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Magical Encounter  作者: 朝比奈 黎兎
第三章 『過去』
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第二十九話   香月と馬鹿月

タイトル意味不ー!


読めばわかるとは思うんですけどね・・・


 香月は『不知火』本家の中を歩いていた。薄暗いその廊下は、ろうそくで照らされている。周りはしんと静まり、人がいないかのような雰囲気だ。長い廊下の右側は全て部屋になっている。ほとんどが使われていない客間で、香月はその内の一つで休憩という名のさぼりをしようとしていた。


 そしていつもとは違う光景が目に入る。一室の襖から、光がもれている。いつもは本当にここが使われることはまれなのである。辺りは本当に薄暗いのだ。どうやら中に誰かいるようだ。不思議に思い、その襖を開けた。その中にいたのは、少年だった。見た目は15・6くらい。メガネをかけた、茶髪の可愛らしい子だ。その子の傍らには二匹の大きな犬がいる。


「・・・・・・・・・・誰・・・・・・・・?なんだ・・・貴方か・・・・。」


その少年は自分を知っているようだ。だが、香月には見覚えがない。


「何の用?・・・・また嫌がらせ?あんなので僕がくじけるとでも思ってるの?」

「・・・・何の話だ?それに、お前誰だよ。」

「・・・・・・・なにいってるの?僕だよ?中澤真琴。知らないなんてないよね。」

「いや・・・俺お前のこと知らないし。お前は俺の事、知ってるんだな?」

「うん・・・東條香月、翔さんとは異母兄弟。まぁ・・・それくらいしか知らないけどね・・・。ね・・・ほんとに僕のことわからないの?」


わからない。彼がいったことは事実だ。名前もあっている。つまり本当にこの子は自分にあったことがあるんだろう。だが、香月に身に覚えはない。


「とりあえず、中入っても良いか?」

「・・・・・どうぞ・・・。ていうか、さっきまでどかどか入ってきたくせに・・・。」


さっきって・・・俺はさっきまで近くのファストフード店にいたんだけどな。とりあえず、襖を閉めて中に入った。そこで改めてわかったが、真琴という少年の足首には金色の鎖がつけられていた。それは能力者の能力を封じる鎖だ。手錠タイプだったり様々な形状がある。


「それ・・・つけてるってことは、お前は能力者なのか?」

「違う・・・と思う・・・でも、貴方がつけたじゃん。」


だから覚えがない。しかも自分のことなのに、とおもうとは何なんだろう。


「貴方は・・・・僕が知ってる人じゃないの?」

「でもお前は東條香月にあったことあんだろ?」

「ある。ここに連れてきたのも貴方だ。じゃ、僕が貴方のことなんて呼んでたか知ってる?」

「しらね。」

「馬鹿月。」

「はぁ!?」

「初耳って感じだね。じゃ、さっきまでの人とは違うのかな・・・。双子の兄弟がいるとか、瓜二つの兄弟がいるとかない?」

「知るか!瓜二つなのは翔だけだ。俺は一人っ子だし。ましてや双子なんかじゃない。」

「そっか・・・・。じゃ、さっきまでの人と言うか、いままでの人じゃないって思う事にしよう。香月さんは、いままで僕と話してて嘘を言っている事はないですか?」

「いきなり敬語になった!?」

「ああ、だって香月さんの方が年上じゃないですか。馬鹿月のほうは敬語使う価値なしと判断してたんで、香月さんには敬語で話します。」

「いや・・・いままでのままでいいし。まぁ、馬鹿月って言うのは嫌だけどな。敬語とかなれねーんだよ。」

「そうですか?じゃ、やめる。僕はこのままどうなるのか知ってる?」

「さぁな、俺ここに来て初めてお前のこと知ったし。まぁ、なんか理由があってそうしてるとは思うけどな。」

「そうかぁ・・・・・。」

「お前、翔の事は知ってるんだよな?」


さっきから気になっていたことを香月は尋ねた。すると真琴の顔が真っ青になっていった。どこか苦しげに、顔をしかめた。


「ど・・・どうしたんだ?」

「昨日まで、一緒に住んでた。翔さんと護さんと充さんと一緒に。でも、僕出て来ちゃったんだ。何にも言わないで、ここに来ちゃった。僕にはね、記憶がないんだ。生まれてから10年間の記憶。それを探したくて・・・・ううん、翔さんをしなせたくなくて、ここに来たんだ。」

「翔をしなせたくない?」

「馬鹿月がねいってたんだ。僕が近くにいたら、翔さんは死んじゃうんだって・・・。そんなのやだから・・・だから傍にいないためにもここに来たの・・・・。結局自分のために来たんだけど、ここにいても思い出せるのかなって・・・。」


胡坐をかいていた香月の膝の上に、黒い獣がすり寄ってきた。白い方は未だに真琴の傍で伏せている。


「さっきから気になってたんだけどさ・・・こいつとそこの奴、式か?」

「そう、僕を守ってくれる式らしいんだ。名前は黒い方がコクで、こっちの白い方がビャクっていうんだ。僕が嫌いな人にはなつかないけど、香月にはなつくってことは、そんなに嫌いじゃないってことだね。馬鹿月には威嚇しまくってたからさ。」

「俺は好かれてるってわけか。お前はどうなんだ?」

「ん・・・どうだろ、まだ馬鹿月のイメージ残ってるけど、貴方の方が、翔さんに似てるから本物かなって。」

「そ。黙ってきたってことは・・・翔とかに知らせんのはまずいのか・・・。」

「うん・・・まだ、会えないから・・・・。」

「一生会いたくないわけじゃないと・・・。」

「うん・・・会いたいけど・・・今はまだ駄目だと思う。もうすこし、僕がしっかり自分のことわかってから、それからだから。」

「わかった。ま、ここにいる間は俺が面倒みてやるよ。あと、お前があったって言う俺の偽物、とっちめる。」

「おすきにどーぞ。」

「なんかほしいもんあったら言えよ。ま、用意するかどうかは不明だけどな。」

「そう言うとこはそっくり。偽物と貴方。」

「は、それはどうも。」



がたんと音がして、その部屋の襖が開いた。入ってきたのは、偽物の香月だった。


この前まで出てたのは偽物でした。


香月。ほんとは性格も少し翔になんですよ。

うん、私は香月のほうが好きだな。

でも動かしやすいのは馬鹿月にせもののほうだったりする(笑)

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