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神の空  作者: 瀬戸 空
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プロローグ

 約二千年前に神は人々の前に姿を現して、人々に教えを説いた。                  

 人々は彼を崇拝し、愛した。彼もまた人々に希望を与え、愛した。人々は彼が天に帰っても、彼の教えを広め、愛した。人々の生活の中にはいつでも彼がいた。彼はいつでも人々を優しく見守っていた。

 神がいたからこそ、この世界はこんなにも栄え、平和だった。

 人々は幸せだった。風を感じ、水の冷たさに驚き、火の暖かさに和んでいた。戦争はたまにあった。でも、神を信じていれば怖くなかった。

 多くの人々は神は天にいるという。少ない人々は神は自分の中にいるという。もっと少ない人は精神の中にいるという。もっともっと少ない人は神はいないという。

 神は悪を許さなかった。だから、罪がある者はそれを償わなくてはならなかった。

 神がいたからこそ善悪は生まれ、人々は善悪を学んだ。もしも、神が生まれてこなかったとしたら、世界は地獄のようになっていただろう。そして、世界は壊れていただろう。

 

 神が光臨して世界に光を導いてから約2千年後、再び神は光臨した。しかし、今回の神は2千年前とは違った。神はデータとなって人々に教えを説いたのだ。

「私は神だ。世界に一つの光と闇がきたるであろう」

 データは全世界じゅうのコンピュータや携帯電話などに駆け巡った。先進国のほとんどの人はこれを見た。

 人々はこのことに狂喜した。多くの街では喜びを伝えようと街中がお祭り騒ぎだった。教会には入りきれない程の人が集まり、同時に賛美歌を歌った。もう、政治やら仕事やらそんなのは関係が無かった。全ての人が一日じゅう狂喜した。

 しかし、その喜びは一日しかもたなかった。それは本当に突然に起こった。

 突然に停電したのだ。それも、全世界が突然に。それは深夜に起こったので多くの人々はパニックになった。テレビをつけても、何も映らない。ラジオを聴いても、何も聴けない。電話が繋がらない。人々は怯え、パニックを起こしていた。

 ほとんどの国がこのことについて全く理解ができなかった。政治家はほとんど何もできなかった。周りにある全ての電気製品は使えなかった。電波を使う携帯電話さえ使えなかった。

 政治家が活動できるようになったのは、夜が明けたからだった。しかし、政治家ができるということは緊急会議くらいだった。緊急会議では対策を練るといっても、ほとんどなにもできなかった。

 間もなく世界は大混乱に陥った。世界はいままで電気に頼りすぎていたのだろう。人々はもはや、ほとんど何もできなくなってしまった。

 

そして、悪夢が世界を襲った。

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