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Magical Encounter  作者: 朝比奈 黎兎
第二章 『能力者』
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第九話  夢の中の来訪者

第九話です。



 真っ白な世界にいるのは真琴だけだった。人は真琴以外に誰もいない。そして、真琴の目の前には、一対の大きい犬のような生物がいた。一匹は白くやや隣にいるものよりも小さい。そしてその隣には黒い獣の姿があった。白い方は綺麗な金の目、そして黒いほうは真っ赤な血のような目をしている。それを、真琴はただ無言で見つめていた。いや、実際には何が何だか分からず、言葉を発せなかった。すると白い方が真琴にすり寄って来た。撫でてほしいのではなく、なんだか真琴をあやしているような感じがした。黒い方はじっと真琴を見つめているだけである。真琴は白い方には恐怖を覚えなかったが、何故か黒い方には恐ろしいと感じた。でも両方とも懐かしいと感じたのは気のせいなのであろうか・・・。


「君達は・・・・貴方達は・・・・誰・・・・?」


 答えてくれるはずがないのに、真琴はそう問いかけた。すると白い方がしゃべったのだ。それは女の人の声だった。


「私達の事・・・覚えてないのね・・・・。」


その声はどこか懐かしさがあった。すると今度は黒い方が、ゆっくりと近付いてきながら話し始めた。こっちは男の声だ。


「俺が封じたからな。お前の過去を・・・・そして俺達のことも。それに今は姿を変えているしな。」

「なんで・・・・?」

「覚えていては困るからだ。お前には宿命を背負わせてしまった。俺は止められたのに、止められなかった。だから、お前だけは助けたかった。だから、封じたんだ。だが、運命とはすでに決まっているのかもしれないな。お前は出会ってしまった。」

「え・・・・?出会ってしまった?宿命?」

「ごめんなさい、貴方には普通に生きてほしいの。でも・・・貴方は生まれたときから、それは叶わないものになってしまっているのかもしれないわ・・・・。ごめんなさい・・・。」

「なんで・・・なんで謝るの?貴方達はだれ?僕は一体・・・・。僕って・・・何?」

「あんずるな・・・お前はお前だ。お前のいるべきところも、お前の存在も、全てお前が望むようにすればいい。お前の人生だからな。」

「これから、貴方はきっと恐ろしいことに巻き込まれてしまうわ。でも、きっと貴方なら大丈夫。」

「大丈夫って・・・・。」


 すると、白い方が真琴から離れ、黒いほうの傍らに歩いて行った。そして、二頭の獣の姿が、徐々に消え始めた。


「ちょっと・・・待ってよ!!まだ何も聞いてないし、貴方達はだれなのかも、僕の過去ってなんなのかも、何にもわからないよ!!」


だが、二頭の獣の姿は淡い光と共に消えてしまった。


「待ってよ・・・・待って・・・・ま・・・・・・。」


 真琴はベットの上でゆっくりと体を起こした。どうやら夢だったらしい。それにしても不思議な夢だった。


「あれは・・・・一体・・・何だったんだ・・・。黒と白の獣・・・。でも・・・なんでしゃべってたんだろう。それに・・・・。」


 確かに真琴には、記憶がない。生まれてから、隆に会う以前の記憶が、何故かなかったのだった。それを、あの獣は知っている。そして自らが封じたと言っていた。あの獣はなにを知っているんだろうか。何故あの獣は記憶を封じたのか、その真意は聞けずじまいだ。しかも、あの獣の正体さえ分からない。なのに、何故かなつかしみを覚えてしまった。それはいったいなぜなのか。


「わかんない事ばかりだよ・・・・・。」


しかし、いつまでも考えていても駄目だと思った真琴は、着替えると、リビングへと向かった。しかし、人気はない。


「そうだ・・・・今日は三人とも出掛けるって言ってたっけ。」


テーブルの上には護が作ってくれていた朝食が置かれている。真琴はそれを見て、フッと笑うと、食べたら出かけようと思いいたった。


今回少し短いかなと思います。


これくらいがベストな長さな感じもしながらまた長くなってしまうのは

もはや私がわるい。

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