第二十二話 初詣
正月ネタはこれで最後です。
いい加減時期を考えろと突っ込みたくなりますよね・・・
ええ、重々わかっております。
あとちびっと(?)女装ネタありです。
そして、とうとう年越しを終え、いま真琴達は初詣に来ていた。おみくじを引いている人や、お参りをしている人、出店を回っている人などいっぱいだ。しかしそんな中、新年早々不機嫌顔の真琴がいた。
「な・・・なんで僕、女物の着物着てるんですか!!!」
「琴ちゃんそんな恰好でそんな顔しちゃだめだって。それに僕じゃなくて私。」
「僕で十分です!!」
初詣行くよー!!と護が宣言していたと思っていたら、いきなり着物を着せられた真琴。どうやら、どこからか調達してきたらしい。というか、でどこは予想できた。若奈・春奈姉妹提供だろう。だって、すぐそこにいるんだから。一緒に初詣に来たらしい。髪の毛なんかつけたくもないウィッグを勝手につけられ、後ろでくくりあげられている。どっからどう見ても女の子にしか見えなくて、鏡の前で脱力したのは言うまでもない。
「ぷ・・・くくく・・・やっぱ女にしか見えないね。」
と言いながら、腹を抱えて笑ってるのはDDモデルの要一さんだ。彼も一応有名人なのでサングラスかけてるが、イケメンオーラ的なものは隠せてない。まぁ、あの三人がそろってるだけで目立つんだけども。
「要一さん、からかってますね?」
「まぁまぁ、似合ってるんだし、着なきゃ損ってことじゃない?」
「その通り!さっすが要一。わかってるねー。」
ぐっと、親指を立てて誇らしげに立っている護。その横には若奈に振り回されてものすっごい不機嫌になっている充とそれをなだめている春奈。まだなにかねだろうとで店を覗く若奈。ややいらいらしている翔がいる。
「せっかく掃除してあげたのに、恩をあだで返すだなんてぇ!!」
「あれはあれ、これはこれでしょ。それにシュークリーム買ってあげたじゃん。おあいこでしょ?」
「おあいこじゃないですよ!!」
「ったく、お前は真琴のいやがる事そんなにしたいか?」
翔が口をはさんだ。というか、貴方も全力で阻止する側に立ってくれなかった気が・・・。
「琴ちゃんからかいがいがあるんだもん!」
「ええ!?」
それだけの理由で、女装させられたのか・・・・・。
「これだけ似合ってるんだから、またモデルやってもらおうかな。」
「要一さん!?」
「じつはね、真琴君が出たあの時の奴、結構人気あってね問い合わせも来たみたいだよ?あのかわいいモデルさんって誰って?一応駆け出しの無名モデルってことにしてるけど、今に本格的にオファー来るかもね。女性モデルとして。」
「そんなの嫌です!!お断りです!!」
「でも、俺君の素顔見たことないな。初対面の時も確か女の格好してたし。」
「うっ・・・たしかに・・・・。」
「真琴は正直あんま変わんないな。そんな恰好してても、元がもとだしな。」
「翔さん!!フォローにも何にもなってないです!!」
「琴ちゃんは基本化粧とかそんなに要らないしね。ほぼ素ッピンです!!」
「うれしくないですそんなのー。」
「てれちゃってこのこのー。」
「照れてないですし!それに押さないでくださ・・・・うをっ!?」
はきなれてない草履のせいでバランスを崩した真琴を、翔がなんとか受け止めた。
「琴ちゃん大丈夫?」
「大丈夫です・・・・もう、押さないでくださいって言ってるのにー!!」
「ごめんごめん。」
全然反省の色が見えないんですけど・・・・・。
「あ、翔さんありがとうございます。」
「怪我なかったか?」
「はい。」
その後、七人はそろってお参りしに境内の方に向かった。鈴を鳴らして、手をたたき、一心に願う。真琴の願いは・・・・。
『皆と過ごす日々がずっと続きますように・・・・・。』
「さーって、甘酒もらって帰るー?」
「そうだな。」
「早く行きましょ。」
「僕もう帰りたいんだけど・・・・。」
「充さん、そんなこと言わないでくださいよ。」
「くすくす。」
「俺これから撮影だから。」
「新年からか?」
「そ。」
という事で、要一は去っていった。売れっ子に休みはないんだろうか。
「あ、そういえば。要一も能力者だからね、琴ちゃん。」
「え・・・・・!?」
「『治癒』ってやつ。もう怪我なんかあっという間だよ。」
「ふえ・・・・あの要一さんが・・・・。」
「私達にはないんですけどね。」
「そうなんですか?」
若奈と春奈の方に向きながら言う、真琴。
「ええ、なんでか知らないけど。受け継がなかったみたいね。ま、あんな面倒なの無くても良いわ。」
「面倒なのって、普通本人達の前で言う?」
「まぁまぁ、充さん。あちらで甘酒もらってきましょうね。」
春奈にそういわれ、若奈に腕を引っ張られて充は甘酒のほうに行ってしまった。
「充さん、大変ですね。」
「そうだな。あの二人に振り回されんだな、今年も・・・・。」
「私も、きみらに今年も振り回されそうだけどね。」
そう言って現れたのは刑事の池谷。それに後ろからは隆もいた。
「池谷さんに、隆兄ちゃん!」
「おや、真琴君だったんだね。そんな恰好してたから気がつかなかったよ。」
にっこりと池谷にそう言われると怒りたいのに怒れない。すると、今まで池谷の後ろにいた隆が真琴の前にやってきた。
「うえっ!?真琴なの?」
「うえってなに?」
「いやぁ・・・みちがえちゃったなーって。似合ってるよ真琴!」
「うん、うれしくない。似合ってないのが普通だからね?」
「うわ―今年は縁起悪いわ―!新年早々刑事見ちゃったよぉー!」
護がわめきだした。
「私もまさかこんなとこで君らに合うとは思わなかったんですけどね。きみら、神様仏様信じてなさそうなので。」
「あんたは俺らのことなんだとおもってんの!?」
「人の形した悪魔ですかね?」
「うわぁー、イメージサイテー。」
明らかに棒読みな護の一言。
こうして新しい一年が幕を開けたのだった。
四カ月遅れのあけましておめでとうg・・・
いえ、なんでもありません。軽く受け流してください。