第十六話 覚醒
タイトル通りですね。まんまです。
真琴は再び目覚めていた。だが、動こうとはさらさら思えなかった。力も上手く入らない。さっきのことが、あまりにも衝撃的過ぎて、信じられなかった。そこに再び、あの男が現れたが、何故かまだ身体を動かすことができない。再び男に覆いかぶさられた。真琴を見下ろすその瞳は今はまだ黒いままだ。
「さっきの・・・あなたの・・・能力なんですか・・・?」
「まぁね。さて、あの五月蠅いせがれが来てしまうまでに、続きをやってしまおうか。」
「え・・・・?」
再び金色の瞳が、真琴の意識を支配した。再びあの違和感が体中を駆け巡る。今度はさっきよりも強くそれが感じられる。おそらく、護が施していいた術でさっきのは威力が弱まったいたのだと思われるが、真琴がそれを知るはずもないのだった。
「う・・・ぁ・・・いやぁ・・・あ・・・・・あ・ぁ・・・・やだっ・・・・。」
真琴のうめき声が、ホテルの一室に響き渡る。そして、なんの妨害もなく、繁春は真琴の意識を手に入れた。だが、またしてもここで繁春の能力を阻害したものがあった。
「っ!??」
びくんと、真琴の身体が飛び跳ねる。そして次の瞬間、真琴は絶叫した。
「っあ・・・・あ・・・・・いやああああああああああああああああああああああああ!!!」
いままで力が入らなかった身体に力が入るようになり、混濁していた意識は鮮明になって来ていた。真琴は繁春の下で暴れはじめる。そのせいで、繁春はいったん能力を解除せざるを追えなくなってしまった。だが再び真琴の両腕を封じ、再度試みた。しかし、それを真琴が許さなかった。瞳を閉じ、顔をそむけて抵抗する。これでは意識を手に入れることはできない。繁春には何が起きたのか見当もつかなかった。一般人に繁春が跳ね返されることはまずない。なのに、この少年はいとも簡単に自分の意識から繁春を追いやったのだ。
「やだ・・・・やっだぁ・・・・っぐ・・・も・・・かえりた・・・い・・・っ・・・やめて・・・やめてよぉ・・・・。」
「こちらとて、あそびじゃない。さっさとあきらめてしまった方が楽なんだよ?」
「やだっ・・・・いやぁ・・・・。」
そのとき、ドアの向こうから男達のうめき声が聞こえた。そして、鍵が壊される音がして、血相を変えた護が部屋に飛び込んできた。
「繁春!!」
「ずいぶん早かったな。見張り連中は何やってるんだか。」
「あんなザコに見張りさせるなんてね。俺をなめんじゃないよ。さ、琴ちゃんから離れて、こっちに引き渡してよ。」
「そうはいかない。」
そう言った繁春は、疲れ果てぐったりしている真琴を引き寄せるとスッと首筋に手をかけた。今にもその細い首をへし折ってしまうかの様な手つきに、さすがの護もひやっとした。この男ならいとも簡単にやりかねないのだ。真琴はさっきから無表情でそこにいる。
「いい加減にしないとさすがの俺でもキレるよ。いいから返せよ。その子に何かすんのは許せない。」
「この子がそれほど大事か?」
「そんなんじゃないさ。でも、あの翔がその子のことを異様に心配してるんだ。こっちとしては、翔に
これ以上苦しませるようなことはしたくない。その子はきっと、翔を笑顔にさせてくれる。だから、その子は翔の傍にいなきゃいけない子なんだ。だから、返せ。」
「なら、交換条件だ。お前が本家に帰って協力すると言うなら、この子は無傷で返そう。」
「っ・・なにいってんだよ・・・。俺に翔を裏切れって言ってんの!?」
「そう聞こえなかったか?お前はもともとこちらにいるべき人間なんだ。あの子らといても、お前のためになるとは思えない。」
「どの口が・・・・俺のためにならないとか言ってんの!?お前は、俺のことなんか何も考えてない。
自分だけしか頭にないくせに。他の人間なんかどうでもいいと思ってるくせに、よくそんなこと言えるな。俺はお前なんか、父親とも血縁とも思ってないね。もう十分だ。俺はだれにも縛られずに生きる。翔達は俺を一か所にとどめようとはしない。けどお前達は、俺を・・・俺達を道具としか思ってないんだろう?そんな奴らのとこなんかたとえ死んででも戻る気はないね。さ、良いから琴ちゃんかえせ。」
「ふっ・・・これだから、お前はもう少し周りを見ろと言ってるんだ。」
「なにが・・・・!!?」
振り返ると、後ろに先ほど倒した男達とは比べ物にもならない力を持っているだろう男達が、護の方に向かって来ていた。
うーん・・・・悩む毎日です。
お読みくださりありがとうございます。