第二話 三人組
前回長すぎだろ・・・と反省し、今回は控えめにしております。
基本これからこの長さかなと思います。
では、二話です。
少し硬直している真琴を差し置いて、翔と護の話は続く。
「つか護、お前何?フラれてたの?初耳だし。」
「そんなに深く探ってこなくていいし!!!」
「真琴も聞きたいって言ってる。」
「僕!?」
「琴ちゃんはそんなこと言わないもん!!琴ちゃんは俺の味方だよねー。」
「え・・・でも・・・そういう話聞いたことないから・・・ちょっと興味あったりなかったり・・・。」
「琴ちゃん!?」
するとそんなところに、この家に住むもう一人の従兄弟が帰ってきた。携帯を見ながら、器用にドアを開けて、部屋にいる護を凝視する。銀髪のショートカットの髪を揺らし、これまた美形さんの登場に、真琴はもうなんかわからないなれを覚えた。
「護・・・・五月蠅い、だまってよ。今何時だと思って・・・・。・・・・恋人争奪してんなら外でやってよ。」
「充!?お前・・・どこをどう見たらそう思うんだよ!?」
「何、翔?違うっていうの?じゃ、その腕の中の子はなんだっていうの?あれ?隠し子?いつの間にこさえたの?」
「違うって言ってんだろうが!!」
「隠し子・・・僕そんなに幼く見えるのかなぁ・・・・。」
『ぱしゃっ』
いきなり携帯のカメラで写真を取られた。何なんだもう。
「ふえっ!?」
「・・・・・・・・。まぬけ顔。」
「え・・・・ええ・・・・え・・・・?」
「ま、琴ちゃんは可愛いから。」
「それ、男に対する褒め言葉でもなんでもないです。むしろ落ち込みます。」
「充、先に言っとく。俺は護みたいな種まき行動はしてない、おんなったらしは護の専売特許だ。」
「なにそれ?ねぇ、ちょっと、俺それじゃあ悪人だよ?」
「ほんとのことだし。ていうか、この前フラれてまだ懲りてないの?」
「なんで充がそんなこと知ってんの?」
「僕が知らないことなんてないね。ちゃちゃちゃっと調べれば、どんなことだってわかっちゃうんだよ。」
携帯を操作しながら充が言った。
「で?その子は、翔の子?護の愛人?それとも・・・三角関係?」
「んなわけないって言ってるし。この子は今日からここの同居人。」
「なーんだ。そう、ここに住むんだ。君も大変だね。特に、この馬鹿がいるんじゃ。」
そういって充と呼ばれていた青年はどかっと護の横に座った。
「馬鹿って俺の事?」
「護以外に誰がいるのさ?僕、天草充・・・よろしくね・・・・中澤真琴君?」
「え・・・・・。」
微かにはにかみながら、充はそういって真琴を見た。
「間違ってないよね?中澤真琴君。1***ねん7月7日生まれの18歳。身長158センチ、体重41キロ。大好物は甘いもの、とくにクリーム系のお菓子には目がない。苦手なものはピーマンと牛乳。背が伸びないのと、18に見られないのが今一番の悩み。」
「え・・・・え・・・・ええええええ!?な・・・なんでそんなことまでしってるんですかぁ!?」
「調べたから。写真さえあれば、どうだってなるからね。まだいろんな情報有るけど、聞きたい?」
「遠慮します!!」
「あははは、ピーマンと牛乳苦手なんて、おこちゃまだなぁ、琴ちゃんは。」
「うううう・・・・。だって・・・苦いし、白いし・・・変な味するし・・・。」
「ぷ・・・・・・くっ・・・・。」
「くす・・・・・。」
「あっははははは、ますます子供っぽい――――。」
「み・・・みんなして笑わないでくださいよぉ!!・・・くしゅん!!」
再びくしゃみが出てしまった。ずびずびと鼻をすする。風邪でも引いたのかなぁ・・・。
「・・・やっぱコーヒーまみれにして帰ってきたのが悪かったか?」
「翔そんなことしたの?」
「ぶつかってな・・・。」
「いいぇ・・・僕も・・・悪いっくしゅん!!」
「真琴、もう寝たほうが良いよ。翔の部屋でね。」
「あ・・・・やっぱ俺の部屋なんだ。」
「僕の部屋、足の踏み場ないもん。」
「片付けろよ。」
「俺の部屋は布団一個しかないから無理ー。」
「お前なぁ・・・・。ま、いいけどさ、俺の部屋、階段上がって右側のすぐの部屋だから。」
「わかりました・・・・っくしゅ・・・。おやすみなさい・・・・ぐしゅ・・・。」
「おやすみ。」
「・・・・・・おやすみ。」
「おなか出して寝ちゃだめだよー。」
「僕そんな子供じゃないです!!」
リビングから出た真琴は、廊下を歩き、奥にある階段を上って二階に行った。そして言われた通り右側の手前の部屋に入る。薄暗い部屋にはセミダブルのベットに、クローゼットが二つ、本棚が数個に机があった。何ともモダンな感じな部屋である。しかもすごく片付いている。おそらく翔は几帳面なんだろう。真琴はするする、ベットに近付き、眼鏡をはずして近くの机に置いて、ベットにもぐりこんですぐに眠りについた。
お読みくださりありがとうございます。