・・。」


真琴の声は、爆発音に似通った音にかき消された。真琴達がその方を見ると、もう部屋は見る影もなく、がれきの山と化していた。立っているのは翔だけで、譲やその他の能力者の姿はない。


「か・・・・翔さん・・・・?」

「あちゃー、あれどうやって止める?」

「俺まだ死にたくねーからなぁ。」

「爺達は逃げたね。気配がないし、ああなっても翔は人殺しはたぶんしないだろうし。」


たぶんとか気になる発言が聞こえたが、今はそれどころではない。真琴は、きゅっと着物の襟をつかむと、護の腕の中から飛び出した。


「琴ちゃん!?」


翔に向かって、真琴はただ走った。


今思ったんですけど、護は真琴に抱きつきすぎる。


翔より抱きついてんじゃないのか・・・・・

全然今回の話に関係ない感じのあとがきです。

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