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Magical Encounter  作者: 朝比奈 黎兎
第三章 『過去』
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第二十八話   翔の決意

 

 がたんと・・・音がして、金属の箱は落下した。虚しくもそれは下の木にぶつかり、からからと地面を転げた。止まった時に聞こえてきたのは、苦痛の声。翔は真琴の部屋で、膝を落とした。


 いなくならないと言っていたのに・・・何故消えてしまったのか。許される限りここいいると言ったその人はいまはもうここにはいない。どこにいってしまったのかは分からない。ただただ、あの人はいないことだけが、頭の中にとどまる。確かにここにいたという痕跡はあるのに、ほんの数時間前まで、ここにいたのに。もうあの人はいない。いないのだ。先ほど手をすり抜けて落ちた携帯には、お詫びとお礼が書かれていた。こんなに突然に目の前からいなくなってしまう事を、いったい誰が予想していたんだろうか?

 

 俺はもう、あいつを守ることもできないのか?親から託されたからというわけでも、誰かにいわれたからでもなく、自分の意思であいつを守りたいと思ったのに、俺はそれさえできないのか?世界で一番大切な、中澤真琴という存在を、俺は守ることはできないのか。それに、まだ何故消えたかの理由がよくわからない。俺達に迷惑かけたくないからとか、そんなの理由とは思えない。もっと違う理由があるはずなんだ。

 

 だから、ちゃんと直接会って話がしたい。一人で勝手に決めて、出ていった。そんなのたとえあいつでも許せない。俺を置いて行かないで。結局自分のことしか考えてないから、俺のためにお前を欲する。俺はおまえが思ってるほどきれいな人じゃない。何だってする男なんだよ。いままでどれほどの血を流させたかわからない。そう言う男なんだ。それでも、お前は傍にいてくれると言った。あの時俺はうれしかったんだ。いつも一人だった俺に、ようやく傍にいてくれる人ができたんだって・・・。なのに・・・・。


「翔・・・・・・。」

「・・・護・・・俺・・・・どうすればいいんだか分かんねーんだよ・・・・。」

「そんなの・・・簡単じゃないの?」

「・・・・・・。」

「探すんだよ。琴ちゃんを。翔は一人じゃない。俺もいるし、充もいる。皆が翔を非難しても、俺らは、翔の味方だからね。だから、翔の一番大切な人、迎えに行こう?必死に探して、叱ってあげよう?俺らは琴ちゃんの親代わりでもあるんだ。叱って、そして受け入れてあげよう?琴ちゃんだっていま苦しいんだ。でも、自分と向き合おうと必死なんだ。でしょ?翔だって苦しい。俺だって苦しいよ。皆それぞれ苦しんでるんだ。だから、それを分かち合える。だから、探そう。皆でさ。」

「・・・・そ・・・・だな。」


 決めた。俺達は先へと進むために。真琴もきっと、先へと進むために決めた。そしてここから姿を消したんだよな?真琴も進んで、俺らも進んでいく。きっとその先で、俺らは必ず巡り合える。いや、俺らの方から真琴に会いにいく。必ず。俺らはおまえを追い求める。だから真琴は、お前は記憶を追い求めたらいいと思う。また会えたその時、お前の昔話が聞きたいよ。だからそれまでは、しばらく会えないな。俺はこれから『白姫』と、お前を探す。探しまくる。俺らはお前がいて迷惑だったことなんかない。楽しかった。いつも周りは能力者ばっかりで、変わり映えしないつらと考えにうんざりしてたんだ。でも真琴は違った。すっげぇ綺麗だった。考えも、なにもかも。新鮮だった。俺には俺を支えてくれる奴らがいる。いまのお前にはいるのか?お前はすぐ傷つきやすいし、自分の中に閉じ込めてるからな。誰かに相談しろよ?一番は俺に頼ってほしかったけど、無理強いはしないさ。俺は、お前が笑っててくれればそれでいいんだ。それだけでうれしいから・・・だから、悲しまないで。苦しまないで、泣かないで。笑ってて。前にも言ったけど、お前には笑顔が一番似合うから。またお前の笑顔を見られるまで、俺は頑張ろうと思う。



また一緒に暮らせるように、俺はおまえを探すから・・・・・・。


翔は真琴に優しすぎるだろう・・・もう少し厳しくしなきゃダメでしょうに。

SになれSに!

何言ってんだろう私は・・・・

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